国内ではコロナの新規感染者が大きく減少し、目に見えて人の往来が増加していますが、欧米の感染状況を伝える外電は、感染収束がまだ遠いところにあると感じさせています。もうじき義母の1周忌を迎えますが、コロナ禍でありながら曽祖母の自宅で臨終を看取った小学5年生の男の子(小生の孫)は作文に、「この前、大きいおばあちゃんが亡くなりました。僕にとって身内の人が亡くなるのは初めてでした。僕は大きいおばあちゃんといつも一緒に住んでいるわけではありませんが、お正月やお盆には、子や孫やひ孫などたくさんの人が大きいおばあちゃんの大きな家に集まって、いろんな話をして過ごします。大きいおばあちゃんのシワシワの顔いっぱいのうれしそうな笑顔を見ると、いつも世代を超えた家族の強い絆が感じられました。大きいおばあちゃんが亡くなったときも、いつものように大きいおばあちゃんの家にみんなが集まりました。目を閉じた大きいおばあちゃんの手はびっくりするほど冷たく、僕は悲しくて涙が止まりませんでした。でも、みんなで大きいおばあちゃんを天国に送ることができたので、きっと大きいおばあちゃんはシワシワの顔の目を細めて喜んでいると思います。」と綴り、近親縁者のみならず隣人・知己が誕生や臨終をわがことのように喜び、悲しむという『人の行き来(往来)』がコミュニティの基本になることを子どもながらに感じたようです。依然として、病院や介護施設では、感染拡大防止の観点から、家族を含めて面会の制限が実施されてますが、一日も早く『かつての日常』が戻ってくることを願うばかりです。

 

 第49回衆議院総選挙は10月31日に投・開票が行われ、政権与党を構成する自民党が261議席、公明党が32議席の合計293議席を獲得し、引き続き岸田文雄自民党総裁を首班とする内閣が継続することが確定しました。マスコミの事前予想で苦戦が伝えられた自民党は、前回の総選挙の当選議席284からは減らしたものの、総得票数では小選挙区27,626,235票(48.08%)、比例19,914,883票(34.66%)で、前回の小選挙区26,500,722票(47.82%)、比例18,555,717票(33.28%)をともに上回る結果を残し、危機バネが働いて『土俵際で踏み止まった』かたちで、逆に優勢と見られた立憲民主党は前回の選挙で希望の党が獲得した967万余の大半を日本維新の会や国民民主党に奪われ、現有議席を減らすという結果となりました。今回の選挙に対する新聞論評は「国民は保守的で大きな変化を求めていないことが鮮明になった」とありますが、92人が初当選、20人が返り咲きし、自民党で甘利明幹事長や石原伸晃元幹事長、野田毅両院議員総会長など、立憲民主党で平野博文代表代行や辻本清美副代表、小沢一郎元自由党党首、中村喜四郎元建設大臣など『大物・ベテラン』が小選挙区で敗北したことは『新旧交代』を強く印象付る結果で、「決して変化を求めていないわけではない」と考えます。仄聞するところでは、11月10日に院の構成と新しい内閣の首班を決める特別国会が召集されるとのことであり、議員各位には目先の浮利にとらわれることなく、大局的かつ建設的な議論を展開されるよう期待するところです

 島根県の政界に大きな足跡を遺された第52代島根県議会議長の浅野俊雄先生には10月26日急逝されました。浅野先生は松江市の農業委員(公選)、市議会議員を経て昭和42年に県議会議員に初当選以降、県都で11回連続トップ当選と言う『途轍もない選挙記録』を樹立し、平成31年4月の引退まで当選13回、議員歴は51年におよびます。自民党島根県連の幹事長を7期12年お務めになり、青木幹雄先生と同期と言うこともあって、永田町の自民党本部を拠点に全国の地方議員に呼び掛け、指定湖沼の水質対策やコメの価格維持、飼料米の導入、転作支援の制度要求などに大きな力を発揮されました。ある議員研修会で、「ハクビシンガ フリーゲージデ トレンガ モンダイダ」と発言され、「ハクビシンが出没し、大きな箱ワナを準備したものの捕獲できず、大きな問題になっている」と野生鳥獣の問題を提起されたと解釈したところ、「伯備線のフリーゲージトレイン計画が行き詰っている」という意味だとのことで、大爆笑になったことがあります。独特の話調、いわゆる『浅野語』を駆使した県議会での発言は、中海の浚渫・浄化や特別支援学校の充実、高校理数科の創設、食の縁結び甲子園の開催まで特定のジャンルはなく、黒い手帳から繰り出される提案は縦横無尽なものでした。近年は、「島根県は年寄りが多いから年寄り目線で政治を語る」として、『自動車のフェンダーミラーの必要性』を説き、『血液浄化に効能アリとしてエゴマや桑茶の生産』を奨励されていたのをつい昨日のように感じます。烏骨鶏の世話や自ら明日葉を栽培するなど人一倍、健康に留意され、生涯現役を貫き、まさに『ピンピンコロリ』で駆け抜けた浅野先生の91才の人生は『お見事』と言うほかはありません。ここに、浅野俊雄先生のご冥福をお祈り申し上げ、謹んで哀悼の意を表します。合掌。