6月30日、各地の神社には境内の鳥居などに大きな茅の輪がつくられ、半年間の穢れを清めて災厄を払う「夏越の祓」が斎行され、無病息災を願って参拝者が茅の輪を潜り抜ける「茅の輪くぐり」が行われました。「茅の輪くぐり」は、潜る事によって参拝者の穢れや厄災を茅の輪に移し清めるためのものとされ、潜り方や回数、唱え言葉の有無など、作法は地域や神社ごとに異なります。夏越の祓に茅の輪を用いるのは、神話のスサノオノミコトに由来するようですが、出雲大社では神殿前に○ではなく、U字をした茅の輪が設えられ、北島国造館では丸い大きな茅の輪を潜ります。小生の住む地域の「大祓い」は、人形(ひとがた)と呼ばれる紙の形代で身体を撫で、息を吹きかけて穢れを移したものを封筒に収めて神社に奉納し、お清めをして無病息災を祈念する習わしが続いています。島根県とりわけ東部地域では新型コロナウイルスの感染が急拡大していますが、5月末までは「BA・2」とされたオミクロン株が感染力がより強いとされる「BA・5」への置き換わりが急速に進んでいるとのことであり、「手洗いの励行」「3密回避」「適切な換気」に加えて神仏の霊力をお借りして、感染拡大の封じ込めを図ってほしいと思います。
6月28日、島根県と松江市は305人の新型コロナウイルス新規感染が確認されたと発表しました。4月22日の219人を上回る過去最多の感染で、出雲保健所管内で158人、松江保健所管内100人、雲南保健所管内35人など、出雲部での感染が多くを占めています。丸山知事は6月24日の会見で、出雲市で20代から40代の感染が急拡大しているとして出雲市内の飲食店等の利用制限を要請するとともに職場でのクラスター対策の強化や無料検査の実施期間延長に言及しましたが、大規模クラスターの引き金と考えられる出雲市内の事業所について特段のコメントはなかったと聞いています。6月29日、新たに283人の感染を発表す るに至って、県は6月18日のクラスター発生以降、一昨日までに同一事業所で358人の感染が確認され、出雲市や松江市などの感染者急増と無関係ではないとの認識を示した上で、出雲保健所に対応チームを設置して封じ込め対策を強化するとしましたが、感染はワクチン未接種の幼児や若年世代を介した2次感染、3次感染に拡大するおそれがあり、心配です。事業所はクラスターの発生以降も平常の操業を続けており、自社で全従業員のPCR検査を実施するなど、主体的な感染収束に向けた対応は執られていないように見えます。コロナ禍で極めて大きな痛手を被ってきた飲食などの事業者がようやくの思いで平常に向かいかけた刹那、過去最高益を計上したとされる大規模事業所のクラスターで再びの営業制限を余儀なくされる不合理には、虚しさというよりも怒りを覚えます。
「電力需給ひっ迫警報」は、発電所の故障や天候不順などで需給のバランスが乱れ、大規模停電が予測される場合に経済産業省(資源エネルギー庁)が発令するもので、東日本大震災の電力危機を踏まえて制度化され、本年6月からは警報に加えて「注意報」および電力会社が発出する「準備情報」が新設されました。「準備情報」は前々日の段階で、ピーク時の電力供給の予備率が5%を下回ると予想される場合に電力会社から、「注意報」は前日の段階で、ピーク時の電力供給の予備率が5%を下回ると予想される場合、「警報」は前日の段階で、電力会社相互の電力融通など、あらゆる需給対策を踏まえても、需給がひっ迫する電力会社のエリアで供給予備率が3%を下回る見通しとなった場合に、いずれも経済産業省から発表されます。6月27日、6月としては記録的猛暑が続き、需要に対して十分な電力供給ができない状況があるとして、東京電力管内で節電を呼びかける「電力需給逼迫(ひっぱく)注意報」が発表され、6月28日も継続されました。平成30年に地震に伴う火力発電所の運転停止によって、北海道でブラックアウトが発生したことは記憶に新しいところですが、「産業のコメ」と言われる電力の需給ひっ迫は、脱炭素化や原発の稼働停止などがあるにせよ、日本の国力低下を如実に示しており、政府は、節電を呼びかけると同時に国民生活の安定と産業振興の両面からしっかりとした電力の需給計画を示す責務があると感じます。