6月28日、島根県と松江市は305人の新型コロナウイルス新規感染が確認されたと発表しました。4月22日の219人を上回る過去最多の感染で、出雲保健所管内で158人、松江保健所管内100人、雲南保健所管内35人など、出雲部での感染が多くを占めています。丸山知事は6月24日の会見で、出雲市で20代から40代の感染が急拡大しているとして出雲市内の飲食店等の利用制限を要請するとともに職場でのクラスター対策の強化や無料検査の実施期間延長に言及しましたが、大規模クラスターの引き金と考えられる出雲市内の事業所について特段のコメントはなかったと聞いています。6月29日、新たに283人の感染を発表するに至って、県は6月18日のクラスター発生以降、一昨日までに同一事業所で358人の感染が確認され、出雲市や松江市などの感染者急増と無関係ではないとの認識を示した上で、出雲保健所に対応チームを設置して封じ込め対策を強化するとしましたが、感染はワクチン未接種の幼児や若年世代を介した2次感染、3次感染に拡大するおそれがあり、心配です。事業所はクラスターの発生以降も平常の操業を続けており、自社で全従業員のPCR検査を実施するなど、主体的な感染収束に向けた対応は執られていないように見えます。コロナ禍で極めて大きな痛手を被ってきた飲食などの事業者がようやくの思いで平常に向かいかけた刹那、過去最高益を計上したとされる大規模事業所のクラスターで再びの営業制限を余儀なくされる不合理には、虚しさというよりも怒りを覚えます。