お正月恒例の第99回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)」は、駒澤大学が2年ぶり8回目の総合優勝を果たし、出雲全日本大学選抜駅伝と全日本大学駅伝とあわせ史上5校目の大学駅伝3冠を達成しました。初日の往路を制した駒澤大の総合優勝を大きく手繰り寄せたのは、出雲市立河南中学校から島根県立出雲工業高校を経て昨春、駒澤大へ進んだ伊藤蒼唯選手で6区の山下りを58分22秒で駆け抜け、チームで唯一となる区間賞を獲得しました。平成初年に始まった出雲駅伝に多くの強豪校が出雲市にやって来るようになり、私たちにとって大学駅伝は極めて身近なものになってきましたが、島根県出身の選手が箱根を走る姿がTVで放映されるのは稀で、一昨年の東京オリンピックの三浦選手に続く快走は、陸上長距離に取り組むんでいる島根県の関係者に大きな希望を与えたと思います。伊藤選手は、高校1年生の時に出雲駅伝後にあった記録会で駒澤の大八木弘明監督から声をかけられたとのことですが、出雲駅伝当日の夕方に島根県立浜山公園陸上競技場で開かれる記録会は、出雲駅伝で当日の出走メンバーに選出されなかった控えの選手が出場する5000mのタイムレースで、永年に亘って高校駅伝に携わってきた加田由和先生の呼びかけに出雲市陸協の関係者が応じたものと聞いています。記録会には駒澤大をはじめ強豪校の選手に加えて地元の大学生や高校生の参加が可能で、駅伝監督の前での本気のレースが快挙の伏線となったことに疑う余地はなく、加田先生と出雲市陸協の皆さんの『いずれは出雲から』の思いが、大八木監督の最後の箱根で結実したことに心からの祝意を贈りたいと思います。
『易経坤為地』に「積善之家必有餘慶。積不善之家必有餘殃。臣弑其君、子弑其父、非一朝一夕之故。其所由來者漸矣。由辯之不早辯也。易曰、履霜堅冰至。蓋言順也。」とあります。その意味するところは、「善行を積み重ねた家には、その報いとしてきっと幸福が子孫にまで及び、反対に不善を積み重ねた家には、きっと災禍が子孫にまで降りかかるものである。臣下が自分の君主を殺したり、子が自分の親を殺したりするような痛ましい事件は、一朝一夕の短い期間で起こりうる性質のものではない。霜を踏んで歩く季節を経ると、やがて氷の張る季節が来るように、物事の兆候が現れれば、大事が間もなくやってくる。それは、早い段階にその事態を理解し、適切な措置を施さなかった結果なのである。」とするものです。
多くの場合は、前半の「積善の家には必ず餘慶あり」のくだりが引用され、「善行を続けると子々孫々まで幸いがある」と説かれますが、為政者や指導者に必要なことは『物事の兆候を見逃さずに、適切な準備を怠らない』ということで、少子高齢化や食料、エネルギーの自給、医療・年金の肥大化など、いま生じている問題のほとんどは永年に亘って積み重なった『アカの集積』であり、目先の利益や有権者の歓心を得るがための所作を優先させた結果であることは紛れもない事実です。
敗戦後の日本を復興させてきた先人の善行、努力が日本の繁栄となったことに思いをいたし、足許をしっかりと見据え、仮に一時の批判を受けるとしても、国家の大計を示す憲法の見直しをはじめ教育、福祉、医療の改革や持続可能な農林水産業の構築などに対してしっかりとした政見を述べ、次代を見据えた意見具申をすることが必要であり、自らは齢六十六を重ねた政治家の役割を果たす年にしたいと考える年初です。
12月22日は「冬至」。『暦便覧』に「日南の限りを行て、日の短きの至りなれば也」とあるように1年でいちばん日照時間が短い日で、松江気象台によると、島根県の日の出の時刻(めやす)は7時16分で日の入りは17時04分とのことで、昼の時間はわずか10時間ほどとなります。天気予報では、今日は雪模様の曇天で、日没はもっと早いと感じられますので、夜長を冬至の定番の『かぼちゃ料理』や『湯豆腐』を楽しみ、『ゆず湯』のお風呂で温まる面々も多かろうと思います。ところで、国土交通省中国地方整備局松江国道事務所は、昨年8月に大規模地すべり災害が発生し、現在まで終日片側交互通行の交通規制が実施されている国道9号の出雲市多伎町小田地内の災害復旧工事が完了し、12月23日の午後3時30分に2車線開放を すると発表しました。当初は、開放に先立って出雲市多伎コミュニティセンターで「地すべり災害復旧報告会」が開催予定でしたが、今季いちばんの大型寒気による警報級の大雪が予想されるため中止となりました。ともあれ、15カ月におよぶ困難な復旧工事にあたっていただきました関係各位のご尽力を労い、深甚なる感謝と敬意を表します。