3年4か月にわたる新型コロナウイルス感染症の法的位置付けが連休明けの5月8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」となり、コロナ感染の対応判断が行政から個人に委ねられることになりましたが、コロナ感染は収束したわけではありませんので、私たちは、引き続き感染リスクを意識しながら、いわゆる『ウィズコロナ』とする社会生活への本格移行を図ることになります。政府は「社会生活を元に戻す」としていますが、感染した場合の対処が自己責任とされるため、検査費用や医療費等については一定の負担が生じますから、感染終息まではマスク、手洗い、3密の回避など、一定の感染対策を講じながら生活する必要があります。島根県では、引き続き各保健所に健康相談コールセンターを設置し、県民のコロナ対応を行うとともに、9月までは重篤な症状がある場合などの入院調整などにあたるとしています。しかしながら、コロナ感染に備えた3年を超える時間は、私たちの生活様式を大きく変質させたことは紛れもない事実であり、隣人同士の付き合いや助け合いなど、島根県の強みである地域コミュニティいわゆる「住民の絆」の綻びを心配しています。

 

 5月5日は「子供の日」。祝日法の第2条に「子供の人格を重んじ、子供の幸福をはかるとともに、母に感謝する」とする制定趣旨が書かれている国民の祝日で、1948年に制定されました。皐月の空に鯉のぼりが泳ぎ、子供たちがのびのびと、賑やかに遊ぶ様を目にすると、何かしら幸せな気分になりますが、15歳未満の年少人口は下降の一途で、全国では全人口に占める割合が11.8%程度で1,500万人に満たないとされ、島根県では昭和30年に32万人を数えた子どもの数が8万人を割り込むなど『少子化』は極めて深刻な状況です。岸田首相は「異次元の少子化対策」を掲げ、具体策を6月に示す骨太方針で示すとしていますが、現状で聞こえてくるのは、年金・医療・介護など老人福祉に手厚い社会システムを温存したまま、出産費用や子ども手当の増額などが検討されているとのことで、抜本的な子育て支援政策の構築には程遠いものと感じます。アベノミクスによる大量の通貨供給が給与・賃金の上昇に連動せず、必ずしも国民の豊かさにつながっていないことが婚姻や出産の阻害要因になっていることは紛れもない事実であり、核家族の進展という社会背景を考慮すると、先ずは、若年世代の給与水準の大幅引き上げと子育て家庭に対する大胆な育児休業制度の充実が少子化対策の端緒であると感じます。

 5月3日は憲法記念日。1947年の5月3日に日本国憲法が施行されたことを記念して制定された国民の祝日で、祝日法にはその趣旨を「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する。」としています。憲法は、法治国家における最高法規で、ある意味「国のかたち」を示すものですが、76年を経て、緊急事態や国会、自衛隊のあり方、個人の権利、婚姻、教育など社会の有り様と憲法が必ずしも整合しない事象が次々と生じてきています。国内の社会情勢や国際的な安全保障環境が激変するなかで、内閣が憲法解釈の変更を閣議決定、いわゆる「解釈改憲」で乗り切る弥縫策には限界があり、日本が独立主権国家として国防や緊急事態に関する根本規定を欠いたままの状況は国会の怠慢です。衆議院の憲法審査会の論議を「サルのやること」と比喩した人物に至っては、国政を語る資格などありません。岸田文雄首相は任期中の改憲発議を明言し、自民党は憲法改正実現本部を組織、地方組織である都道府県連もこれに呼応しています。国民の多くは憲法の見直しを否定しておらず、衆参の憲法審査会は1日も早く改憲に向けた論点整理をまとめ、合意が整った条項から国民投票に付する手順を示すべきでではないでしょうか。