食塩水2023⑰ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出題された食塩水の問題の第17弾になります。

 

  その1(東京女学館2023)

 

濃度が3%の食塩水500gと濃度が5%の食塩水300gを混ぜた食塩水から、水を▢g蒸発させたところ、濃度が4%になりました。

 

右矢印濃度が3%の食塩水500gと濃度が5%の食塩水300gを混ぜた」ので

  1. いまある食塩水は800g(=500+300)
  2. ここに入っている食塩は30g(=500×0.03+300×0.05)。これで「濃度が4%」の食塩水を作るにはその全体量を 30÷0.04=750g にすればよい

よって蒸発させる水の量▢は 800-750=50g

 

 

  その2(雲雀丘学園2023A午後)

 

こさが20%の食塩水400gに、水を100g加え、かきまぜるとこさが[オ]%の食塩水ができます。この食塩水を[力]gすて、すてた食塩水と同じ量の水を加えると、こさが10%の食塩水になります。

 

右矢印20%の食塩水400gに、水を100g加え」ると食塩水は500g(=400+100)。ここに食塩80g(=400×0.2)が入っているから

 80÷500=0.16 より オ=16%

 

この16%の食塩水が「こさが10%の食塩水に」なったとき濃度は⅝倍(=10÷16)になっている。食塩水をうすめて⅝の濃度にするには⅜を捨てて同じ量の水を加えればよいから

 =500×⅜=187.5g

 

 

  その3(金蘭千里2023後期)

 

容器A、Bがあり、容器Aには8%、容器Bには5%の食塩水が入っている。容器Aから300g、容器Bから▢gの食塩水を取り出し、10gの食塩を加えると、7%の食塩水ができた。

 

右矢印容器Aから300g、容器Bから▢gの食塩水を取り出し、10gの食塩を加えると、7%の食塩水ができた」ときの食塩水の量は (300+▢+10)g。ここに入っている食塩の量を考えると

  • 濃さ7%だから (300+▢+10)×0.07=21.7+0.07×□…①
  • 一方で入っている食塩の量をそれぞれ別々に計算すると 300×0.08+▢×0.05+10=34+0.05×□…②

よって①=②より ▢×0.02=12.3 だから

 ▢=12.3÷0.02=615g

 

 

  その4(藤嶺学園藤沢2023)

 

食塩水Aと水300gを混ぜると5%の食塩水ができます。同じ重さの食塩水Aと3%の食塩水300gを混ぜると7%の食塩水ができます。食塩水Aは何gですか。

 

右矢印食塩水Aと水300gを混ぜると5%の食塩水」ができ「同じ重さの食塩水Aと3%の食塩水300gを混ぜると7%の食塩水」ができる。

2つを見くらべると(300×0.03=9より)水9gを食塩9gに入れかえると濃度は2%上がる

とするとできあがった食塩水の2%が9gにあたるのだからその食塩水の全体量は450g(=9×(100÷2))

よって食塩水Aは 450-300=150g

 

 

  その5(東京都市大等々力2023算数)

 

7%の食塩水100gに食塩と水を加えたところ濃度が10%になりました。加えた水の重さが加えた食塩の重さの3倍だったとき、加えた食塩は何gですか。

 

右矢印加えた水の重さが加えた食塩の重さの3倍」なので加えた食塩の重さを①g、加えた水の重さを③gとすると

  • 食塩の重さは 100×0.07+①=7+①
  • 食塩水の重さは 100+①+③=100+④

濃度が10%に」なったから (100+④)×0.1=7+① より 10+=7+①

 =3 より ①=5

よって加えた食塩は 5g

 

 

  その6(サレジオ学院2023)

 

3%の食塩水80gと4%の食塩水240gが入った2つの容器があります。この2つの容器から同じ量の食塩水を同時にくみ出し、それぞれ他方の容器に移したところ、2つの容器の食塩水の濃度は等しくなりました。
このとき、2つの容器からくみ出した食塩水の量は□gです。

 

右矢印 等量交換の話だから(和分の積より)

 (80×240)÷(80+240)=60g

 

 

  その7(東邦大付東邦2023)

 

ある濃度の食塩水がコップに入っています。これに水を加えたものを食塩水Aとします。食塩水Aに、さらに同じ量の水と40gの食塩を加えたものを食塩水Bとします。食塩水Aと食塩水Bの濃度がともに10%であるとき、次の問いに答えなさい。
⑴ はじめに加えた水の重さは何gか求めなさい。

 

右矢印 食塩水Bは「食塩水Aに、さらに同じ量の水と40gの食塩を加えたもの」で濃度は10%。ここで食塩水Aも濃度10%だから(加比の理より)同じ量の水と40gの食塩を加えたもの」も濃度10%

 

とすると同じ量の水と40gの食塩を加えたもの」の全体量は400g(=40÷0.1)とわかり同じ量の水」は360g(=400-40)とわかる。

よってはじめに加えた水の重さは 360g

 

⑵ 食塩水Bにふくまれる食塩の重さが100gであるとき、はじめにコップに入っていた食塩水の濃度は何%か求めなさい。


右矢印食塩水Bにふくまれる食塩の重さが100g」。あとから足した食塩は40gだからはじめの食塩水にふくまれる食塩は60g

 

とすると(はじめの食塩水に水360gを加えただけの)食塩水Aにふくまれる食塩の重さも60g。その食塩水Aは濃度10%だから食塩水Aの量は600g(=60÷0.1)

 

よって水360gを加える前の「はじめにコップに入っていた食塩水」は240g(=600-360)でここに食塩60gが入っているから

 60÷240=0.25 より 25%

 

 

  その8(青山学院横浜英和2023)

 

4%の食塩水50gと12%の食塩水150gを混ぜ、この食塩水から50gを取り出しました。この50gの食塩水に150gの水を加えると▢%の食塩水になります。

 

右矢印4%の食塩水50gと12%の食塩水150gを混ぜ」たとき、

  • 4%の食塩水50g」には50×0.04=2g
  • 12%の食塩水150g」には150×0.12=18g

の食塩が入っているからできあがった食塩水200gには20gの食塩が入っている。

 

とすると「この食塩水から50gを取り出し」たとき取り出した食塩水50gには5gの食塩が入っている。

 

よってここに「150gの水を加える」と(50+150=)200gの食塩水となりここに5gの食塩が入っているからその濃度▢%は

 5÷200=0.025 より 2.5%

 

 

  その9(三田学園中2023)

 

23%の食塩水500gから200gを捨てて、代わりに水を200g加えます。その後、食塩を加えて20%の食塩水にするには食塩を何g加えればよいてすか。

 

右矢印食塩水500gから200gを捨てて、代わりに水を200g加え」たとき

  1. 食塩水の量ははじめと変わらず500g
  2. ここに入っている食塩の量は(200gを捨てた残りの食塩水300gで考えるから)300×0.23=69g なので水の量は431g(=500-69)
  3. ここに食塩を加えて「20%の食塩水」を作るには「水の濃度が80%の食塩水」を作ると考えて、全体量が 431÷0.8=538.75gの食塩水を作ればよい

よって加える食塩は 538.75-500=38.75g

 

 

  その10(国府台女子2023)

 

容器Aには濃度5%の食塩水が▢g、容器Bには濃度8%の食塩水が200g入っています。容器Aから50gだけ容器Bに移し、よく混ぜます。その後、容器Bから50gだけ容器Aに移しよく混ぜると、容器Aに入っている食塩水の濃度は5.4%になりました。

 

右矢印容器Aから50gだけ容器Bに移し」たときの容器Bの様子を天びん図にすると

より7.4%の食塩水250gができる。

 

その後、容器Bから50gだけ容器Aに移し」たときの容器Aの様子を天びん図にすると

より50gをもどす前の容器Aには250gの食塩水が入っていたとわかる。

 

よってはじめに容器Aに入っていた食塩水は(最後に容器Aにできあがったのと同じ量だから)250+50=300g 完了