以前の記事の続きです。
図形を折り返したとき角度や面積がどうなるかという「図形の折り返し」の問題を今回取り上げます。
角度①(共立女子2023)
下の図は、長方形を折り返した図形です。角𝓧の大きさは何度ですか。
下図の青の直角三角形に注目すると
- アは 180-112=68°
- イは 180-90-ア=22°
- ウは 90-イ=68°
よって折り返した角は等しいから ウ=イ+𝓧 より
𝓧=ウ-イ=68-22=46°
面積①(日出学園2023)
長方形ABCDを図のように折り曲げるとEFの長さが17cmになりました。このとき、三角形AFEの面積を求めなさい。
「長さが17cm」のEFを底辺とみると辺ABを折り返した辺A(B)が高さとなるので
17×15÷2=127.5㎡
角度②(奈良学園2023)
図1の長方形を点線に沿って折ったところ、図2のようになり、角アと角イの角度の比は5:8となりました。このとき、角アの角度は▢度です。
「角アと角イの角度の比は5:8」より角ア、イの角度をそれぞれ⑤、⑧とおく。このとき下図の青の四角形に注目すると角ウ、エ、オについて
- 角ウはアを折り返した角なので⑤
- 角エはウの錯角なので⑤
- 角オはイの対頂角なので⑧
ここで青の四角形の内角の和360°を使うと
⑤+エ+オ+90°=360° より ⑱=270° だから ①=15°
よって角アは 15×5=75°
面積②(鎌倉学園2023)
1辺の長さが32cmの正方形ABCDを、頂点Aが辺DC上の点Eに重なるように折り曲げました。辺BCと辺EFの交わった点をGとします。また、DEの長さは8cmです。
次の問いに答えなさい。
⑴ APの長さを求めなさい。
AEとPQの交わる点をRとし、Rを通るADに垂直な直線とADが交わる点をSとする。
このとき
- 折り返したところだからAR=RE
- とすると△ADEと△ASRは相似比2:1の相似な直角三角形だから(AD=32㎝、DE=8㎝より)AS=16㎝、SR=4㎝
- また△RSPと△ASRも(3つの角が等しいので)相似だから AS:SR=RS:SP。ここからSP=SR×SR÷AS=4×4÷16=1㎝とわかる
よって AP=AS+SP=17㎝
⑵ CGの長さを求めなさい。
ここまでにわかった情報を書き足すと
ここで△EDPは8:15:17の直角三角形になっている。この△EDPと△GCEは相似なので(●+×=90°より)
CG=CE÷15×8=24×⁸⁄₁₅=12.8㎝
⑶ 四角形PQGEの面積を求めなさい。
△GFQ(下図の青)もまた△GCEや△EDPと相似な直角三角形だからここでも辺の比8:15:17を使うとすべての長さが次のように決まる。
よって四角形PQGEの面積は
(台形PQFEの面積)-(直角三角形GFQの面積)
で求められるから
(17+9)×32÷2-9×4.8÷2=416-21.6=394.4㎠