過不足算2023③ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

2023年の入試問題から、過不足算(差集め算)の問題第3弾です。

 

  りんごを箱に入れる(横浜共立2023)

 

箱にりんごを入れていきます。1箱に3個ずつりんごを入れると12個入りませんでした。そこで1箱に4個ずつりんごを入れると最後のりんごが入る箱には2個入り、箱は7箱余りました。りんごの個数は▢個です。

 

右矢印 問題文を整理すると

  • 1箱に3個ずつりんごを入れると12個入りませんでした」→12個あまる
  • 1箱に4個ずつりんごを入れると最後のりんごが入る箱には2個入り、箱は7箱余りました」→あと何個入るか考えると①「最後のりんごが入る箱」にはあと4-2=2個入り、②余った「7箱」にはあと4×7=28個入る。合計で30個足りない

とすると入れる個数を(3個→4個に)1箱あたり1個ふやすと(「12個あまる→30個足りない」より)42個のりんごが必要になるのがわかる。

したがって箱の数は42箱

よってりんごの個数は 3×42+12=138個

 

 

  ペンを配る(鎌倉女学院2023)

 

▢本のペンを35人の生徒に配ります。男子に4本、女子に3本ずつ配ると1本足りません。男子に5本、女子に2本ずつ配ると2本余ります。このとき、女子の人数は▢人です。

 

右矢印男子に4本、女子に3本ずつ配る」と1本足りないが「男子に5本、女子に2本ずつ配る」と2本余る。

ここからわかるのは

  1. 女子に配るのを1本へらして男子に配るのを1本ふやすとペンが余るから女子の人数の方が多い
  2. その余り方をみると「1本足りない→2本余る」になっておりその差は3本。これは女子に配るのを1本へらして男子に配るのを1本ふやした結果だからこれがそのまま人数の差で女子の方が3人多い

よってぜんぶで「35人の生徒」だから 女子は19人 (=(35-3)÷2+3)

このときペンは120本(=4×16+3×19-1)

 

 

  アメを配る①(洗足学園2023第3回)

 

たくさんのアメがあります。1袋に20個ずつアメをつめると18個あまります。150個のアメと1つの袋を追加して、1袋に24個ずつアメをつめると、最後の袋には4個足りませんでした。最初にアメは何個ありましたか。

 

右矢印 最初にあった袋の数を①枚とすると

  1. 1袋に20個ずつアメをつめると18個」余るから最初にあったアメは (⑳+18)個。ここに「150個のアメ」を追加したのでアメはぜんぶで (⑳+168)個になった
  2. また「1つの袋を追加」したので袋はぜんぶで (①+1)枚になった
  3. このとき「1袋に24個ずつアメをつめると、最後の袋には4個足り」ないから ⑳+168=24×(①+1)-4。ここから ⑳+168=㉔+20 より ①=37 だから最初にあった袋は37枚
よって最初にあったアメは 20×37+18=758個 
 
 

  アメを配る②(芝2023第2回)

 

あるクラブで3年生が1年生と2年生の部員にあめ玉を配ることにしました。1年生に5個ずつ、2年生に9個ずつ配ろうとすると、あめ玉は72個余り、その逆の個数で配ったとしても16個余ってしまいます。1年生に10個ずつ、2年生に7個ずつ配ろうとすると、今度は34個足りません。
このとき、2年生の人数は[ア]人で、あめ玉の個数は[イ]個です。

 

右矢印1年生に5個ずつ、2年生に9個ずつ」だと72個余り「その逆の個数」で「1年生に9個ずつ、2年生に5個ずつ」でも16個余る。

ここからわかるのは

  1. 2年生に配るのを1個へらして1年生に配るのを1個ふやすと余りがへるから1年生の人数の方が多い
  2. その余り方をみると「72個余る→16個余る」になっておりその差は56個。これは2年生に配るのを4個へらして1年生に配るのを4個ふやした結果だから56÷4=14より1年生の方が14人多い

そこで2年生が①人いるとすると1年生は(①+14)人。これを使ってアメ玉の個数をあらわすと

  • 1年生に5個ずつ、2年生に9個ずつ配ろうとすると」72個余る→アメ玉の個数は 5×(①+14)+9×①+72=⑭+142
  • 1年生に10個ずつ、2年生に7個ずつ配ろうとすると」34個足りない→アメ玉の個数は 10×(①+14)+7×①-34=⑰+106

これらが等しいから ⑭+142=⑰+106 より ①=12人

 

よって2年生の人数[ア]は12人

このときアメ玉の個数[イ]は310個(=5×26+9×12+72)

 

 

  アメを配る③(世田谷学園2023第2回)

 

子どもに264個のあめを配ります。30人の子どもに1人6個ずつ配り、残りの子どもに1人7個ずつ配ろうとすると何個か余ります。また、16人の子どもに1人6個ずつ配り、残りの子どもに1人7個ずつ配ろうとすると何個か足りなくなります。このとき、次の問いに答えなさい。
⑴ 子どもは何人いますか。

 

右矢印 子どもが▢人いるとすると

  • 30人の子どもに1人6個ずつ配り、残りの子どもに1人7個ずつ配ろうとすると何個か余」る。これを不等号を使って式にすると 30×6+7×(▢-30)<264。▢-30<12 だから ▢<42
  • 16人の子どもに1人6個ずつ配り、残りの子どもに1人7個ずつ配ろうとすると何個か足りなく」なる。これを不等号を使って式にすると 16×6+7×(▢-16)>264。▢-16>24 だから ▢>40

よって 40<▢<42 より ▢=41人

 

⑵ いくつかあめが割れていたので、割れていないあめだけを配ることにしました。男子に6個ずつ、女子に7個ずつ配ったら、ちょうど配りきることができました。男子は少なくとも何人いますか。

 

右矢印ぜんぶで41人いる子どもに、ぜんぶで264個あるあめを「男子に6個ずつ、女子に7個ずつ配った」ときどうなるかを考える(「いくつかあめが割れていた」ことはいったん考えずに)。するとつるかめ算より

6×23+7×18=264 より、あめが264個あるとき男子23人と女子18人にちょうど配りきることができる(ここから男子の人数を1人へらすごとに必要なあめは1コずつ増えていくので男子が23人より少ないということはない)

 

だが実際には「いくつかあめが割れていた」から配ったあめは263コ以下。そこで女子の人数を1人へらして男子の人数を1人増やすと 6×24+7×17=263 となる(ここから男子の人数を1人増やすごとに必要なあめは1コずつへっていくから男子が24人以上ならすべて条件に合う)

 

よって男子は少なくとも24人いる。完了