以前の記事の続きです。
いろいろ応用がききそうな場合の数の問題として次のようなものもあります。
立体の道順(佐久長聖2021)
立方体を4個並べて、右の図3のような直方体をつくりました。もとの立方体の辺を通って、もっとも短い距離でAからBまで行く方法は、全部で何通りありますか。
道順問題でお決まりの数字記入法(過去記事)は立体でも使える便利ワザですが、立体だと3か所を合計する場所(下の図の青字)が出てくるので計算にだけ注意する必要があります。
上の図のように数えて 30通り
選んだカードの和(和歌山信愛2022B)
0⃣、1⃣、2⃣、3⃣、4⃣、5⃣、6⃣とかかれたカードが1枚ずつあります。この7枚のカードから5枚選んで、かかれている数をすべて加えると13になりました。このとき、5枚のカードの選び方は全部で何通りありますか。
選ぶのは「7枚のカードから5枚」。この和を考えるよりも残す2枚のカードを考えるのが圧倒的にラク。
選んだ5枚のカードの和が13なら(ぜんぶの和は21だから)残す2枚のカードの和は8。
足して8となるようなカード2枚の選び方は(2,6)と(3,5)の2通り。
これがそのまま「5枚のカードの選び方」となり 2通り
ソーシャルディスタンス(中央大学附属横浜2022)
右の図のように、たて2列、横6列に並んだ合計12席の座席があります。その中から前後左右で隣り合わないように5席の座席を選ぶとき、選び方は▢通りあります。
横6列あるのに5席しか選ばないので空きの列がどこか1列できる。この空きの列がどこかで場合分けすると(左の列から順に列①、列②、…、列⑥とすると)
- 列①が空くとき…列②~⑥は順に前、後、前、後、前と座るか、後、前、後、前と座るかの2通り
- 列②が空くとき…列①で座るのは前か後ろかの2通り、列③~⑥は前、後、前、後と座るか、後、前、後、前と座るかの2通り。なので2×2=4通り
- 列③、④、⑤のどれかが空くとき…2.と同じく空き列の左が2通り、右が2通りあるのでそれぞれ4通り
- 列⑥が空くとき…1.と同じく2通り
以上の合計で 2+4+4+4+4+2=20通り
コインの並べ方(ラ・サール中2018)
何枚かのコインを横一列に並べます。3枚以上表が連続するところがある並べ方は何通りですか。次の場合について答えなさい。
(ア)5枚を並べるとき
調べ方はいくつかありそうですが、どの方法でも場合分けすることが不可避です。たとえば次のように考えると場合分けがわかりやすいです。
5枚のうち3枚以上表が連続するとき真ん中は必ず表になる。これを利用して左から2番目と4番目を表裏どちらにするかの組合せで場合分けする。
表を〇、裏を×、未定の場所を左から❶、❺とすると
- ❶〇〇〇❺と並ぶとき…すでに3枚連続ができており❶❺は〇×どちらもOKで2×2=4通り
- ❶〇〇×❺と並ぶとき…❶は〇だけ、❺は〇×ともOKで2通り
- ❶×〇〇❺と並ぶとき…2.と左右対称なので同じく2通り
- ❶×〇×❺と並ぶとき…なし
以上の合計で8通り
(イ)6枚を並べるとき
(ア)を参考に、左から3番目と4番目の組合せで場合分けする。
表を〇、裏を×、未定の場所を左から❶、❷、❺、❻とすると
- ❶❷〇〇❺❻と並ぶとき…❷が〇なら❶❺❻は〇×どちらもOKで2×2×2=8通り。❷が×なら❺は〇だけ、❶❻は〇×どちらもOKで2×2=4通り
- ❶❷〇×❺❻と並ぶとき…❶❷は〇〇だけ、❺❻は〇×どちらもOKで2×2=4通り
- ❶❷×〇❺❻と並ぶとき…2.と左右対称なので同じく4通り
- ❶❷××❺❻と並ぶとき…なし
以上の合計で8+4+4+4=20通り