前回の続きになります。
とりあえずテキトーにおいてみることは、特殊算や整数問題だけではなく、ときには図形問題でも威力を発揮することがあります。
たとえば次の問題。
「下の図で、色のついた部分の面積を求めなさい。」
(文教大付2021)
□㎝と○㎝の部分をとりあえずテキトーにおいてみる。ただし、下記の青枠で囲んだ三角形2コはちょうちょ型(砂時計型)の相似になっている点だけは守る。
まずいちばん簡単な□=5、○=7を入れてみる(相似比5:7)と、緑の三角形の面積は底辺□×高さ○÷2で求められるので、5×7÷2=17.5㎠ と出た
念のため、つぎに簡単そうな□=3.5、○=10でもやってみる(相似比1:2)と、3.5×10÷2=17.5㎠ と同じ答えになったので間違いない
「この図からして長さ5㎝だ」とか「この大きさなら60°で決まりだ」とか、根拠のない決めつけを小学生はしがちですが、これとはぜんぜん違うことには注意が必要です。
テキトーといっても100%テキトーにやっていいわけではないこと(本問では相似になる範囲でテキトーにおいた)に注意し、答えが出たあとは他の数字と入れ替えてもつねに成り立つことをきちんと検算してたしかめる必要があります。