だまし絵(トリックアート)というものがあります。
たとえば「ルビンの壺」と呼ばれる次のようなものです。
これがつぼ(さかずき)に見えるか、向き合った2人の顔に見えるかは、どちらにより関心があるかということと大きく関係するようです。(詳細は下記記事などでご覧ください。)
要は、複数ある見え方のうちの1つを脳が選んでいる(脳は2つ同時に見ることはできないため)ということのようです。
受験算数の図形問題においても、パッと見にはつぼにしか見えないが、これを2人の顔として見られるようになってはじめて解けるという問題が少なからずあります。
たとえば次の問題。
「右の図の長方形において、四角形ABCDの面積を求めなさい。」
(芝浦工業大学附属中2021第2回)
つぼにしか見えない…
そこで補助線をあと2本足してみる(赤い点線)。
すると、いまある4つの直角三角形とそれぞれ合同な三角形ができているのがわかる(青いタイル部分)。
青の面積は、全体の長方形から真ん中の正方形(1㎝×1㎝)を除いた残りのちょうど半分なので
(4×6-1×1)÷2=11.5㎠
そして四角形ABCDは、青の三角形4コと真ん中の正方形とを足した形なので
四角形ABCD=11.5+1=12.5㎠
こうした図形問題(とくに相似がからむもの)は、一度これを解いておけば次からは見え方が切り替わるというだまし絵と共通する部分があります。
図形問題こそ小学生の早いうちにできるだけ多く解いておくことがオススメです(解けないうちはさっさと解答解説を見るというやり方でも十分効果的)。
なお、だまし絵には、人間だけでなく、ネコでもだまされるようです。