ヴィリーに献杯
去る3月9日、モーゼルの醸造家 ヴィリー・シェーファーが74歳の若さで突然亡くなった。
グラーハでの葡萄栽培のルーツは1121年にまで遡るというシェーファー家の稼業を22歳で引き継いだ彼は
栽培面積4ha強と比較的小規模ながら、醸造所をこの地で最も国際的に有名なワイナリーに育て上げ
息子のクリストフと13年間一緒に働いた後、2015年の夏に醸造所を完全に息子夫婦に譲っている。
個人的には2005年に醸造所を訪問した際、あいにく休暇を取ってスペイン旅行に出かけていて不在だった
ヴィリー&エスター夫妻に会えなかったのが返す返すも残念であった。
最近は甘口を殆ど飲まないが、毎年グラーハの辛口オルツヴァインだけは欠かさず味わうのが楽しみである。
今夜は偉大な醸造家 ヴィリー・シェーファーに献杯...2022年産グラーヒャー・リースリング・トロッケン。
スクリューキャップ。少し緑色がかった薄めのレモンイエロー。
熟したリンゴやアプリコット、花梨などを感じさせる綺麗な果実香に柑橘のニュアンス。
ジューシーでリッチな果実味、意外に伸びないが存在感のある酸、そして程好くホロ苦いミネラル感とその余韻。
残糖が若干あるのと酸の伸びがイマイチ物足りないせいで
ジルヴァーナーのようなマッタリとした味わいになっているが、透明感のある造りで
ある意味これこそモーゼル産らしいジューシーな仕上がり。
開栓2日目。酸が力感を増して、若干独走気味だがなかなかの凝縮感。
開栓3日目はややミネラリッシュに変化。86/100
(過去のヴィンテージ→2021、2020、2019、2018、2016、2015、2014、2011、2010、2009)
2022 Graacher Riesling Qualitaetswein trocken
Weingut Willi Schaefer (Graach/Mosel)
A P Nr 2 583 154 06 23,Alc 11.5%vol