甘口屋がついに開眼? | 緑家のリースリング日記 ~Probieren geht über Studieren~

甘口屋がついに開眼?

巷では9連休という羨ましい御仁も居るとか居ないとか...それにしても誰が名付けたのかシルバーウィーク。
幸か不幸か当方は暦通りの4連休。まぁ海外へ出かける訳でもないからこれぐらいが妥当なんだろうけど。
そんな連休初日は墓参りを済ませた後、実に久しぶりに昼酒を1杯引っ掛けてそのままグースカピースカ。
昼寝の後は眠気覚ましに、いつの間にかめっきり秋の気配が感じられるようになったいつものコースを散歩。

公園や遊歩道ではツクツクボウシが往く夏を惜しむ様に合唱しており、初秋と言うには夏の名残が未だ色濃い。
軽くひと汗かいた後、晩酌の友にと選んだのはヴィリー・シェーファー醸造所の2014年産の裾モノ辛口。
実はここの辛口って今まであまり感心した記憶が無くて、確か2012年産も2013年産もパスしてしまったぐらいで
それでもまぁ気になる造り手ではあるので、たまにはチェックしておこうと考えて今年は買っておいたという訳。


スクリューキャップ。微かに緑がかった明るいゴールドイエロー。
注ぐとグラス壁に比較的粒の大きな気泡がポツポツ付着。
トップは蜜蝋や木のニュアンスのある熟したリンゴの香りで、アプリコットや黄桃、程好い鉱物感もあって
なかなか上質な香り。

酸は意外にマイルド。香りに違わず複雑感のある充実した果実味には仄かな貴腐のニュアンスがあって
この造り手には珍しい腰の据わった飲み応え。ミネラル味もシーファーっぽい土臭さは目立たず
ザール産っぽい金属的な感じでもなく、石よりも岩を感じさせる硬い質感。酸が目立たない割には重心は中庸。
グラス内に蜂蜜が香り、蜂蜜の端っこにシーファー香。時々お花までが顔を覗かせる念の入り様。86/100
(過去のヴィンテージ→2011年産2010年産2009年産

まったく驚いた。タイプ的にはヘイマン・レーヴェンシュタイン的な香味で、最近造りが変わったのだろうか?
あるいは単なるヴィンテージの特性なのだろうか?いずれにしても9ユーロ前後の裾モノとしては出色の出来。
甘口が専門のこの生産者も、いよいよ辛口造りに本腰を入れ始めたのだろうか。これだからワインは分からない。

2014 Graacher Riesling Qualitaetswein trocken
Weingut Willi Schaefer (Graach/Mosel)

A P Nr 2 583 154 06 15,Alc 11.5%vol,9.30€