懐かしのザールシュタイン
まさかこんなにも縁遠くなってしまうとは思いも寄らなかった。
ザール辺境の地、ゼリッヒ村にあるシュロス・ザールシュタイン醸造所の事である。
実際2度当地を訪問した際には心に残るような歓待を受け(2007年、2009年)
オーナー夫人が来日した際にも親しく交流の場を持つことが出来たものだが、運命とは分からないもので
やり取りの窓口になってくれていた夫人はいつの間にかフランケンの実家へと帰ってしまい
元々アナログなエバートの旦那とは以後ぷっつりと音信が絶えてしまった。
あれから約7年。結果として2010~2015ヴィンテージについては味見する事さえ叶わなかった。
何しろこのザールシュタイン、ドイツ国内でも流通が限られているのか検索しても検索しても引っ掛かって来ないし
苦心して見つけた唯一の入手ルートも頓挫して日本にまでは至らず。
それを裏技を駆使して、此の程ようやく我が家にこの懐かしい名前のボトルが届いたという訳である。
2016年産シュロス・ザールシュタイン・リースリング・シュペートレーゼ「アルテレーベン」。
大晦日の忘年会でフライング気味に2016年産GGを開けたが、自宅でじっくりと飲むのは実に久しぶり。
ちょっと見ないうちにエティケットもずいぶん変わってしまった...とっても良い感じに。
外観は微かに緑色がかった薄いゴールド。
土のニュアンスを伴うアプリコット系の果実香は、スワーリングすると俄かにマンゴーっぽく変化する。
口当たりはジューシーで仄かにナッティーな果実味と、シャープで力強くキレの良い酸。
柑橘の薄皮をイメージさせるミネラリッシュなアフター。やや一本調子ではあるが非常にクリーンな造り。
酸とミネラル味の一体感に比べて、残糖を伴う果実味が若干分離傾向な印象。
でも懐かしさも手伝ってか素直に美味しいと感じる。
翌々日は1本筋金の入った酸主体の細い味わいながらも、風味は終始ナッティー。
3日後。ボリューミーな酸を包む果実味がややふっくらとしてバランス良く、しかも味わいはナッティー。
もっと厳しい方がここらしい味わいなのに...なんて思ってしまうのは変態?87/100
(過去のヴィンテージ→2009年産、2008年産、2007年産、2006年産、2003年産、1994年産)
2016 Schloss Saarstein Riesling Spaetlese - Alte Reben -
Weingut Schloss Saarstein (Serrig/Saar)
A P Nr 3 555 014 07 17,Alc 12.5%vol,18.00€