春すぎて 夏来にけらし 白妙の

      衣ほすてふ 天の香具山

 

「気の早い」と思われそうですが、待ち遠しかった春は短くあっという間に夏がやってきます。これは「万葉集」にある持統天皇の和歌です。蒸し蒸しとした「夏は嫌い!」という人もいると思いますが、青空に浮かぶ白い雲のように、洗いざらしの白いシャツが物干し竿に並んで風に揺れている。

そんな持統天皇のとらえた夏のイメージは、はるか時を超えてわれわれの心にもそのまま映じるものでしょう。2020年を目前にして、色々なモノゴトがわれわれの想像をはるかに超えた、ものすごいスピードで変わり始めています。それだけに心のどこかで変わらぬものに安心を感じます。

今こそ心はゆっくりとした時間のなかで、「われわれはなにものであるか?」「どこへゆこうとしているのか?」との人類の命題と向き合いつつ、確かな包装の未来をまっすぐに見据えていかねばなりません。またわれわれひとり一人が包装の未来を創り出しゆく主体との自覚を強くしなければなりません。

喧噪の都内に浮かぶ清澄庭園「涼亭」というわずかに限られた内ではありますが、数時間ほど深緑の自然に包まれながら、「包装の未来を考える会」を開催したいと思っています。ひとり一人が「包装」と「未来」の主体として、互いに師となり生徒となって、向学の志を共有しつつ心を通うコミュニケーションに努めたいと思います。

いつの世も、喧噪に交わらず孤高の道をゆく“奇人”とも“変人”とも称されるようなユニークな視点と志をもつ人たちによって変革はもたらされます。ともに学び、語り合い、議論し、談笑しましょう。

2020年の産業を変革するキーワードにはI4.0、IoT、 ロボット、AI、エネルギー、ビッグデータ、ドローン、 3Dプリンターなどことかきませんが、あえて日本の包装文化の根っこにある「紙」と「包装設計」について、今回はまず包装のプロのお話を聞きたいと思っています。

とはいえ皆さんの豊かな経験と知識から、ともどもに学び合うことが目的であり、ショートスピーチありディスカッションありで、熱と実のあるひとときになることは間違いないと信じています。是非とも「懇親会」が終わるまでおつき合いください。

「勉強会」のみの参加でも、また「懇親会」からの参加、遅参となっても構いません。限りなく自由な雰囲気で開催したいと思いますので、希望があれば遠慮なくご連絡ください。清澄庭園は、かつてかの岩崎弥太郎が買い取り、社員の慰安と賓客接待に造成したといいます。

会場の「涼亭」から眺める庭園風景を楽しみながら、ひと時の夏の涼を楽しんでいただければ幸いです。ご参加を心よりお待ちしています。

 

■ 開催概要

【日時】

2017年6月28日(水)[勉強会]14:00~16:30(開場13:00)

[懇親会]17:00~20:30

【場所】

清澄庭園内「涼亭」 (清澄庭園サービスセンター:Tel.03-3641-5892) ※庭園内を散策したい場合は16:30までに入園(30分ほどあればざっと拝観可能)して下さい。なお、入場料が別途150円必要となります。(17:00以降の入園は不要)

【会費】

勉強会のみ:無料

懇親会参加:3,000円(税込)(食事と菓子、ソフトドリンクなど)

 

主催 ジェイパックワールド株式会社

問合せ 申込先:「包装の未来を考える会」事務局

[Tel]03-3630-1759/[Mail]info@jpackworld.com

 

※アルコールは持込み可(ビールとワインほか少々用意します)

※ドレスコードはありませんが、可能な方は浴衣など和姿でいらしてください。

※2017年6月19日(月)までに人数を確定したいもので、それまでに参加のお申込みをお願い致します。もし定員(30人:懇親会参加者優先)となりましたらば、その時点で締め切らせていただきますのであらかじめご了承ください。

ドイツ・フェアルのベッコフオートメーション本社を訪ねるのは3度目、この3年は毎回どこかが新しくなっている。日本法人の川野社長をして「これが成長企業!」と驚いている。

ただ人は新たなことに目を奪われがちだが、変わらないことにむしろ驚きや気づきがあったりするものだ。

 

私にとっては、本社の開発会議室である。理解するのと分かるのとは違う。3度同じ説明を受けても、何かしっくりこない。そんなことが、3度目にして帰国まで心から離れず、帰国してようやく霧が晴れるような感じがした。

それは、会議室に掲げられた2つの「The economist」の言葉で一つ「B♯」。もう一つは「Think someone under the table」である。いずれも心に掛かっていたのは、エコノミスト社が意味するものではなく、社長のハンス氏がどんな思いで掲げたのかである。

もちろん説明は3度受けたが、何かがしっくりとこなかった。「B♯」はやはり音楽的にとらえてみたい。いわば「シ」の半音を上げると「ド」となるわけだが、それでも「シ」を言いたいわけであろう。「シ」といっても「シ」ではなく「ド」なわけである。

 

禅問答のようになるが、鍵盤のことはよく分からないが、「シ」と「ド」の間には黒鍵がない。つまり介在するものはなく完全に接しているわけでる。人に見立てればどうだろう。

相手のことを考えるのは(忖度とは少々違うが)ビジネスの基本でもあろうし、100%思うことはむずかしく、だが、どこまでも相手の思いに迫ろうとする、その心のベクトルが「B♯」ではなかろうか。

また、それを実現するには実際に生身の相手と接することでえある。強いていえば、肌身を接する機会を持つことであって、われわれの言葉にも「寝食をともにする」とある。ベッコフ社が、私に与えてくれば3度の訪問チャンス(交流プログラム)はまさしくそれである。

 

そしてもう一つについてだが、商船大時代を思い出す言葉に「Drink someone under the table」がある。単純にいえば「飲み勝つ」という意であり、つまり「考える上では誰よりも上回る」との意だ。

幼少のころによく聞いた父の口癖に、「どんなに時間が掛かってもゴールに至れば皆同じだ」という言葉がある。それを言いかえれば「同じゴールに至っても、かけた時間の違いは残る」ということではないか。「かけた時間」は、つまり「Think」である。

ハンス氏は「閃いたら机の上で踊りなさい!」といったと聞いたが、「考え勝つ」という意味にはどことなく「someone」への思いやりに欠くところがある。だからこそ、はなから「Think」のプロセスの末にゴールに至った歓びをイメージした方がよい、ということではないだろうか。

 同じ意味で「Think」するなら、「Think with someone Jump and dancing on the table」の方がよいアイデアも出そうではないだろうか。

 

こう考えてみれば、2つの言葉が心に掛かっていたというよりは「3度目の正直」となるのは、ハンス氏の人物であり、その思考である。

ゆえに企業家としての彼ではなく、むしろ起業家としての彼であり、その哲学な思考への興味が強くなってきたということなのであろう。我ながら3年を要して、自分の心を知ることの難しさをあらためて感じた次第である。

JMA(日本能率協会)創立周年の節に推進する「KAIKA(開花・開化)する経営」の発表に招かれて参加させていただいた。大きな時代の変化をとらえたもので、(私見だが)端的にいえば「人」に焦点をおいた原点回帰の経営を模索したもので、時宜を得たものであると思った。

「思えば遠くへ来たものだ」との歌もあるが、あらゆるものが急速な変化のなかで必死に駆け上ってきた経済成長の末に、思わぬところに来ていることに気づき始めたということであろう。

もう一度、始まりのころの思い(原点)に立ち返り、そのときに抱いた志を思い出し、本来目指してきた目標へと軌道修正して歩み始めなければならないときなのである。

そのときに開催された専門パネラーによるシンポジウムでは、それが国内だけではなく、むしろ海外のトップリーダーの間では、すでに原点に立ち返った新たなビジョンを描いているとの話もあった。

「KAIKA」との名称にはピンと来るものはなかったが、そもそも同協会のスタートにさかのぼる志や思考のなかに、「KAIKA経営」といった種があったものだと思われた。

はや散った桜ではないが、ようやく開花のときを迎えたといえよう。ただ待っていても開くものではなく、原点に立ち返った開花の準備と努力が今時なのではないだろうか。

その原点は「能率」であり、馴染みのある言葉ではあるが、どんな意味かを端的に述べるのはむずかしい。対語となる英語はなく、これは日本人の感性が生んだ造語である。能率は人の感性が善く成すもので、けして(今は流行の)AIにはむずかしい。

JMAにいただいた本を読ませていただき、共感するところが多かった。そのなかに、まさしく善く能率を成せる人材として上げられた次の要素がある。

 

■無から有(価値)を創り出そうとしている人材。

■大きな組織に属しているが、組織内での異質な動きをしている人材、あるいは特別なミッションをもつ人材。

■無謀なオーダー、前例のないオーダーがきたとしても、「それならあの人でしょ」「あの人ならなんとかする」と、組織内で指名のかかる人材。

■個人の趣味嗜好ではなく、組織全体最適と好奇心をベースにして動く人材。

■本業と直接関係ない、多くのゆるいつながりやネットワークをもつ人材。

■健全な“山っ気”(冒険、リスクテイクを楽しむ心)と拡散志向のある人材。

■議論、企画、評論にとどまることなく、実際にアクションベースでコトを動かしている人材。

 

この箇条書きを見たときにすぐに思い浮かんだのは、嬉しくも私の周りにいる、けして少なくない方々(私は「奇人」「変人」と呼ぶが)である。あらためて、そんな人たちに囲まれて仕事ができていることに感謝とともに、ありがたさを感じるものである。