さてと、マリンゲート塩釜から丸文松島汽船の観光船に乗り込んで、松島湾を遊覧しながら松島海岸を目指すという段取りです。鹽竈神社などを巡ったのちに船で松島に向かうのは、昔々に松尾芭蕉が辿ったルートということで、遊覧船にも「芭蕉コース」という名前が付けられておりますな。

 

 

ちなみに、松島発着の湾内観光の方は伊達政宗に因んで?「政宗コース」となっているようで。古来、歌枕としても知られる松島の景観がお気に入りであった伊達政宗は、船を仕立てて湾内クルーズを楽しんだそうですのでね。遊覧船の案内には「政宗の優雅な船遊びを体験するなら、政宗コース」とあるも、島々の間をすり抜けていくルート的には、芭蕉コースとさほど変わらないような気も。

 

朝いちばん、9時出航の船の乗船券を買って待つことしばし。「3番乗り場からどうぞ」と言うことで、手前の白い船に乗り込んだ…ところが、そのひとつ外側に停泊している方の船です、と。そりゃ、外側からの方が出航しやすいですものねえ。

 

 

当初、案内リーフレットを見た限りでは「大型船」と書いてありまして、船体に「芭蕉コース巡り」とペイントされたのが停泊している。当然、これだろうと思っていたのですが…。

 

 

とはいえ、看板に偽りありてなことを言い出すつもりは毛頭ありませんですよ。何しろ、乗船客はたったの一人だったのですから。

 

 

「わざわざ運航してくれて、なんだか申し訳のない…」てなことを乗船時に言ったものですが、塩釜~松島間を船が行ったり来たりするには、何よりまず塩釜を出航せねば話は始まらないという都合もあったようで。

 

 

ともあれ、正真正銘の貸し切り状態で船は出航という運びに。多島海として知られる松島だけに行く手に広がる水平線…てな景観ではありませんが、船はしずしずと塩釜湾を進んでいったのでありますよ。