鳥取の中国ともいうべき燕趙園をひと巡りした後には、宿に戻って当然に東郷温泉にざんぶと浸かる。宿泊先の水明荘HPに曰く「東郷湖の地底から湧き出た塩化物・硫酸塩泉」という温泉は、くせのないお湯ながらわりと熱めでしたなあ。露天風呂はもちろん、屋内大浴場も壁面が全面ガラス張りで東郷湖の眺望が売り物…なのはいいですが、湖畔で釣り糸を垂れる釣り人がすぐそばに見える。ということは、振り返ればこちらも見えるということになりましょうなあ(苦笑)。

 

 

客室から望む東郷湖の夕景も広々としたものです。左手に少しばかり丈のある建物が見えますが、そのあたりがはわい温泉でありましょう。ともかく、景観の良さには和むところでありましたので、一夜明けて晴れ渡る青空の下、少々湖畔をゆらりとすることに。

 

 

宿に隣接する東郷湖畔公園(ただし、看板には東郷池と)には二匹の鯉が寄り添う姿のオブジェがありまして、そんなことから恋愛成就を願う人もいるそうな。ただ、足元からは温泉が湧き出しておりますので、オブジェの鯉は熱い湯から逃げ出したいのでは…とも見えてしまう。左手に四角い箱のようなものが見えておりますが、この中こにネットに入れた生卵を吊るしておけば、あらら、いつしか温泉卵の出来上がりとなるとは、地面の下は熱気に溢れているということでしょうから。

 

 

地面の下が熱気に溢れているという点では、もそっと松崎駅方面に足を延ばして、こんなところからも窺い知ることができますですね。交差点に傍らにやおらおでましになる観音様の足元には「高温注意」の看板があったりしまして。

 

 

つまりは温熱地獄の上に立っているという観音様は「湯の華慈母観音」であるということで、地元湯梨浜町出身の彫刻家(高野山の慈母観音像も手掛けたらしい)が「この温泉町の発展を願って…寄贈された」とか。

 

 

慈母観音というだけあって、実に易しいお顔付きですなあ…と感心するも、近寄ってみますとやはり、足元にはうっすら湯気が立ち上っており…。これだけ湯量が豊富であるのに、彫刻家の方の願いも虚しく今や温泉宿もわずかになってしまっているのとは、何と申しましょうか。風光明媚なところなんですがねえ…。

 

 

ということで、東郷湖を望めるこちらのバス停から鳥取砂丘コナン空港行きのバスに乗って帰途に就くことに。鳥取まで出かけて三朝温泉、東郷温泉と温泉三昧に明け暮れた旅のひとときの振り返りは、これにて全巻の読み終わりにございます。コナンくん曰く「じゃあまたな!」(?)

 

 


 

と、単なる湯治旅行の話が長くなったもののようやくお終いを迎えたところで、またちと東北方面で出かけてまいります。ですので、次にお目にかかりますのはおそらく11/30(土)あたりになろうかと。しばしの無沙汰、ご容赦のほどを。ではでは、行ってきます!