倉吉駅から山陰本線に乗って移動…とは言ったものの、どこへ向かうのかをうっかり申し添え忘れてしまい…。ちなみに倉吉駅頭にはこんな石標がぽつんと置かれておりまして、倉吉近辺には温泉が点在しておるのですな。

 

 

「天女の湯どころ とっとり梨の花温泉郷」と。三朝温泉にとっぷり浸かってきたところながら、別のところで終い湯に及ぼうという、そういう算段でありましたよ。三朝に次いで、あるいは昨今では三朝以上に知られているのははわい温泉でしょうかね。なにしろ、どうしたって「ハワイ」を思い浮かべてしまうその名前は常磐ハワイアンセンター(現在ではスパリゾートハワイアンズですが)のような観光客狙いのネーミングではなくして、「少なくとも鎌倉時代に遡る」(Wikipedia)という本当の地名「羽合」だというのですが、キャッチーさでは鳥取随一でもあろうかと。

 

とまで申せば「次ははわい温泉に行くのだね」と思われやもしれぬところながら、ちとこれはフェイントでして。はわい温泉同様に東郷湖(東郷池とも)に面して、より鄙びた感のありそうな東郷温泉の方を選択した次第でありますよ。

 

 

はわい温泉へ行くには倉吉駅前から路線バスになりますれど、東郷温泉の方は山陰本線で倉吉からひとつ、鳥取寄りにある松崎という駅から歩いていける。つまり、たったひと駅とはいえ、お試しで山陰本線に乗ってみることができるのでもありまして。

 

 

ということで、非電化区間を走る気動車(ディーゼル車両)に揺られることしばし、松崎駅に到着。こう言ってはなんですが、当然にして無人駅。それでも同じ無人駅とはいえ、登山道の途中にある避難小屋のような小海線の甲斐小泉駅あたりに比べると、駅舎は立派なものでしたなあ。

 

 

で、駅舎から一歩外へ出ますと、「歓迎 東郷温泉」とアーチがお出迎えとなる辺り、こりゃあ、思いのほか温泉街が形成されてもおるのであるかと思ったりもしたものです。アーチ越しには、すでにして東郷湖まで見通せている。山間にあった三朝とはまた違った景観が楽しめるという期待が弥増すわけでありますよ。

 

 

さりながら、実際には現在の東郷温泉は町営としては日本初らしい国民宿舎1軒とまだまだ出来て間もないグランピング施設1軒のみになっておるとか。駅近故か、かつては羽合温泉を凌ぐ人気の保養地だったとも聞きましたが、今ではすっかりはわいにもっていかれてしまったような。

 

そういう宿泊事情ですので、国民宿舎の方を選択したとは想像にかたくはありませんでしょう、おそらく。駅から歩くこと数分、周りには民家しかないという状況の中に忽然とその姿を現すのが国民宿舎水明荘でありましたよ。

 

 

予備知識には無かったのですけれど、今年2024年9月にリニューアルオープンしたばかりとあってぴかぴかの状態でした…が、すぐにお気付きになられるように「何か中華っぽくない?」という印象が。チェックインには些か早い到着となりましたので、荷物だけ預けてぶらり歩いて行ける観光施設へと足を延ばすことにしたわけですが、中華風の謎?はそちらの観光施設に立ち寄ることで氷解するのですな。次にはその謎解きをしてまいろうと思っておりますよ。