…てなことで、温泉街を散歩してみたり、倉吉白壁土蔵群をぶらりとしてみたりと、そんなことも交えながら鳥取・三朝温泉三連泊は実にのんびりと過ごしておったわけですが、合間の昼飯には実にかるぅくカップラーメンで済ませることもあったのですな。
温泉の周辺をぶらぶら歩いていて発見した地元の農産物直売所で購入したカップ麺は、自宅近所のスーパーで見かけたことのないパッケージと、商品名が「鳥取ゴールド」ですので、ご当地感の押し出しが強く感じられた次第です。
商品名はともかくもラーメンの種類としては牛骨ラーメンというものだそうな。九州の豚骨は聞いたことがありますが、牛骨とは聞いたこともない。もちろん食したこともないわけで、早速に宿の部屋に常備された湯沸かしポットでお湯を注いで「いただきます!」と。
こうなってしまいますと、お味の監修元である「香味徳銀座店では、看板メニュー「香味徳ラーメン」の金色スープを「鳥取ゴールド」と表現しています」(寿がきやHP)という色合いも含めて、単なるカップ麺にしか見えない見た目は致し方無いものの、立ち上ってくる香りは「なるほど、牛(ぎゅう)だあね」と。牛肉が使われているわけではないようですのにね。豚骨にも独特の味わい・香りがありますけれど、「ああ、豚だねえ」と思ったことはないですが、これはいかにもな香りが立ちどころに漂うのでありましたよ。
「これが鳥取牛骨ラーメンであるか…」と、個人的にはそのレアな香りと味わいに満足しきりでおいしくいただいたのですけれど、同行者の反応はいま一つ。鳥取、取り分け中西部といいますから、東伯地方の方々は含まれるわけですが、ラーメンといえば普通に牛骨なようですので、正しくところ変わればと思う次第。で、個人的にはあの牛骨をもう一度、同行者的には些かリベンジ感を抱きつつ、三朝温泉チェックアウト後の移動日の昼食に、倉吉駅近くのラーメン屋に入り込んだという。カップ麺との違いは?という興味もまたありまして。
「牛骨ごっつおラーメン」の倉吉本店。何よりも一日限定100食というのに、つい釣られてしまいますなあ。東京で限定〇食てなことになると、長蛇の列ができそうなところですが、待ち時間無し(この日の客としては最初だった?)で入れましたですよ。
ちなみに一日限定100杯のわけは「丁寧に自信を持ってお客様にお出しする量には限界があると考えます。1杯目も、100杯目も、同じおいしいをお約束します」という店の意気込みのようで。店内でメニューを開きますと、「スープに命をかけています!」の文字が躍っておりましたよ。また、ゆずラーメンとか塩梅ラーメンとか、変わり種も気にかかるところでしたが、やはり限定100食の「ごっつおラーメン」に賭けてみることに。
で、もちろんおいしくいただいたものの、面白いことに?先のカップ麺と評価が逆転することになったのですな。異なる点はやっぱりスープ。カップ麺のいかにも牛々(ぎゅうぎゅう)していたインパクトが、こちらでは控えめというか抑えめというか。その分、カップ麺で反応がいま一つであった同行者には満足のいく一杯だったようで。繰り返しになりますが、もちろんおいしくいただいた…ですが、おいしくまとまりすぎなのかなと(あくまでカップ麺に比べてです)。
てな具合に思いがけず鳥取グルメに出くわしたわけですが、そも「鳥取には、梨とらっきょしかないのでは…??」と失礼な思い込みがあったものの、すっかり払拭されて。湯治に専念して食をほどほどにするため、宿の豪華晩飯は1度だけにしておいたところ、うっかりしていたことに温泉宿は朝ごはんからたっぷりと出て来たりするのでして、結局は食の方も堪能することになってしまいましたですよ(笑)。