愛知県瀬戸市の街歩きは「窯垣の小径」へと分け入りました。「窯垣」というのは「使わなくなった窯道具(ツク・エブタ・エンゴロ)で作った掘や壁の総称」だそうで、下の解説板の右上に絵がありますように、やきものを窯入れする際の補助具ということでしょう。

 

 

「洞町には新旧合わせてたくさんの窯垣が残っています」という、瀬戸の洞地区は古くから窯元が集まったところであるようですね。小径をたどっていきますと、ギャラリーあり、資料館あり、やがては「洞本業窯」に到達することに。瀬戸では古来続く陶器造りを「本業」と呼び、遅れて始まった磁器作りを「新製」と使い分けているようです。

 

 

とまあ、そんな「窯垣の小径」を歩いたわけですが、確かに種々の窯道具を埋め込んで擁壁を作ってありましたなあ。そうこうするうちにほどなく、「窯垣の小径ギャラリー」というところに到着…するも、訪ねた当日(10/26)は閉まっておりました。不定休ということですので、やむなしです。

 

 

「300年ほど前の江戸時代に建築されたといわれる窯元の屋敷」を再利用して「地域で活躍する作家等の作品を展示する」ギャラリーとなっているということでしたが…。

 

 

道沿いには折々、道標が設置されてはいますけれど、どうにも枝道が多くあって「どっちへ?」と戸惑うところこれあり。さりながら、なんとか「窯垣の小径資料館」へとたどり着きましたですよ。こちらは開館中でしたですが、開館日時が木~日の11:00~15:00と狙っていかねば難しいところがありますね。

 

明治後期の「本業焼」の窯元をそのまま活かす形で改修した趣のある資料館。母屋では「本業タイル」をはじめとした歴史や文化に触れることができ、離れには休憩所を設置。日本の近代タイル第一号といわれる「本業タイル」で装飾された浴室やトイレは必見です。

瀬戸市観光情報公式サイト「せと・まるっとミュージアム」には、こんな紹介がありましたので、取るものも取り敢えず「必見」というバス・トイレを押さえておくといたしましょう。

 

 

 

これらの製品は、多治見市モザイクタイルミュージアムの展示を思い出させますですね(ただし、浴槽自体はここでは木製なのですなあ)。多治見から瀬戸への移動は、JR中央線、愛知環状鉄道、名鉄瀬戸線と乗り継ぎを重ね、大回りしてきましたが、考えてみれば瀬戸と多治見や土岐市は山を挟んで背中合わせみたいな地理的状況にあるわけですものねえ。尾張と美濃、愛知県と岐阜県という違いはあるも、混然一体としたやきもの里であったことを思うところでもあろうかと。ま、小便器のところに置かれた陶製の下駄はかつて訪ねた常滑の方を思い出したりするところですが。

 

と、まずは必見ポイント(?)を押さえたところで、資料館の展示をつぶさに見ていくところながら、そのお話は次回にということで。

 


 

で、月例のこと(父親の通院介助)が巡ってきましたので両親のところへ出向くべく、明日(1/17)はお休みいたしまして、また明後日(1/18)にお目にかかりたく存じます。ではでは。