近所のスーパーで相変わらずきのこがお手頃価格のような気がする…と書いたところでスーパーの店頭のことを思い出しましたですが、先日の「土用の丑の日」(7/30)には、毎度のことではあるものの「うなぎ」の蒲焼きが山と積んでありましたなあ。もちろん、きのこのように安いわけではないながら、うなぎ専門店で焼き立てを食すよりは圧倒的に安いとは言えましょうか。
そもうなぎが高嶺の花(つまりは値段が高い)であるのは、獲れる量の問題でしたですよね。うなぎの生態には未だ分かっていないことも多くあり、だからこそちょいと前のEテレ『サイエンスZERO』で「謎の回遊魚!ウナギのミステリーツアー」と、うなぎの生態に関わる最新研究などが紹介されたりもするわけで(まさに7/30放送とは土用狙い撃ちですかね)。
その中でも「ついにうなぎは安定供給となりました!」てな話はまだまだ夢物語であるか…と受け止めたところながら、いざ「土用丑の日」ともなればスーパー店頭にうなぎが山と積まれるのは、どうしたからくりなのですかねえ…。と、ここでまた思い出したのがアクアマリンふくしまを訪ねたときに館内の食堂で手にとったリーフレットのことでありまして。
「当館では、海の恵みを将来も安心して食べられるよう、数が多く資源量の安定した魚介類を食べる運動「HAPPY OCEANS(ハッピーオーシャンズ)」に取り組んでいます」 ということで、「魚種を資源量の多い順に青・黄・赤と交通標識になぞらえて分類」しているのですけれど、ここでは真っ先(左上)に「ニホンウナギ」が赤信号(大事に食べよう)で紹介されているのですな。
ただ、この画像は同館HPから借用したものですが、実際に手にしたのは新しいバージョンでしょうか、記載内容がいささか異なっておりまして、赤信号筆頭にはクロマグロが載っていたのでありますよ。となると、うなぎを取り巻く状況は些かなりとも改善されたのかと思えば、その他大勢の記載に紛れ込んだニホンウナギに関する記載は「2018年の稚ウナギ漁は過去最低であったが、多くの川に親がいることから、絶滅するレベルではない」とあって、やっぱり赤信号なのですけどね。
一方、HP掲載版では黄信号(食べよう)に位置づけられていたクロマグロは、館内で入した版では赤信号に変わり、「マグロを食べるならキハダを食べよう!」となっておりましたなあ。寿司屋で食す(といっても、もっぱら回転している店ですが)などを含めて普段の食生活で大変にお世話になっているおさかなさんたちの中にも、種類によって赤信号や黄信号、はたまた青信号(すすんで食べよう)とそれぞれに区分けられたりするのですなあ。ちなみに館内入手版で見る限り、赤信号となっているのはクロマグロ、ニホンウナギのほか、マカジキとホッケでありました。ホッケは寿司ネタでは見かけませんが、居酒屋の定番焼き魚メニューであって、「干物原料として大量漁獲されたため資源は激減」てな状況にあろうとはつゆ知らず…。
てなあたりも踏まえて、「海のエコラベル」(MSC認証)てなものをご存知でありましょうや?「MSC「海のエコラベル」が付いた水産物は、水産資源や環境に配慮しているとして、第三者の審査機関による審査によって認証された持続可能な漁業で獲られたものです」(Marin Stewardship CouncilのHP)ということですが、個人的にはこれまでのところ、近所のスーパーなどでは見かけたことはありませんが。
日本は昔から魚介類の消費が多かったものと思いますが、だからといって漁業関係者にしても消費者にしても、魚介類を食い尽くしてよいと思っているわけではありませんですね。その点で、ロンドンに本部があるというMSCと思惑違いということはないのでしょうけれど、クジラやイルカと同じとは言えないところながら、結構過激な反応をする欧米とはなかなかに同一歩調を取りにくい食文化の違いがあるのかもです。
さはさりながら、「食い尽くすつもりはない」とは思えば意識が追い付いていませんと、結果「つもりはない」では済まないことにもなったりするかも。この後もおいしく魚をいただくためには、食す魚の種類なども気に掛けた方がいいのかもしれませんですね。