太平記ゆかり、分倍河原の古戦場を訪ねるといいつつ、早速に寄り道を。

でもって、府中の神様との関わりのこと…なれば、武蔵国総社とされる大國魂神社を思い浮かべるところかとも思いますが、このお社には先に「ぶらり武蔵府中散歩」でも立ち寄りましたので、実はここでは無関係でして。

 

では?となるわけですが、「神代」と「府中」と並びますと、かつて都立高校の(悪評高かった?)学校群制度世代の方々には、「ああ、府中高校と神代高校、75群ね。三鷹、武蔵のひとつ下ランクでしょ」てなふうに思いだされるかも。もっとも、ここで「神代」は「かみよ」でなくして「じんだい」とう読むわけですが…。

 

ではでは、「ちはやふるかみよもきかず…」という在原業平の歌と府中が何か関わりが?となりますと、これもまた関係はないのですなあ。んじゃあ、いったい何よ…と相当にひっぱってまいりましたですが、お気づきの方はすでにお気づきのように(といって個人的には今回の散歩の下調べで気付かされたところながら)、関わりのもとは漫画&映画の『ちはやふる』、競技かるたに情熱を燃やすヒロイン・千早とその仲間たちの物語でありますなあ。

 

そも今回の散歩の起点であるJR南武線&京王線の分倍河原駅から北へ少々、こちらの府中市の施設、片町文化センターは千早たちが通ったかるた会、府中白波会の活動場所という設定であるということなのですね。

 

 

映画が公開されたころは建物自体に『ちはやふる』ラッピングが施されるほどにアピールしていたようですけれど、今では館内に、かようなものが飾られるばかりでして。

 

 

「聖地巡礼」てなことにあやかって作られたのでしょうか、『ちはやふる』ゆかりのマンホールの蓋が市内に数カ所、設置されているというで、案内マップまで作られておりましたよ。

 

 

しばらく前には多摩川の川向う、聖蹟桜ヶ丘を散歩した際に映画『耳をすませば』の「ロケハン場所が、ああここか」てなこともあったりしましたので、もしかすると「聖地巡礼」マニア?と思われるかもですが、それほどに強いこだわりがあるわけでもないのですなあ。上のマップにも、マンホールのありかや実際のロケ地が記されているものの、それを訪ね歩いたわけでもありませんのでね。ただ、片町文化センターの外にあったマンホールには気が付いたので、一応押さえておきましたですが(笑)。ちなみに、ここのデザインは館内展示のものと同じでしたが、市内各所にあるのは数種の異なるデザインのマンホール蓋があるようでありますよ。

 

ということで、『ちはやふる』を少々気にかけつつも、散歩の主眼は別にあり…ではありながら、歩きまわっているうちにはやはり「ああ、ここかあ」という場所に出くわすものではありますなあ。ぶらり歩きの最終段階、府中本町駅へ出るショートカットとして、清水下小路というところを通り抜けたときに、ふいに映画のシーンが蘇ってきたのでして。

 

 

主人公・千早(広瀬すず)が幼馴染のかるた仲間・太一(野村周平)におんぶされて登る、線路沿いの坂道ですけれど、今では「おんぶ坂」と呼ばれたりもするのであるとか。この坂に至る以前に通ってきた下河原緑道という道も、ロケに使われたということではありますが、その道に関しては全く別の興味から改めて触れようと思っておるところでして、ここではともかく散歩の余禄として『ちはやふる』に触れてみた次第でありますよ。