なんとか鳴門の渦潮
の片鱗に触れたのち、車は内陸部へ。
ですが、鳴門観光の車の渦から抜け出すのにも多少の時間を要し、
次の目的地に到着したのはほどなく閉館時間というタイミングなのでありました。
今回の周遊は基本的におまかせルートであって、何に出くわすのか自体をお楽しみとして
特段の下調べなどもせずにいたのですが、この場所だけと立ち寄りをリクエストしただけに
何とも無念な状況に立ち至ったのでありますよ。
その目的地とは鳴門市ドイツ館、帰っていく人が見えますなあ。
そりゃあ、閉館近い時間ですから…。
ところで、そも鳴門市とドイツの関わりは…ですけれど、
近くにある松江豊壽顕彰碑の説明文が分かりやすかろうかと。
松江豊壽は、第一次世界大戦時、中国青島で日本とドイツが交戦し、捕虜となったドイツ兵を収容した「板東俘虜収容所」の所長である。松江所長の国際的視野に立つ人道的な計らいにより、補助の自主活動を最大限に認めた模範的な収容所が鳴門・板東の地に築かれた。
ここでは音楽・演劇・講演・出版・スポーツ活動などが盛んに行われ、その中からアジア初演となるベートーヴェン作曲、交響曲「第九番 合唱」が全楽章演奏された。地域の住民との温かい交流も深まり、現在も続く鳴門市とドイツ・リューネブルク市や所長の郷里会津若松市との交流の礎となっている。
とまあ、このような経緯があるわけでして、
顕彰碑のお隣には松江所長の胸像もあります。
映画「バルトの楽園」で演じた松平健とはちと印象が異なりますね(笑)。
たまたまにもせよ、今年初めに渋谷Bunkamuraのギャラリーで
「板東俘虜収容所」の世界展 なる展示を見ていたこともあり、
個人的には期待度高しの場所ではあったのですが、
ドイツ館の館内を見て回る時間がないなら、せめて周辺を散策してとも。
かような案内マップにありますように、
徒歩圏内にかつての収容所跡などもあるということでしたですが、如何せん雨が…。
これは「改めてゆっくり、また来なさい」というベートーヴェン のお告げでもあろうかと。
しかしまあ、この像のベートーヴェン、何をしているところなんですかね。
ちと分かりかねます…。
と、それはともかく鳴門市とドイツ・リューネブルク市が友好関係にあることは
以前、かの地を訪ねた際に町のランドマークたる給水塔 の中で見かけた
映画「バルトの楽園」のポスターで知ったようなわけですけれど、
上の写真に見る鳴門市ドイツ館、どうもリューネブルク市庁舎を意識してませんですかね。
横長ワイドの最近のTVとかつてのブラウン管TVで同じ番組を見たような、
そんな縦横関係の微妙さはありますけれど、少しは意識している気が。
もっとも建物としてはリューネブルク市庁舎の方が存在感ありますけどね。
とまれ、旅の中ではこのような無念のひと幕もあるということで…。




