さてと、ロシアから帰ってまいりました。

サンクトペテルブルクとモスクワの2都市巡りでしたけれど、

向こうの4月はちょうど東京の2月頃の気温であったような。

ロシアの人たちにしてみれば「だいぶ暖かくなってきたなあ…」と思う頃合いだったかもです。


ところで、このほどの唐突なロシア行きでありますが、

いつもの旅の形とは異なるパッケージ・ツアーだったのでして、

「ロシア、どう?」との声掛かりがあり、「いつかは行こう」と思っていただけに

「ま、下見のつもりで…」と声掛けに応じて同行することにしたわけです。


もっとも、かねがね「いつかは…」と思っていたばかりか、タイミング的には

大黒屋光太夫 が横断したロシア、松浦武四郎 が蝦夷地への脅威と感じたロシアを

気に掛けることの多いこの時期でしたので、まあ、いい塩梅とも言えそうでしたし。

で、先日はソビエト映画 を見たりしましたが、これもまあ、ロシアに行く前提の下なのでありました。


ですが今回のツアー、ものの見事にすべての日程で観光やら食事やらがセット済み。

(食事はエルミタージュ美術館のカフェでどうぞというランチ1回を除き、すべて付いてました)

町なかを自由に散策するてな暇はかけらもなく、

かといってホテルに戻ってからぶらりと出るかというには、ホテルの場所は郊外に過ぎて…。

おそらくはこれだけ盛ったツアーを安く上げているのでやむを得ないところなのでしょう。


てなふうに書き始めるとパッケージツアーへの不平たらたらになりそうではありますが、

今回は大変なことに気が付きました。毎度どこへ出かけても自由に動き回る者には

全くもってパッケージツアー(特に今回のように盛り沢山の内容のもの)は性に合わないながら、

そんなパッケージツアーをこそ海外旅行の楽しみとして愛好している人たちが結構いるのだなと

今さらながらに気付いたわけなのでありますよ。旅の楽しみ方はまさに人それぞれですなあ…。


ということで、サンクトペテルブルク3泊、モスクワ2泊の旅、個人的には

先にも申しましたように「下見のつもり」で行ってきたわけですが、

1991年12月にソビエト連邦は解体したものの、年代的に今でもロシア=ソ連の印象があり、

明らかな観光地はともかく例えば空港などで不用意に写真でも撮っていようものなら

たちどころに拘束されてしまい…てな事態にもならんかと思ってしまい、

初めてカメラを取り出したのはモスクワ乗り継ぎで到着したサンクトペテルブルクの

ホテルで一泊した朝のことなのでありますよ。


折しも夜のうちから雪が舞い始めたサンクトペテルブルクの夜明け前。

ここからロシアでの束の間の旅は始まったのでありました。