例によって父親の通院の付き添いに行っておりましたですが、
どうしてこう毎度出かけた先の病院であれこれの思惑違いが起こるのか…。
医師の方々も高齢者相手に意思疎通は大変なことであろうと想像するところながら、
インフォームド・コンセントも説明が相手に伝わってこそと思いますので、
何とぞ噛んで含めてお願いしたいところでありますよ。
とはいえ、付き添いのたびに内輪の暴露話みたいなことばかりこぼしているのもなんですので、
ここでは松江のお話の続きに戻って彼の地での飲み食いのお話などを。
ちょうど松江城天守
に登ったあとに昼飯どきといたしたものですから。
内堀の外へ出れば観光客向けとも思しき飲食店は多々あったやに思うところながら、
時間的にはちと遅めになっていて手軽に済ませたいとの思いから、
全く安直にも先に抹茶アイスでひと休みした茶店
へもう一度立ち寄ったのでありました。
割子そばと炊き込みご飯のセットをオーダーしましたけれど、
そばは円形の漆器(これを割子というそうで)の四段重ねで提供され、
一番上の段に薬味が、二段目から四段目までにそばが入っているのですな。
割子に入った状態のまま薬味をふりかけ、そばつゆを掛けてつるっといただく。
出雲地方の郷土料理ということでありますよ。
そして炊き込みご飯の方ですが、具はもっぱらしじみ。
これに加えてしじみ汁まで付いてきますので、もうオルニチンたっぷりです。
予て宍道湖ではしじみが有名とは知っておりましたけれど、
どうやらしじみの漁獲量で宍道湖は全国一なのだとか。なるほどですなあ。
ちなみに前の晩の食事のことも。
旅先では何も東京でも入れるようなチェーン店にわざわざ入ろうとは思わないところながら、
食事処を物色しつつ松江駅のあたりを徘徊しておりましたところ、
「地魚御膳 島根の地魚にこだわった、旬の美味しい魚三昧御膳です」
というのに釣られてしまい、気付いてみれば居酒屋の「日本海庄や」であったという…。
島根の地魚を東京の「日本海庄や」でいつも食べられるわけではないので、
まあいいんですけどね。刺身に焼魚二種、誠においしくいただきました。
というところで、この御膳に付いてきた椀物ですけれど、これが「宍道湖のしじみ汁」でして。
実にいい具合な風味でしてね、ビジネスホテルの目立った特徴もない朝食ビュッフェの際にも
しじみ汁に手を伸ばしておりましたので、まさに朝昼晩と一日三回、サプリメントのように
しっかりオルニチンを採っていたのですなあ。
オルニチンが肝臓に効くらしいことに気をよくしてということでもありませんが、
晩飯のお供としてはこちら。島根の地酒の利き酒セットでありますよ。
右から「豊の秋」の純米吟醸「花かんざし」、お隣が「李白」の特別純米「やまたのおろち」、
そして左が「簸上正宗」の 純米酒「七冠馬」という三種類。
「花かんざし」とはイメージ重視のネーミングと思いますし、
「やまたのおろち」の方は神話の国出雲らしいところかと思うものの、はて「七冠馬」とは。
ストレートに往年の名馬(競馬に興味が無くても知っている)シンボリルドルフ のことだそうで、
切れ味とか疾走感を単に肖ろうという作戦かとも思ったところながら、どうやらこの酒蔵と
シンボリルドルフを生んだ牧場とは縁戚関係にあるそうな(後からWikiで知ったことです)。
ま、聞きかじりはともかく、三種の利き酒では値段相応と言っていいのか、
個人的見解としては「花かんざし」に軍配を挙げておきましょうかね。
一方で、お昼どきにはこちらのビールを。
松江の地ビール「ビアへるん」でありますよ。
言うまでなくネーミングはへるん先生=小泉八雲
にあやかったものですが、
スタウト、ヴァイツェン、ペールエール、ピルスナーとあるうちのヴァイツェンです。
暑い暑い日にこの爽やかな色合いはのどばかりが目まで潤してくれる気がしましたですよ。
てな具合においしく飲食できましたのは
宍道湖のしじみ由来のオルニチンのおかげというべきでありましょうかね(笑)。



