好評連載中「感情記憶をほどいたら、地上が楽園になった」シリーズ。
前回は、第34回 7つの感情記憶(5)恨み・憎しみ「あいつ、絶対ゆるせない」の罠 でした。
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楽園からうっかり遠ざかってしまう勘違いトラップ「7つの感情記憶」5つめ、「恨み」「憎しみ」「嫉妬」。
これらの感情の、とても大きな罠。
それは、
………………
………………
「悪いのは相手だ」と信じ込んだまま、長い時間が過ぎてしまうこと。
・何もかも、「あいつ」のせいだ
・「あいつめ」、わたしの大切なものを、うばいやがって
・「あいつだけ」がもっていて、ずるい
というわけです。
えっ、だってそうでしょ?
って、思うかもしれません。
わたしのせいじゃなくて、あいつのせいなのよ!
相手が、環境が、状況が、社会が、政治が、いけないの!
って。
でも、ちょっと冷静に考えてみて。
これ、
「よい」「わるい」
「正しい」「間違っている」
「加害者」「被害者」
の二元のものさしからの判断だよね。
さらに、攻撃を仕掛ける時は、
「勝ち」「負け」
「優れている」「劣っている」
などのものさしもつかっていますね。
二元のものさしをつかっている間は、なかなか楽園にはいけないんだよ〜、ということは何度もお話してきましたが、
もう、二元性、フルコンボじゃん!!
はい、超絶、楽園、遠回りーーー。
何が一番の損失かといえば、常に恨み、憎しみ、嫉妬のエネルギーを、相手に対して向け続けていて、ほんとうの意味では、自分が幸せに生きるためには一切使っていない、ということ。
うっかりすると、死ぬまで気付かずにそれを続けてしまう。
ずっとずっと、つらい気持ちを抱えたまま。
これって、とっても、勿体ないよね。
もとを辿れば、
そもそも、どちらも、悪くない。
どちらも、ただ、「愛がほしかった」だけ。
世界の名だたる権力者も、指導者も、どれだけ大きな対立も、もとは、「うえーん、愛がほしいよー」って泣いている赤ちゃんから、はじまっている。
あなたにほしいものを与えてくれなかった人たちも、もともとは、同じ満たされなさを感じていたのではないかな。
感情記憶のしくみ(第7回〜第10回あたり)でお話していますが、起こる事象に感情+思考で意味づけをしているのは、ほかならない、「自分」。
怒りや恨み、憎しみ、嫉妬の感情が強い場合、とても小さい頃に、
・ほしかったのに、与えてもらえなかった
・ほしかったのに、誰かに奪われた(誰かのせいで失った)
・周りはもっていたのに、わたしはもらえなかった
というような、強い怒りや深い悲しみをともなうできごとが必ず存在したはず。
それが何度も繰り返されてゆくうちに、無価値感や、恨みや憎しみが生成され、感情記憶が育っていきます。
その結果、
・わたしは、与えてもらえない
・わたしは、常に大切なものを奪われる
・わたしが本当にほしいものは、手に入らない
といった絶対感情記憶となって、発動するようになるのですね。
その絶対感情記憶を持っていることで、その後の人生で何度もそのとおりのできごとがやってくる、ということは、何度もお話しているので、もうお分かりかと思います。
その結果、恨みや憎しみは降り積もって、凝り固まって、どんどん大きくなってゆく。
注意深く見ていくと、実は、目にうつるすべての出来事は、
「相手のせい」
ではなくて、
自分の中にもともとあった感情記憶が、鏡のように相手に映し出されているだけ
なのだとわかります。
この「投影」のメカニズムは、すべての感情記憶においてそう。
けれども、中でも、特に「恨み」「憎しみ」「嫉妬」は、強烈な怒りをもって相手を攻撃する感情なので、その原因が、相手ではなく自分の中にある、ということを自覚することが、とても難しいのです。
でも、
どちらかが、先に
「奪い合い」
から降りなければ。
「勝ち」「負け」から、
「加害者」「被害者」から
降りなければ。
永遠に、この問題は、解決しないように、思いませんか?
この感情に寄り添うことは、とても根気がいるかもしれません。
誰かを、憎んだり恨んだり、嫉妬したりしている感情の裏には……
自分の強い怒り、悔しさ、苦しくてつらい気持ちが、更に、無価値観、悲しみ、寂しさなど、様々な感情が層のように重なっていると思います。
まずはそれを、出てくるままに、ありったけ、感じてゆきましょう。
最初は、思いきり、相手を恨んでも、憎んでも、罵詈雑言を吐いても、OKです。
感情の感じ方、ほどき方については、第2章をしっかり参照してくださいね(特に、怒りを出していくときには、第18回をしっかりと読んでみてね)。
怒りを出しまくった後、少し冷静に感じていけるようになったら、徐々に、その奥にある、「本当は、こうしたかったのに」という気持ちに、根気よく寄り添ってあげてほしいと思います。
・自分が前に進むために、あの人をゆるします
・ほんとうは、どちらも、誰も悪くない
・誰かを憎まずとも、恨まずとも、あなたは自分の人生を生きられる
この視点を、こころに留めておいていただけると、お役に立つかもしれません。
次回は、6つめの感情記憶についてお話してゆくよ。
お楽しみに〜。
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