好評連載中「感情記憶をほどいたら、地上が楽園になった」シリーズ。
前回は、第33回 7つの感情記憶(4-3)無価値感「神様の正体のお話」でした。
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楽園からうっかり遠ざかってしまう勘違いトラップ「7つの感情記憶」、5つめはなんだと思う?
これもね、持っていると、とてもとても苦しいやつ。
でもね、なぜだか人間の世界では、オーダーが絶えることがない、大人気の感情のようなのですよ。
それは、
「恨み」「憎しみ」「嫉妬」。
言い換えると、
「あいつ、むかつく、ゆるせなーい!」
という気持ちのことですね。
7つのうち、1番目に出てきた、「怒り」が更に根深くなった形とも言えます。
怒りが、より一層、
・慢性化、常態化していて
・特定の相手に向けられており
・明らかに攻撃的である
もの、といえばわかりやすいでしょうか。
「恨み」は、怒りが何層にも重なってしまって、圧縮され常態化したもの。
「憎しみ」は、自分の大切なものを奪われたことに対する、激しい怒り。
「嫉妬」は、自分にはないものを相手が持っているときの攻撃的な気持ち。
総じて、わたしは「被害者」で、相手は「加害者」なの、という立場を取っていますね。
これらを感じていると、とっても苦しいよね。
「むかつく、絶対、ゆるせない」
って、ずっとずっと、怒って続けているのだもの。
怒り自体が不快な感情であるうえに、それが積み重なって凝り固まって慢性化しているからね。
常に自分の中にすっきりしないものが居座っていて、もやもや、いらいら、不快な状態がずっと続いてしまうわけです。
まるで、しつこい便秘みたいだよね。
ごく初期のうちに、話し合いなどでするりと解決できればよいのですが……
それができなかったり、やってみても折り合いがつかない状況だと、これらの感情はどんどん育って固まっていってしまう。
余裕で何年間も、下手をすると何十年も、特定の相手にこの感情を持ち続けてしまえたりするよね(そして火曜サスペンス劇場へ)。
ちゃーちゃーちゃー、ちゃーちゃーちゃーん
(火サスって放映終わってしまったんですね…)
ところで、この3つの感情のでどころを探って行くと、実は、共通している部分がございます。
………………
………………
これらの感情に共通している根っこは、
「愛を奪われた」
という気持ち。
・わたしが、愛されたかったのに
・わたしだって、欲しかったのに
・ほんとうは、こうしたかったのに
これらの望みを継続的にくじかれたり、何度も何度も奪われたり、激しい形で邪魔をされた時に湧いてくるのが、「恨み」「憎しみ」「嫉妬」なのですね。
わたしたちが、欲しいものや実現したいこと、願いのかたちは、人それぞれ様々にありますが、そのおおもとをたどると、やはり全て、「愛されたい」「満たされたい」という気持ちにたどり着きます。
それを失ったり、邪魔されたりしたら、誰だって、本当に、つらいものね。
「恨み」「憎しみ」「嫉妬」の大きな感情エネルギーに振り回されると、激しい喧嘩をしてしまったり、大切な関係性を壊してしまったり、相手を物理的に傷つけてしまったり、ということもあります。
個人的な対立だけでなく、今日も、国と国同士の戦争、宗教や政治的な対立といったものが、世界のあちこちで起こっていますね。
それだけ、この感情は強力であり、それをほどいてゆくのは、難しいということかもしれません。
でもさ、誰だって、対立なんて、ほんとうは、したくないよね?
だって、そもそもは、誰もが愛が欲しいのに。
手段として「奪い合う」ことを選んでしまう。
「奪われた」ことに腹を立ててはじまった感情なのに、「奪う」ことでそれを得ようとする。
これって、根本解決になっているのかしら?
奪うことで得ると、再び奪われることを恐れるようになるでしょう。
正当な理由で取り戻したのよ! という思考でいても、実は、奪った方も、傷ついている。
だって、奪われた痛みを、誰よりも知っているから。
その痛みを相手に与える時、自分もまた、深いところでは、傷ついているのです。
じゃあ、一体、どうすればいいのーーー?!
と思ったあなた、
そうなのですよ。
これこそが、「恨み」「憎しみ」「嫉妬」の大きな罠なのです。
次回、そのトラップのからくりと、それを回避していく方法について、お話してみたいと思いますよ。
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