『アステロイド・シティ』ウェス・アンダーソンの入れ子構造 | ジョニー暴れん坊デップのA部屋

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・eiga.com 作品情報 『アステロイド・シティ』

■解説

 「グランド・ブダペスト・ホテル」のウェス・アンダーソン監督が、砂漠の街に宇宙人が到来したことから巻き起こる大騒動を独特の世界観で描いたコメディ。
 1955年、アメリカ南西部の砂漠の街アステロイド・シティ。隕石が落下して出来た巨大なクレーターが観光名所となっているこの街に、科学賞を受賞した5人の少年少女とその家族が招待される。子どもたちに母親が亡くなったことを言い出せない父親、映画スターのシングルマザーなど、参加者たちがそれぞれの思いを抱える中で授賞式が始まるが、突如として宇宙人が現れ人々は大混乱に陥ってしまう。街は封鎖され、軍が宇宙人到来の事実を隠蔽する中、子どもたちは外部へ情報を伝えようとするが……。

 キャストにはジェイソン・シュワルツマン、エドワード・ノートンらアンダーソン監督作の常連俳優陣に加え、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクス、マーゴット・ロビーらが参加。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

/2023年製作/104分/G/アメリカ/原題:Asteroid City/配給:パルコ
劇場公開日:2023年9月1日

オフィシャルサイト

 

■スタッフ

監督   製作 ウェス・アンダーソン スティーブン・レイルズ ジェレミー・ドーソン 製作総指揮 ロマン・コッポラ ヘニング・モルフェンター クリストフ・フィッサー チャーリー・ウォーケン 原案 ウェス・アンダーソン ロマン・コッポラ 脚本 ウェス・アンダーソン 撮影 ロバート・イェーマン 美術 アダム・ストックハウゼン 衣装 ミレーナ・カノネロ 編集 バーニー・ピリング アンドリュー・ワイスブラム 音楽 アレクサンドル・デスプラ 音楽監修 ランドール・ポスター

 

■キャスト

■映画評論

 ウェス・アンダーソンの映画は、いつも決められたフォーマットと馴染みの俳優たちと似たようなテーマを提示してくるが、それでも毎回浮き浮きしてしまうのはなぜだろう。恐らく、細部に小さな再発見があるからだ。

 最新作「アステロイド・シティ」はどうだろう。時は1955年のアメリカ西部。かつて隕石が落下した結果できた巨大なクレーターが観光名所になっている街に、天才宇宙少年少女やその親たちが集まって来る。そこで描かれるのは、機能不全に陥った家族や、空想的で既知に富む子供たちの姿だ。それらは、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(2001)や「ムーンライズ・キングダム」(2012)その他で見たものだし、神経質なほどのシンメトリーな構図、今回はパステルに統一されたカラーパレット、ストップモーション・アニメの登用等、他にもいつも通りの手法が満載である。

 同じ映画の中で異なるジャンルが登場するのもアンダーソン流。今回は、西部を舞台に展開する舞台劇「アステロイド・シティ」と、その舞台を制作するスタジオ内でのメイキング風景が交互に描かれる。アンダーソンはそこに、彼が最も影響を受けたという1950年代のアメリカの演劇シーンへの憧れを注入したのだとか。スカーレット・ヨハンソンが演じるグラマラスな映画スター、ミッジ・キャンベル役が、アクターズ・スタジオの卒業生で、本格的な舞台俳優を目指していたと言われるマリリン・モンローにインスパイアされているのは明らかだ。

 最新作で新たな発見と言えば、いつもジオラマ的と表現されてきたアートワークが、実は、舞台美術から派生したものではないかということだ。考えてみると、アンダーソンが子供の頃から勉強よりも戯曲の執筆に熱心な問題児だったことはよく知られているし、テキサス大学時代に親友のオーウェン・ウィルソンと初めてコラボしたのも、サム・シェパードの戯曲「TRUE WEST」を彼なりにアレンジした舞台劇だった。手作りのセットをフレームの中に収めるのは、映画よりもむしろ舞台のフォーマットだし、最新作の主な背景になるのはスペインに実在する本物の砂漠だ。であるにも関わらず、アンダーソンによると、わざわざ土を掘り起こしてペンキを塗りたくって作り物感を演出したのだとか。それは、最新鋭のCGIを駆使すればあらゆる背景を本物らしく見せることが可能になった昨今の流れに逆行する行為だ。ウェス・アンダーソンの映画は、手作りの暖かさが観客を舞台的な世界へと誘う、今や唯一無二の体験なのだと改めて思った。(清藤秀人)

■映画レビュー

評価:5.0 「50年代アメリカの明るさと不安さ」 杉本穂高

2023年10月31日・・・1950年代、「古き良きアメリカ」がまだ残っていた頃の架空の物語だ。全てはこの監督らしくカリカチュアされ、舞台となる町「アステロイド・シティ」は殺風景ながらもなんだか楽しげな雰囲気がある。本作は劇中劇のスタイルを採用している。この街で展開されるのは筋書きのある演劇で、その舞台裏をテレビ番組で紹介している。一種のメタフィクションだが、このスタイルであることが重要だ。


 アステロイド・シティは隕石が落ちてそのクレーターを観光名所としてできた街だという。宇宙への憧れと科学信仰の強かった同時代を背景するかのように、街では天才の子どもたちに化学賞を授与するセレモニーが開催されている。その授賞式の最中に宇宙人が来訪して、町は軍隊によって封鎖されてしまう。科学をたたえ、宇宙に憧れるが、漠然とした不安が漂う時代でもあったのだろう。明るい作風に不穏な空気が漂い始める。
 そうした科学の明るいイメージと宇宙への憧れも恐怖も、そしてあるいは原爆開発競争を助長した冷戦に対する不安も、世間はテレビというイメージ発信装置を通じて得てきた。カリカチュアされた演劇空間をテレビで見せるという複雑な物語構造は、50年代の「古き良きアメリカ」も科学への未来イメージも宇宙も、何もかもテレビというメディア空間がもたらした幻想だったのではないかと言っているようだ。楽しい映画だが、鋭い見解を内包した作品で、近年のウェス・アンダーソン作品の中でも特に好きだ。

※架空の町で起こる、なんだか脱力感に満ち溢れた世界。好みは分かれるんだろう。キャストやストーリーに込められた映画の蘊蓄に詳しい人にとっては楽しい100分となろう。

 

●30秒予告

※難解なのに映像は優しいー。

 

・ゆってぃのワカチコブログ 新作

 こんばんわ!!お出かけは六本木までギロッポンは映画を観てきました。

 ウェスアンダーソン監督のアステロイドシティ。好きな監督で空気感大好きなんですが、今回の新作は「むっずっ!!かいしゃくむず!!」 頑張れ僕!!

※ゆってぃにはない間のセンスだ。相容れなさそう。ファイト!

 

・高見恭子 オフィシャルブログ 映画「ASTEROID CITY」試写

 その独自のファンタジー、可愛さ、アンバーグラウンドさ、世界にファンが多いウエス、アンダーソン監督。架空の街、アステロイドシティに集まった5人の天才児とその家族。

 有名俳優たちの、個性的な登場人物、、ストーリーというより、映像、シーンひとつひとつ、ウェス監督の審美眼。おもちゃ箱をひっくり返した楽しさを感じて。

※こういうオシャレ系は絶対押さえてますなーー、恭子ハン。

 

●メイキング映像

※ウェス風アプリとかもあるんだなぁー。

 

       

 

●かわいいけど難解?映画「アステロイド・シティ」を徹底解説!(前編)【町山&藤谷のアメTube】

※最近「平成ガメラ1」を観たので、初々しい(そしてダイコン演技の)文子さんがチラつくw

 

●同上 (後編)

※マドリードの青い空が欲しくて、スペインにセットを持って行った?凄いこだわりだ。

 

 

・おまけ 映画台詞&ウルトラ怪獣 12月30日

 

ー元ネタの詳細は2023年元旦の日記参照のこと!ー

 

☆映画と旅する365日 

「あなた抜きの新しい人生のはじまりよ!」

→『ホリデイ』(イギリス/サリー/シェア)

・・・ロサンゼルスで映画会社を経営するアマンダは、浮気した恋人を家から追い出すことに。一方ロンドンの新聞社勤務のアイリスは、片思い中の男性の婚約を知って動揺する。傷心中の2人はクリスマス休暇に住居を制限付きで交換することに。

 

※よく知ってる役者ばかりだと思ったら、17年前の作品なのかーー。

 

●予告

※なんで観逃しているんだろ?意味不明。

 

☆彡今日は何の日?ウルトラ怪獣日和 

ウルトラマンG 使用禁止の劇薬でバッタが怪獣化!

 1991年12月30日に放送されたのは『ウルトラマンG』第8話「姿なき復讐─昆虫の叫び─」。広大なジョンソン農場で、農薬を散布するセスナが墜落した。国際的軍事組織・UMA(ユーマ)は調査を行うため現地に向かう。

 そこでUMAのジーンはサンドマンという作業員と出会う。墜落したセスナのパイロットは友だちだったと言い、何かを描いた紙を渡してきた。何かを言いたげなサンドマンであったが、そこに農場主のジョンソンが現れ、強引にサンドマンを連れて帰ってしまう。

 UMAの戦闘機・ハマーで空中からの調査を行うジャックたちは、イナゴの群れに遭遇。吸気口がふさがれたためにエンジンを停止、着陸を余儀なくされてしまう。吸気口をふさいだのは、巨大なイナゴの新種であった。

 基地で詳細な調査が行われるなか、ジーンは仲間たちにサンドマンから受け取った紙を見せる。それは、巨大なイナゴがセスナを襲う絵だった。サンドマンは人と話すことが苦手なため、絵で巨大なイナゴが出現したことを知らせようとしていたのだ。(中略)
 
 12月30日は、違法な劇薬だった農薬の影響でイナゴが怪獣化したエピソードの日。危険な農薬によって生まれてしまったマジャバも被害者なのかもしれません。

 

●ウルトラマンGvsマジャバ

 

(感想)ウェス風スター・ウォーズとか、ウェス風エイリアン、観たいネェー。