実は何気にコンサル業界は接待が多い。この接待だが、良いものを食べて飲んで気分良くなってもらって次の取引(コンサルの場合はプロジェクト)につなげると思い込まれていないだろうか。

コンサル業界では、接待は良いものを飲んで食べてもらうという感覚は全くない。接待の目的はズバリコミュニケーションにある。

プロジェクトでは、歯に着ぬ着せぬ発言を繰り返すコンサルは、クライアントと意見が衝突することが頻繁にある。それでもなんとか苦難を共にし、良いプロジェクトだったと分かち合う。その時両者がふと気づく。仕事でここまで信頼出来たのに我々はお互いのことをあまり知らないな。ここで終わる関係も寂しいし、もっと知りたいな、と。

そこでコンサルが接待を企画する。そこでのもてなしはうまい食事でも酒でもない。その場でのコミュニケーションでお互いを知り合い新たな発見を楽しむことだ。その人の人となりから始まり果てはプライベートまで。プロジェクトで意見が対立した時、なぜ対立したのかもこの場で判明することが多い。そうかそういう価値観だからなのかと。この接待を通してまた信頼感が増す。仕事をする上でのお互いの哲学に触れ敬意を持つようになるからだ。

そしてこの接待を通して次の仕事につながっていく。接待はお互いの哲学を知って信頼感を増し、より良い仕事をするためのコミュニケーションの場というのがコンサルでの定義だ。
ワークショップ、セッション、ミーティング、会議と様々なコミュニケーションと意思決定の場では、意見、質問が飛び交う。こういったコミュニケーションの場で本当に意味のある発言は5%しかなく、ほとんどが確認と質問に費やされているのではないかと思う。

最終的に参加者が良い議論だったと思えるようにすることがファシリテーターの腕の見せ所だが、ダメファシリテーターは、論点から外れた質問や意見をそうですねの一言で切り捨ててしまう。しかし、グッドファシリテーターは全部の発言を拾う。拾って洞察・考察し、論点につなげる。すべての発言を意味ある発言に転換し、参加者の議論への参加を認識させ、モチベーションを上げる。

論点を外した発言を切り捨てることは誰でも出来る。発言者もこれはと思って発言している。しかし、直感的であったり、考察不足で外したように表面上は見える。しかし実はそうではない。発言者の真意に迫る解釈と質問を発することをファシリテーターができていないのだ。

まずは発言を全て広い活用をトコトン試みる。そしてまずは参加者意識を持たせる。ここがグッドファシリテーターへの道なんだろう。

議論に生産性がないのは参加者が問題ではなく、ファシリテーターに原因があると思う。
差別化とは顧客から見て違いが明確であることだが、ほとんどの企業の差別化は微細なレベルでの機能差異化で差別化には程遠い。

本当に差別化したいなら業界内で逆張りしないと駄目だと思う。例えば、コスト効率が業界のスタンダードならあえてコストをかけてみる。具体的にはコールセンターの対応で時間短縮が常識なら、時間制限の枠を取り払い、トコトン顧客対応する。こうすることで他社とは全く異なる顧客対応が可能となる。

成熟市場では、逆張りしないと差別化はほとんど機能しないと思う。