実は何気にコンサル業界は接待が多い。この接待だが、良いものを食べて飲んで気分良くなってもらって次の取引(コンサルの場合はプロジェクト)につなげると思い込まれていないだろうか。

コンサル業界では、接待は良いものを飲んで食べてもらうという感覚は全くない。接待の目的はズバリコミュニケーションにある。

プロジェクトでは、歯に着ぬ着せぬ発言を繰り返すコンサルは、クライアントと意見が衝突することが頻繁にある。それでもなんとか苦難を共にし、良いプロジェクトだったと分かち合う。その時両者がふと気づく。仕事でここまで信頼出来たのに我々はお互いのことをあまり知らないな。ここで終わる関係も寂しいし、もっと知りたいな、と。

そこでコンサルが接待を企画する。そこでのもてなしはうまい食事でも酒でもない。その場でのコミュニケーションでお互いを知り合い新たな発見を楽しむことだ。その人の人となりから始まり果てはプライベートまで。プロジェクトで意見が対立した時、なぜ対立したのかもこの場で判明することが多い。そうかそういう価値観だからなのかと。この接待を通してまた信頼感が増す。仕事をする上でのお互いの哲学に触れ敬意を持つようになるからだ。

そしてこの接待を通して次の仕事につながっていく。接待はお互いの哲学を知って信頼感を増し、より良い仕事をするためのコミュニケーションの場というのがコンサルでの定義だ。