ヴードゥー・スープ
かつてこんなアルバムがあったのをご存知でしょうか?
アラン・ダクラスが手がけた最後のアルバムになると思います。
1. The New Rising Sun
7. Midnight
11. Pali Gap
13. Peace In Mississippi
このアルバム最大の売りといえば1曲目「ニュー・ライジング・サン」になるでしょう。一応、未発表曲ですが、過去のアルバム「クラッシュ・ランディング」(これもアラン・ダグラスのプロデュース)の最終曲「キャプテン・ココナッツ」に断片的に使われたりしていました。
このアルバムの発売以降、エクスペリエンス・ヘンドリックスからの公式リリースラッシュが始まっていくわけです。まさに「ヴードゥ・スープ」は、アラン・ダグラスにとって最後のジミ関係の仕事だったのでしょうね。
あとは余談ですが、
このアルバム、表ジャケにくらべて裏ジャケの写真の方がイイです。こっちを表にすりゃ良かったのに...って思っちゃいます。まあ、それはそれでライヴ盤と誤解してしまうかな?
足元にユニ・ヴァイヴのペダルがあるのでウッドストック以降というのがわかります。
メタボリ番長の機材 その3
ちょこっとだけ。ですが、ひさびさに機材情報を追加。
すでに昨年12月の大阪公演(江坂ぶうめらん)で披露ずみですが...
フライングVです。 これのイメージは、やはりこちら。
通称「フライング・エンジェル」と呼ばれるこの1本。
1970年春ごろからジミのステージに登場するようになったと言われてます。
映像ではマウイ島やワイト島で見られますね。なぜか島ばかり(笑)。
そういえば何かの本で、ジミがインタビューで、「新しいギターを手に入れたんだ。アルファベットのAの形をしててさ...」とか言っていたような覚えがあります(笑)。たしかに、VというよりはAかぁ。
通常のVとは違い、菱形ポジションマーク、アーム形状など特別な仕様のようです。
これ以外にもジミは1967年から68年ごろにVを使用していますが、それはサイケなペインティングが施された右用タイプでした。そのサイケバージョンは、近年ギブソン・カスタムショップで再現され、100万とか?かなり高額な価格で販売されていたようです(下の画像)。
ジミがフライングVでプレイする曲って、結構あると思うんですよね。ライヴはもちろん、特に後期のスタジオ音源でも、おそらくVと思われる音色があります(SGとか、他のギブソンの可能性もありますが)。
ただ、このギター、ジミにしては珍しく左用なので、ライヴ映像ではボリューム操作などに少し手間取っているようにも見えます(笑)。下側にコントロールが来るから、メインのストラトに比べて見えにくくなる...というのは私も使って感じました(笑)。
さて、ギブソン・カスタムショップではとってもお高い一品ですが、メタボリ番長のは、どこ製かというと...
そう、今は無きオービル製です。made in Japan!
「1980年代後半から1990年代には創業者の名に因んだオービル (Orville) というギブソン社公認のブランドが日本に存在し、日本における他社の安価なコピーモデルを牽制する目的で、レスポールやSGなどを日本の楽器製造業者数社(フジゲンや寺田楽器)で製造し、ギブソン社の製品より手頃な価格で販売していた。その後、オービルブランドの生産は終了し、エピフォンブランドに引き継がれた。」
(以上、ウィキペディアより抜粋)
とても馬鹿にはできない、かつての人気メーカーなのです!
入手価格はヤフオクで5万くらいでした。安ッ!
ヘッド形状の微妙な違いとか、ポジションマークが通常の丸形とか、やっぱりジミのフライング・エンジェルとは見劣りしてしまいますが、一応ゴールドパーツですし、それなりに高級感漂いますよ!(笑) 音も悪くないし!
毎回の公演で必ず使う...とは限りませんが、地味メタボリXのライヴで見れたら、このコラムでの紹介も思い出していただければ幸いです。
あと、ソフトケースにいれて運搬してますが、難点がひとつ。
結構パンパンに収まっちゃいます(笑)。
しかも、はたから見れば「フライングVを持ってる!」とバレバレ。
いっそハードケース、入手すべきか?(笑)
Valleys Of Neptune 感想
さて、3月10日に発売されたジミの新アルバム「Valleys Of Neptune」について、自分なりに感想を。
1.Stone Free
かつて1975年にアラン・ダグラスのプロデュースによる「Crash Landing」というアルバムがリリースされ、この曲が「Stone Free Again」というタイトルで収録されていたものの、ジミとは縁もゆかりも無い他のセッション・ミュージシャンによる演奏が加えられたものでした。今回のが全くのオリジナルバージョンということになるんでしょうね。当然ながら元々のエクスペリアンスのデビュー・シングル「Hey Joe」のB面であったバージョンはあまりにも有名ですが、今回は1969年バージョンということで、何ともファンキーさが加わった印象があります。ちょっとだけメインのリフもいじってますね。エンディングがやや崩壊気味ながら面白いです。
2.Valleys Of Neptune
収録日やバージョンの詳細は前回のコラム でお伝えしているところですが、曲としてはシンプルながら面白い仕上がりです。ちゃんとしたヴォーカルが入ってて、まさに新曲の力強さを感じられ、たしかに本アルバムの看板曲と言っていいと思います。あと、珍しいことにギターソロはありません。後々加えていくつもりだったんでしょうか。ジミはかなり長い間にわたって、この曲を何とか仕上げたいと奮闘していたようです(たしかビリー・コックスがそんなことを語っていたと思います)。あくまで未完成ながら、名曲の可能性を大いに秘めた1曲です。
3.Bleeding Heart
エルモア・ジェイムズのカヴァーでありながら、全くの独自なアレンジ。アルバム「War Heroes」(今では「South Saturn Delta」)に収録されているものが最終形になるんでしょうけど、これはその過渡期というか黎明期の形といえるもの。演奏は若干ラフながら、ブレイクのタイミングなどしっかり出来上がっていますね。1969年4月の収録ですが、その2ヶ月前のロイヤル・アルバート・ホールでは完全なブルース・ナンバーとしてプレイされています。私は当然、このバージョンもブルースも両方好きです(笑)。
4.Hear My Train A Comin'
かつて1975年にアラン・ダグラスのプロデュースによる「Midnight Lightning」というアルバムがリリースされ、この曲が収録されていたものの、ジミとは縁もゆかりも無い他のセッション・ミュージシャンによる演奏が加えられたものでした。今回のが全くのオリジナルバージョンということになるんでしょうね。って、1曲目とそっくりな説明ですが、まあ事実なわけです(笑)。ライヴでは結構頻繁にプレイされているんですが、スタジオ・バージョンというのは珍しく、この曲ってやっぱり殆どワン・コードでジャム的に弾きまくり風なので、スタジオで仕上げるにはしっくりいかなかったんじゃないかと思います。とはいえ、本テイクでも結構ハイテンションにプレイされていますけど(笑)。
5.Mr. Bad Luck
他の曲が1969年頃に集中しているのに対し、ちょっと古くなって1967年の録音。元々、デビュー前のジミー・ジェイムス&ブルー・フレイムズの頃からレパートリーだった曲だとか。その頃のを是非聴いてみたいところですが、まあ、無いでしょうね。これもアルバム「Rainbow Bridge」(今では「South Saturn Delta」)に入っているものが最終形ってことになるんでしょう。時期的に2ndアルバム(「Axis:Bold As Love」)に向けての録音のようですが、単品で聴くと悪くないんですけど、雰囲気的に「Axis」には合わない感じがしてしまいます。
6.Sunshine Of Your Love
1969年2月のロイヤル・アルバート・ホール公演に向けての練習から収録されたようです。本番とほぼ同じ演りようで、本番さながらのテンションで聴かせてくれます。
7.Lover Man
個人的にはこれが1番びっくりしました。前曲と同じく69年2月のセッションから収録とのことですが、少しテンポを落としてノリのいいギターと歌がたっぷり聴け、まさにジミらしい独特のブルース・フィーリングを堪能できます。フェイド・アウトなのが残念!
8.Ships Passing Through The Night
のちに「Night Bird Flying」(アルバム「First Rays Of New Rising Sun」)へと発展する曲の原点、といったところでしょうか。歌詞もそうですが、ギターソロでも「Night Bird Flying」と同じようなプレイをしているところが聴けて面白いです。
9.Fire
10.Red House
今回は69年2月のセッションからの収録が多いです。やっぱり本番を意識したプレイに思えますね。「Red House」の方はなぜかフェイド・アウトしてしまいます。しかも、もうエンディングと思われるあたりで。一体何が起こったのでしょうか(笑)。
11.Lullaby For The Summer
古くは「Dance」(知ってる?)、そして後には「Ezy Rider」となるメインリフがフューチャリングされています。とはいえ、これはこれでまた別曲のような仕上がり具合ですね。インストながら、重ね録りされたギター・アンサンブルが楽しめます。
12.Crying Blue Rain
これは曲というよりはブルースをベースにしたジャム・セッションのような感じですね。そういえば、本アルバム5曲目の「Mr. Bad Luck」とこの曲は、1987年にノエル・レディングとミッチ・ミッチェルがドラムとベースをオーヴァーダビングしているようです。何でも、1988年にラジオの特集番組(たぶん1990年に4枚組ボックス「Lifelines」としてリリースされた分だと思います)放送のために、マネージャーであったチャス・チャンドラーが2人を呼び寄せたとか。
というわけで、本アルバム、長い目で見たら決して名盤と言える域には達しないように思えますが、内容的には新譜として充分「買い」です。まだ買っていないアナタ、早速チェックですよ!(笑)




