八王子市の精神科・滝山病院の看護師による患者への暴行・虐待事件が明らかになってから一年。
亡くなった人々を追悼し、精神科病院で今なお苦しむ人々と連帯を示そうと、先ほどまで「滝山病院問題を終わらせない」都庁前行動があり、光記者が取材しました。
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昨年2月、NHKドキュメンタリー「ルポ死亡病院」は、院内のでの暴力・虐待の場面映像、過去に虐待事件を起こし廃院となっていた別の病院の経営者と滝山病院の経営者が同一人物である事実を報じた。
放映の直前、警視庁が捜査に着手。
複数の看護師らが逮捕、略式起訴され、精神科病院の闇が明るみになった。
「滝山病院にはまだ80名の方が退院できずに残されている。こうしている間にも院内で亡くなっていく。滝山病院をこのまま存続させることは許されない」
男性は声をつまらせた。
主催者の呼びかけで、スマホを使って亡くなった方に追悼の気持ちを表そうとスマホの光を思い思いに胸にかざしながら集会は始まった。
都庁前の歩道には障害当事者や家族、支援者、医療、福祉、介護従事者ら150人が集まった。
理事長、院長が退任する改善計画を都に示したことで、存続を図る病院側に対して、
「一年たっても精神医療の問題は解決していない。病院は病気を治すところであるはず。医療関係者なら患者の回復を願っていく初心があるはず。それがどうして滝山病院のようになってしまったのか。精神科病院は普通の病院と位置付けが違う。そこから変えていかなければ。院長の交代だけで、問題は解決しない。滝山病院をこのままにしておくわけにはいかない」(家族会の女性)
と厳しい声が上がった。
都議会議員、国会議員も駆けつけた。
重度障害者の木村英子参議院議員は
「ひどい虐待が行われていても、事件にならなければ社会に明るみにらない。自分も施設でずっと生活してきが、虐待を受けた経験がある。障害者が地域であたりまえに生きることができる社会にしたい。悲惨な事件を起こさないために闘っていこう」と訴えた。
天畠大輔参議院議員は
「10代の約2年間を施設で過ごしたが、日々「自分が無力化されている」という思いだった。滝山病院の患者さんのことを考えるとき、施設に入っていた時のことをいつも思い出す。彼らを「可哀想だが行き場がないので仕方ない」と言う人がいるが、誰もがいつ当事者になるこもわからない問題だ」と力を込めた。
筆者も千一の代理としてマイクを握り、横浜市金沢区の知的障害者グループホームが開設断念に追い込まれる事態があった現状を報告させていただいた。
7時に始まった集会だが、怒りに声を震わせながら、あるいは涙ながらの発言が次々と9時近くまで続いた。
「私達は人間である。誰もが尊い価値ある人間。そしてだれひとり同じ人はいない。他者の痛みを想像する力を持っている。武山病院の仲間たちの歴史と痛みを想像しよう」と淡々と語った。