加賀乙彦さん(作家)推薦
しゃべれない。手足も動かない。そんな重度の障がい者にして、古都・鎌倉の市議会議員。選挙にでた経緯から議会との対決までをユーモラスにつづります。大好評発売中!
じろじろ見てよ
(著者: 千 一 刊行:いそっぷ社)
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感動的なホームコンサートだった。
1週間前に鎌倉市内の音楽家、河井こずえさんから短いメールをいただいた。
「シャンソン歌手の方を呼んで自宅ライブをやります。主人に聴かせてあげたくて企画しました。いらっしゃいませんか」。
22日、扇ケ谷の河井さん宅で、プロのシャンソン歌手上田淳子さんの〝ホームコンサート〟が開かれ、坂の上のご自宅を訪ねた。
ご主人正彦さん(84)は、沖電気工業の技術者、さらに沖データの社長として情報通信技術一筋に尽くしてこられた。
世界中を飛び回る忙しさのさ中63歳の時、正彦さんは脳溢血に見舞われる。右半身が不随に。
企業戦士から離れた正彦さんは、それでも杖を突きながら、第二の人生は大好きな CountryMusicと共に歩み始めた。
こずえさんらと共にk&kセブンスターズを結成。ボーカルを務めJazz in鎌倉のステージにも立った。
「評判がよかったんです」(こずえさん)。
しかし、そんな正彦さんに再び病が襲う。心筋梗塞だ。
さらに昨夏には脳梗塞が追い討ちをかける。
三たびの命の危機に、医師は半ば諦めがかけていたという。
生死を彷徨う幾度の病を乗り越えてきた正彦さん。
今は自宅で訪問診療を受け、ヘルパーさんの助けを借りながらこずえさんが看護にあたる。
「どこまでどうなるかはわかりませんができるだけのことは、やろうと思っています」(こずえさん)。
圧巻のホームライブだった。
上田淳子さんはプロのシャンソン歌手でパリ祭の常連出演者。
正彦さんを「パパ」と慕う上田さんは、「パパは私のライブにも来てくれたし、私もパパのライブに何度も行ったんです。今日は癒されるような時間をお届けしたい」。
「鐘よ鳴れ」「サン・トワ・マミー」「チキチキバンバン」などを熱唱した。
目の前ので聴くシャンソンは大迫力。
車いす姿の正彦さんはじっくり聴き入った。
ライブにもが進むにつれノッてきた正彦さんは、得意だったハーモニカのソロを披露した。
素晴らしいカントリー・ロードだった。
鎌倉の街は耳を澄ませばピアノやバイオリンの音が聴こえてくるように文化、芸術が息づいている。
週末にはどこかで小さなの音楽会や展示会が開かれているような街だ。
文化芸術は人それぞれの苦しみや生活と共にある。
いつも明るく元気なこずえさんのご自宅に伺って、文化芸術のその奥のずっと深いよさに触れたような気がした。
今回の取材にこずえさんは、どこまで明かすべきか、公表しようか悩まれたご様子があった。でも思いきって話して下さった。
書いた者の責任として私は、その重さも受け止めていかなければと思う。
【千 光】
1994年9月21日、スコットランドのエジンバラで開かれた第10回国際アルツハイマー病国際会議。
会議初日のこの日、 アルツハイマー病などへ理解を高め、世界の患者と家族への支援行動を求め毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」とすることを宣言した。
以来世界ではこの日に合わせパレードやフォーラムなどが行動がされている。
鎌倉ではかまくら認知症ネットワーク(稲田秀樹代表)が呼びかけ、当事者や家族、支援者が認知症のシンボルカラーのオレンジにライトアップされた大船観音前に集まって交流した。
参加した城廻(しろめぐり)に脳神経外科を開業した女性医師は「うちに診察に来て初めて福祉に繋がった患者さんがいた。生まれ故郷の鎌倉のために何かしていきたい」と語った。
参加者はオレンジにライトアップされた観音様を背景に、「なんとかなる!」と声を合わせながら記念写真に収まった。
その後、当事者の方も一緒にルミネの居酒屋で大きなジョッキを傾け、懇親を深めた。
21日は全国で取り組みがされ、横浜ではマリンタワーやランドマークタワーがオレンジにライトアップされた。
【千光記者】
https://www.townnews.co.jp/0101/2024/09/21/752235.html