ユア・ソング〜君の歌は僕の歌〜65 | GIN@V6〜since20xx〜

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You've got the best choice!!

こちらもだいぶ間があいてしまいました笑い泣き

 

 

前のお話 → おヒロシ挙動不審になるの巻

 

なぜキョドっているかは

もう2つ前のお話→寝起きドッキリおヒロシの巻


 

 

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あれ?誰もいない…帰っちゃったのかな

 

 

ポケットからスマホを出して着信を確かめる

 

 

電話も来てない

 

 

 

通りまで出て辺りを見回したけど、それらしい姿は見当たらなかった

 

 

 

やっぱり、帰ったのか

 

兄貴が直接ここに来るなんて、よっぽど大事な用だと思ったんだけど

 

まあいいや。後で電話してみよう

 

 

 

マンションに戻ろうとして、階段の上にふと目を止めた

 

 

オレンジ色の物が落ちてる

 

 

 

…鍵?かな

 

 

拾い上げたオレンジ色の革のストラップには

 

車の物らしい鍵が付いてた

 

 

 

 

あれ?これって

俺がキッチンカーにつけてたヤツ…

 

傷の跡とか確かに見覚えがある

でも、鍵が…違う

 

なんでこれがここに?

 

 

 

もう一度階段を降りて辺りを見渡した

けど、やっぱり兄貴の姿は無い

 

 

どういうことなんだろう

 

試しに鍵のリモコンのスイッチを押してみる

 

 

 

ピピッ

 

 

すぐ近くで音がして

 

 

道端に止まってたオレンジ色の軽ワゴンの

テールランプが二度点滅した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

口塞がれて、二人組の男に腕を掴まれた



っ痛ってぇ…


つぶらな瞳、飛び出しちゃったら

どう落とし前つけてくれんだよ

 



引き摺り連れ込まれた駐車場

 

後部座席に乗せられてドアが閉まった



バリバリのスモーク貼った見知らぬ車


これじゃ外からは何も見えねぇ

 



助手席から、いかにもヤの付く業界人が、振り返って中指でグラサンをスッと下げた




「お前な…マンションの前でウロチョロしてんじゃねぇっ」




あ?



「ちょっとちょっとぉ、代表!可愛い舎弟に酷くね?」


 

どうせ来るんなら、始めっから自分でくりゃいいのに



それと、そこの新入り!力強過ぎ

加減をしろよ加減を

 

で?この車…お前の?

若いくせに随分渋い車乗ってんな


でも、ハコスカにこのスモークは…どうだろ

 




「あんまり遅いから、ちょっと様子見に来てみたら…誰かに見られたらどーすんだ。縁切った意味ねぇだろーが!」

 


えー…んな事いったってさぁ


 

「別に…俺、一般市民に見えるっしょ?」

 

 

「知ってる奴に見られたらバレちゃうだろ。ちょっとは変装しろよ」

 

 



あー…もしかして代表…それ、変装してんの?

だからグラサン?


アハハ、逆効果だから、それ

業界感、2割増しちゃってるから


 

だいたいなに?その柄シャツ


普段は、フツーにスーツ着てるから、ちょっと強面なサラリーマンに見えなくも無いのに

 

どっから見ても、まんま、そっちの人っすよ

坊ちゃんにダサッて一蹴されそう

 

 



「健のやつ、まだ来ないのか。連絡ついてんだろ?」

 


「連絡?あれ?代表、電話してくれてんじゃないの?」


 

「いや、してねぇよ」


 

マジかよ…


俺、朝から何してたワケ?




 

 

あ…マンションから誰か出て来た


 

っ坊ちゃーん!

 

なんだ、ちょーど良いじゃん




助手席の窓枠に頬杖ついて顔隠してる代表の肩を叩いた


 

「代表。せっかくだからさ、自分で行って渡せば?」


 

ついでにその恰好、ダメだし食らって来て

俺からは言えねぇ



 

「…いい。お前行って」


 

なに照れちゃってんの

ここまで来といて



んー…でも、まぁ、いいか

俺も坊ちゃんにハグしたいし


 

「ん?あれ?そういや俺、鍵…どこやったっけ」


 

確か、直ぐ渡せるように手に持って…

あれ?

 

 

「は?何やってんだよ。早くしろよ」

 

「おっかしいな…もしかして、落っことした?」


 

多分、殴られた拍子にポロッて


って事は、階段の辺りか、もしかしたら車に来るまでの間…

 

 


 

「あ…車、開いた」

 

新入りがボソッと呟いた

 


 

見ると、坊ちゃんが止めてあった車に近づいて、中を覗き込んでる

 


「金と手紙は?」

 

「車の中っす」


 

手紙を上にして、助手席置いといたから

代表の字だってのは、多分…見りゃわかる

 

 


「行って来ましょうか?」




代表が頬杖外してシートベルトに手をかけた

体起こしながら、バックルに向かってそれを引っ張る





「いや…いい。帰るぞ」

 

 

…そう?


しょーがねーな…


 

説明してあげないと

果たし状だと思われちゃうかもしんねーから


後で坊ちゃんに電話でもしておくか