松戸政也騎手インタビュー その2 | 金沢競馬担当日記

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金沢競馬のレース実況を担当するアナウンサーが、金沢競馬に関するあれこれをつづります。

遅くなりましたが、あらためまして、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。



金沢競馬所属の松戸政也騎手に、昨年12月、自身の初重賞制覇(金沢プリンセスカップ)後、お話を聞くことができました。
重賞制覇について語ってもらった部分は、すでにアップしてありますので、残りの部分を公開します。

騎手になったいきさつや、普段、どういったことを考えて騎乗しているのか、少し長いので2回にわたってお送りします。


~以下、松戸騎手の話~



父が競馬好きで、中央の競馬をよく見てて、自然とボクも見るようになったんです。そのうち競馬場にもついて行くようになって、で、騎手っていいなって、カッコいいなって思って、カラダも小さいし、ちょうどいいなあと思って。

兄がいるんですけど、まず兄が、「オレは厩務員やる」って言って、「ならオレはそれ、お兄ちゃんが世話してる馬に乗るよ」、「それが目標だね」っていう話をしてたんです。それでボクが騎手を目指すことになって、兄は厩務員目指して牧場行ったんですけど、腰が悪くなっちゃって、今は競馬界とは違う仕事してます。

中学2年ころじゃないですかね、そういう話したのは。


(金沢を選んだのは)ツテなしです(注:松戸騎手は東京都出身)。
南関東に、受け入れてくれる調教師さんがいなかったんですよ。南関東は、始める前からツテとかで決まってないと、なかなか難しいって言われて。
決まってないのが3人いたんです、ボクらの(騎手学校の)同期で。
同期と一緒の競馬場にするのもイヤだったんで、あいてたのが、金沢と名古屋と笠松だったんですよ。ボクら3人の中に、愛知県出身のひとが名古屋に、もう一人のやつが笠松行きたいって言うんで、じゃ金沢で、って。



1年目とか、けっこう乗せてもらったんですけどね。1年目に十何勝して、2年目も20勝ちかく。
うまく乗れなくて、最初は、調教のときからよく怒られてました。自分に向いてないかな、と思ってヤメようかと思ったこともありましたし。

一回、実家に帰ったこともあるんです、1年目で一度ウチに帰ったんですよね。ヤメますっつって。帰ったけど、調教師さんがもうちょっとがんばってみろって言ってくれたんです。ボクもそういうことならもう一回やってみようかなと思って。
それがなかったらヤメちゃってたし。

騎手生活は、つらいこともありますけど、楽しいですね。馬が好きなんですよ、ボク。馬かわいいな、って。成績そんなにいいわけじゃないですけど、こうやって重賞も勝てたんで、よかったなと思います、騎手やってて。

$金沢競馬担当日記-松戸騎手

ボク、競馬では、できるだけ内側を通るように乗ってるんです。乗るとき、いつもですね(注:金沢競馬では、馬場の内より外のほうが絶対有利、と言われていた時期が長かった)。
やっぱ、上位人気馬とは力に差のある馬に乗ることも多いんで…。本命とか、「ここでは力抜けてる」とかいう馬なら、外まわっても勝てると思うんですが、人気薄だったりすると、力のある馬との差をうめるには、ボクは内をまわるのがいいかなと。距離ロスをうめれば、人気の馬、力のある馬に追いつけると思うんで。

最初は、外の方まわらないとダメだったんですよ。ボクはそのころ、わかってなかったんですけど、絶対外まわれっていう指示が多かったんで、そうだったんですけど…でも、そのうち、ボク、内のほうがいいんじゃないかなって思い始めたんですよね。5年目とかですかね。

ボクは自分で気づいたつもりです。
今はみんな、「ウチでもかわらないよね」っていう話、しますけど、その前から外と内で、そんなに違うかな?って思い始めて、そのときからとくに人気ない馬は内まわって、外まわそうというひとが多いんで、内だと詰まることもないんで、距離ロスなく進めるんじゃないかなあと思って。


~つづく~