中学生時代から続く頻尿(1時間に1~3度のペース)の整体治療 | 【大阪】 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院         JHSC整体治療室 = 整体コラム / 心のコラム

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中学生時代から続く頻尿(1時間に1~3度のペース)の整体治療

膀胱の"受け入れ弛緩"の失調が原因か?

患者Sさん=29才-女性-無職の症例

 

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受け入れ弛緩=膀胱に尿が溜まるにつれ、膀胱が緩んで拡大し、より多くの尿を溜める反射機能

 



①    Sさんの病歴・・
患者Sさんは、別件(
斜位/右眼の引きつれ・他)で来院されていましたが、中学生の頃から続く頻尿もありましたので、本件も併せて治療する事になりました。





②    Sさんの診察
・中学生の頃に心因性の頻尿との指摘を受けていて、この頻尿傾向は年々強くなり、短い時では1時間に1~3度のペースで小用にいかれるそうです(例:通勤時、自宅で小用をし、勤務地の最寄り駅で小用する、、、など)。尿量はそれほど多くないそうです。
・排尿痛は無いそうです。
・月経不順があり、周期は28日から90日だそうです。直近は大体45日周期だそうです。月経期間は7日くらいだそうです。経血量はやや多めだそうですが、塊は無いそうです。☛治療済「
生理痛と月経不順の整体治療
・生理痛は下腹部痛が主で、特に左下腹部が一番強く痛むそうです。
・婦人科医より、多嚢胞性卵巣症候群の指摘を受けているそうです。
・4年前から、特にきっかけも無く尾骨に痛みが生じるようになったそうです。ただ立位ではあまり痛む事は無く、座位で痛みが増強するそうです。また、月経時にも尾骨痛が増強するそうです。☛治療済み「
4年前から続く尾骨痛の整体治療
・高校二年生の時に尻もちをついたそうですが、Sさんはそれが原因だと思っているそうです。しかしレントゲン等で骨折などの異常は無かったそうです。
・血液検査で異常は無く、血圧も正常だそうです。
・Sさんの身長は162cmで、体重は54kgだそうです。
・食欲は普通で、排便はやや便秘気味だそうです。
・腹部聴診上、血管雑音は無く、グル音は普通日曜酒されました。
・腹部触診上、恥骨の上縁(深部)に著明に緊張と圧痛がありました。また、尾骨と坐骨直腸窩にも著明な緊張と圧痛がありました。



➂ 治療目標と整体治療
  ⑴    膀胱平滑筋(特に膀胱三角部)の緊張を解放し、受け入れ弛緩機能を回復する
  ⑵    膀胱神経叢の失調を回復する

・膀胱平滑筋解放テクニック
・膀胱神経叢解放テクニック





④    経過と結果・・・
・2診目来院時、「トイレに行く間隔が少し伸び、以前の7/10程度にまで良くなった気がします」と仰っていました。


・3診目来院時、「少し良かったのですが、先日からまた元に戻った気がします。切迫感もありました」と仰っていました。ちなみに3診目の9日前に月経が始まっていたそうです。


・6診目来院時、「(4診目、5診目と頻尿傾向でしたが)今週はかなりマシで、以前の6/10程度まで改善した気がします」と仰っていました。


・7診目来院時、「ずっと以前の3~4/10くらいで、頻尿は大分マシでしたが、数日前からまた頻尿が少し悪化した気がします。切迫感も少しだけありました」と仰っていました。ちなみに。ちなみに7診目の5日前に月経が始まっていたそうです。


・8診目来院時、「昼間の頻尿はかなりマシで、切迫感は一度も無く、普通に近い状態かもしれません。ただこの数日は、就寝後に尿意で目覚める事が増え、一晩に三回ほどトイレに行きます。その時の尿の量も比較的多いです。」と仰っていました。


・9診目来院時は、ほぼ頻尿は無かったそうですが、10診目来院時には、その10日前に月経の発来もあってか、少し頻尿傾向があったそうです。


・11診目来院時、前回(10診目)の治療後から頻尿はほぼ無く、数日前に月経の発来もありましたが、頻尿傾向も無かったので、今回の集中治療を終了する事にし、様子をみて頂くことにしました。




⑤     今回の症例の概説、、、
◆ 自律神経失調が関係するのか ?!

・Sさんは、中学生の頃に心因性の頻尿と指摘されています。また月経周期も28日から90日と、生理不順的な傾向を示しているので、Sさんの頻尿は心理的or自律神経的な問題が関係しているのでは、と思われました。ただ心理的問題については、当院へのSさんの依頼内容に無かったので、この問題については触れずに整体治療する必要がありました。


・そこで、心理的問題以外の頻尿原因として局所的な自律神経の失調と、膀胱壁を構成する平滑筋自体の問題を考えました。その根拠は、触診上「恥骨の上縁(深部)に著明に緊張と圧痛」があった事です。根拠としては、これ一点のみなので、少々心持とないのですが、取りあえずはこの所見を基にして、診ていく事にしました。




◆ 膀胱機能をコントロールする末梢の自律神経叢…
・ちなみに、緊張と圧痛があった「恥骨の上縁(深部)」は、平滑筋で構成された袋状の臓器=膀胱があります。そしてその左右両面には交感/副交感神経から成る膀胱神経節(叢)が密集し、膀胱の畜尿反射や排尿反射などのコントロールを、末梢で現場監督的に調整しています(☚以上は末梢神経系で、中枢神経系では、腰髄や脳幹に膀胱に関する中枢があります)。




・ですから、「恥骨の上縁(深部)に著明に緊張と圧痛」があるという事は、膀胱平滑筋の緊張(❶)や、あるいは膀胱神経節(叢)の失調(❷)などが生じている可能性を推測させます。

 

 

◆ 受け入れ弛緩…それは膀胱平滑筋に備わっている機能…
・❶の膀胱平滑筋の緊張について、もう少し説明すると、もし膀胱平滑筋が緊張していると、いわゆる「受け入れ弛緩」が柔軟に行われない可能性があります。ちなみにこの受け入れ弛緩とは、胃や胆嚢、子宮など、平滑筋で出来た袋状臓器に共通する生理反応です。簡単に言うと、袋状臓器内が空虚であるとその臓器は萎んでいますが、少しずつ内容量が増えていくと(内容量例:胃では食餌、胆嚢では胆汁、子宮では胎児、膀胱では尿etc)、平滑筋が少しずつ弛緩していき、その容積を広げていく反応を言います。




・この反応は、平滑筋自体に備わっている性質で、それを「張力緩和」と呼びます(張力緩和とは、平滑筋を他動的に引き延ばすと、その緊張が次第に緩み、伸びていく性質の事)。ですから、「恥骨の上縁(深部)に著明に緊張と圧痛」といった所見から推測して、もし膀胱平滑筋に緊張があるとすれば、膀胱平滑筋を引き延ばす張力緩和が柔軟に行われず、結果的に受け入れ弛緩も不十分で、膀胱に尿が入ってきても膀胱の容積が広がらなくなり、すぐに尿意が発生(☚頻尿)するかもしれません。

 

 

◆ 膀胱平滑筋の整体と、膀胱神経叢の整体の併用…
・ところで受け入れ弛緩は平滑筋の張力緩和だけで行われるのではありません。自律神経的な反射でも行われます(☚膀胱の場合は交感神経系が担当)。膀胱では末梢神経である膀胱神経節(叢)がそれを現場監督的に指令します(中枢神経的には、腰髄や脳幹の中枢が指令する)。


・従って「恥骨の上縁(深部)に著明に緊張と圧痛」があるという事は、膀胱神経節(叢)的にもその失調の可能性もあり、自律神経的にも膀胱の受け入れ弛緩が機能しにくくなっている可能性があります。


・以上の考察から、膀胱平滑筋の緊張を解き、筋肉的に受け入れ弛緩ができやすい様に、そして膀胱神経叢の失調を回復し、これも自律神経的な受け入れ弛緩が失調せず、スムーズに弛緩できるように、との目的で、
   ・膀胱平滑筋解放テクニック
   ・膀胱神経叢解放テクニック

を施術しました。



・その結果、2診目から徐々にですが回復傾向を示し、9診目には完治に近い状態でした。ただ7診目や10診目には若干のぶり返しがありました。これはその前に月経の発来があったので、膀胱やその神経叢もそれに刺激されていたからかもしれません。しかし11診目には頻尿はほぼ解消し、また月経の発来があっても頻尿傾向にならなかったので、上記整体治療によって膀胱平滑筋の緊張や、あるいは膀胱神経節(叢)の易刺激性も解放されたのでは、と思います。

 

 

 

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