「くま」と「くすみ」の整体治療
患者Hさん=49才-女性-主婦/会社員の症例
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① Hさんの病歴・・・
患者Hさんは緑内障の治療で来院されましたが、くまとくすみも酷く、緑内障と関連していると考えられるので、併せて整体治療する事になりました。
② Hさんの診察
・血液検査で特段の異常は無く、血圧は120/70mmHgだそうです。
・左眼に視野欠損がありますが、現段階でそれを認識する事は無いそうです。
・瞳孔は正中にあり、眼裂や瞳孔の左右差はありませんでした。眼球結膜は白色で眼球の運動に異常はありませんでした。
・眼球の触診上、両眼ともコツコツと硬く触れました。
・両方の上下眼瞼とも「くま」が酷く、青紫色に軽度腫脹していました。また、顔全体に「くすみ」があり、Hさん本人も、この事を気にしていたそうです。
・鼻閉・鼻汁はなく、唾液分泌とも正常だそうです。表情筋の左右差は無く、構音障害、嚥下障害、嗄声も無く、手指の巧緻運動障害もありませんでした。カーテンサインも正常でした。
・気道は正中にあり、甲状腺の腫脹・萎縮はありませんでした。頸部リンパ節腫脹も触診できませんでした。
・左右の頸部前面の筋肉群の著明な緊張と腫脹・圧痛がありました。また両頬骨弓下縁奥に著明な緊張性の腫脹と圧痛がありました。さらに前・後耳介筋や上耳介筋、後頭筋などの後耳介神経(☚顔面神経の枝)支配筋にも緊張があり、一部腫脹していました(特に右側)。
・歯ぎしりの癖があり、歯科医から「歯ぎしりですり減っている歯が何本かあります」との指摘を受けているそうです。また、仕事中などで集中している時、同僚から「変な顔をしている」との指摘を受けているそうです。
・胸部聴診上、心音や呼吸音に特段の所見はありませんでした。
・腹部聴診上、血管雑音はありませんでした。
➂ 治療目標と整体治療
⑴ 眼瞼周辺と頭顔面の静脈還流を解放する
⑵ 浅側頭動脈、顔面動脈、眼動脈の循環を促進する
・上眼静脈解放テクニック
・静脈還流促進テクニック
・翼突筋静脈叢解放テクニック
・浅側頭動脈、顔面動脈、眼動脈解放テクニック
④ 経過と結果・・・
・3診目来院時、「(両眼の)下眼瞼がかなり薄くなっています」と仰っていました。また、上眼瞼も少し薄くなっていました。
・その後も順調に進み、6診目には「まぶた(特に下眼瞼)が大分白くなってきています。顔色もつやが出てきてピンクぽくなってきているのが分かります」と仰っていました。また、ご主人から「最近、顔色が良くなってきたな」と言われたそうです。
・緑内障の集中治療が終わる8診目には、見違えるほど顔色が改善し、肌つやも出て、当初のくすみ・くまはほぼ完全に消失していました。
⑤ 今回の症例の概説、、、
・酸素を充分に含んだ血液が循環しないと、その部位は色あせていき(☚くすみ)、さらに悪化して二酸化炭素が増えると紫色に変色していきます(☚くま)。言い方を変えれば、眼瞼や頭顔面を流れる動静脈が阻害されると「くま」「くすみ」が悪化する、という事です。
・ですから、その眼瞼や頭顔面を流れる動静脈が阻害されている部位を見つけて、その阻害部位を取り除く整体手技を施術すれば、大概の「くま」「くすみ」は改善します(心肺系の問題がある場合は別)。
・その動静脈阻害部位はかなりマイナーな部位なのでほとんど注目されていず(☚頸部前面、頬骨深部など)、従って「くま」「くすみ」は放置され、あきらめている患者が意外に多いと感じます。今回のHさんは、その主訴が緑内障でしたが、「くま」「くすみ」もかなりひどく、緑内障との関連も考えられる事から一緒に治療する事になりました。と言うより、緑内障と「くま」「くすみ」の治療は一石二鳥であったと思います。つまり眼球周辺の血流改善の整体治療は眼瞼と顔面の血流改善にも直結していると言えるのです。
・なぜなら、眼瞼周囲を支配している動脈(☚内側眼瞼動脈、眼窩上動脈、滑車上動脈、頬骨眼窩動脈、外側眼瞼動脈など)と、視神経-網膜を支配する動脈(☚網膜中心動脈)は、同じ1本の眼動脈からの枝動脈だからです。ですから、両者の根っ子である眼動脈の血流を改善する整体手技は、両者の、つまり眼瞼と視神経-網膜への動脈血流の回復につながるからです。結果的に眼圧の改善と並行して「くま」「くすみ」も改善していった事で、それが分かると思います。
・ただ、Hさんが使用していた点眼薬(ラタノプロスト、チモロール マレイン酸塩)はメラニン産生細胞を刺激して虹彩や眼瞼の色素沈着を促進する副作用がある為、通常の「くま」の治療より難治性でありました。それにもかかわらず、かなりHさんの「くま」がきれいに解消したことは、本治療法の有効性を示唆する所見だと思います。
◆眼の下の「くま」と「左眼瞼下垂」「歯肉痛」の整体治療
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