1年前から続く咽喉頭異常感症(ヒステリー球?)と整体治療
3診目で解消していた症例の解説です。
患者Rさん=27才-女性-主婦の症例
① Rさんの病歴・・・
患者Rさんは、機能性胃腸症・他の整体治療で来院されていましたが、1年前から咽喉に吐き気の様な違和感・閉塞感・締め付けられ感が生じ、耳鼻科や心療内科・漢方治療をされていましたが、ほとんど改善しなかったので、これについても併せて整体治療する事になりました。
② Rさんの診察
【ヒステリー球の診察所見】
・Rさんは、当初は主訴である機能性胃腸症関連の咽喉の部位の吐き気と思っておられましたが、診察を進めていくにしたがって別個の原因と推察され、本症について個別に診ていくことにしました。
・耳鼻科や心療内科において、血液検査や胃カメラ・画像検査などで特段の異常は発見されず、心理的なものだと診断されているそうです。
・吐き気様の違和感の部位は頸部前面の喉頭隆起(のどぼとけ)から頸切痕にかけてで、性状は閉塞感・締め付けられるような感覚だそうです。それが常時あるそうです。ゲップや胸やけ・呑酸は無いそうです。
・気管は正中にあり、甲状腺の腫脹や嗄声・咳・痰は無く、嚥下障害も無いそうです。扁桃腺はやや肥大し、臭い玉(膿栓)が左右に二つずつあるそうです。
・耳鳴り・難聴は無く、構語も正常で、カーテンサインは陰性でした。
・聴診上、胸部と頸部の血管雑音は無く、心音も正常でした。呼吸音に雑音はありませんでしたが、左右の肺胞音が「ス-ス-ス」と途切れて聴取されました(特に左肺で著明)。摩擦音は聴取されませんでした。
・触診上、胸骨の左右縁(R1~R4)に著明な緊張と圧痛がありました。左胸部-R4,5肋骨肋軟骨連結部にも著明な緊張と圧痛がありました。
・1年前と半年前に二度、発熱に咳と大量の黄色い痰が10日ほど続いていたそうですが、特段の治療をすることなく二週間後には自然治癒していたそうです。
【機能性胃腸症の診察所見】
・直近の胃カメラ・血液検査でも異常は無かったそうです。血圧は正常範囲だそうです。
・中学時代より強度の生理痛と過多月経だったので、18才頃から現在に至るまでピルを服用されているそうです。
・2年前、右下腹部の激痛に襲われ、その際に異所性内膜症の診断を受けて手術されたそうです。
・吐き気の部位は心窩部(みぞおち)ですが、痛みは感じないそうです。
・食欲は普通で、便通は正常だそうです。しかし胃もたれ感・腹部膨満感が強く、少量の食事で満腹感が出るので、体重が5kgほど減って現在46kgだそうです(身長166cm/ベスト時の体重51kg)。
・立ちくらみがしばしばあるそうです。めまい、眼痛、中耳や鼻腔・口腔の特段の所見は無いそうです。
・左右の手足の冷えがあるそうです。パニック障害(?)になりかけると、手先(1~5指-掌面)はしびれ感がでるそうです。
・腹部聴診上、血管雑音はありませんでしたが、グル音は全領域で5秒に一度は聴取出来ました。
・腹部触診上、腹部全般に著明な膨隆があり、腹部全域で強くて高調な鼓音が聴取されました。心窩部にテニスボール大の著明な緊張と圧痛がありました。他に左季肋部にも著明な圧痛・緊張がありました。腫瘤感や抵抗感はありませんでした。
➂ 治療目標と整体治療・・・咽頭の自律神経失調を改善する
⑴ 上喉頭神経と下喉頭神経(反回神経)の絞扼を解消する
・上喉頭神経解放テクニック
・胸郭(下喉頭神経(反回神経))解放テクニック
④ 経過と結果・・・
・頸部上方の違和感は3診目で解消していました。
・頸部下方(頸切痕)の違和感は6診目で解消していました。
・その後2~3度、頸切痕部の違和感があったそうですが、いずれも1-2時間で自然に解消していたそうです。
・その後はRさんの主訴である「機能性胃腸症」の治療が終了する18診目まで、頸部の違和感はずっと生じなかったので、本件も治療終了することにしました。
⑤ 今回の症例の概説、、、
◆ 上・下喉頭神経の失調が原因か…
・Rさんのヒステリー球は2部位の合算(頸部前面の上方と下方)だと思われます。
・まず上方については声帯より上方の気管の知覚を支配する上喉頭神経の絞扼が関係していると考えられます。そして下方のヒステリー球につては、声帯より下方の気管の知覚を支配する下喉頭神経(反回神経)の絞扼が関係していると考えられます。
◆ 筋肉緊張と流注膿瘍が自律神経失調の原因か…
・おそらく上方については、迷走神経から分岐した上喉頭神経の走行経路中で耳管咽頭筋or茎突咽頭筋に絞扼されて違和感などが生じているのでは、と推測されます。同筋の緊張の原因については不明ですが、可能性としては呑気症的な機序で常時唾液の嚥下動作を繰り返して、同筋が緊張していることなどが考えられます。
・下方については1年前と半年前の上気道炎と思われる所見が関係していると思われます。Rさんが言うように、その時に大量の黄色い痰が出ていたとの事ですから、その際にその痰が頚筋膜を伝って下行し(流注膿瘍)、縦隔胸膜や肋骨胸膜、あるいは心膜と縦隔胸膜の癒着(?)を生じさせ、その時に右鎖骨下動脈付近と大動脈弓付近でも癒着(?)が生じ、それが下喉頭神経(反回神経)の刺激源になって声帯下部の違和感の原因になっているのでは、と思われます。
・従って、上および下喉頭神経(反回神経)を解放するテクニックを施術する事にし、結果的に上方・下方の違和感が早期に解消したことから、上記仮説で概ね妥当であったのでは、と考えます。
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