誤算 | とら婆 さび姐 新米なぎ

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永遠の21歳、ベテラン天使さま「とらこ」。
初めて一緒に暮らした元ベテラン野良「さび」が新米天使さまに…。

『とらこが大好き』
『とらこに恋してさびに恋して』
からリニューアルしました。
(2017/9)

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メモブログ
ブログは誰が読むかわからない。そして書き手の主観が大きい。
だから、一度は削除したが、やっぱり嫌だ。

飼い主の目の前で、体重がとらこの3倍以上もある、
同じ家で飼われている小型犬に襲われたこと。

「とらこも頑張ったよね」という言葉でなかったことにされている。
自分以外に誰もあの時のとらこを見ていない。

「わたしがいれば大丈夫」という飼い主の言葉をずっと信じていなかった。
この二匹は一緒にいることはできないと、自分も夫も何度も言ってきた。
なのに、止めることができなかった。もっと強く言っていればよかった。

自分の膝の上で寝ていたとらこが、むくっと起きて歩き始めた。
飼い主と犬たちがいる部屋を横切り、キッチンに行くつもりだったのだろう。

振り向くと、小型犬がとらこに馬乗りになり四肢でとらこを押さえつけている。

自分が引き剥がしとらこを抱いた。
ゆらゆら抱っこをしても、息をかけても撫でてもさすっても動かない身体と瞳。
出血が止まらない。もうだめかと思った。

出血は翌日の午後まで続いていた。
その日から金曜の晩まで、自分は都内に戻る予定だった。
自分がいなくて大丈夫なのか、みれないのなら晩また戻ると言ったが、大丈夫と言った。

翌日の午後、またとらこに、最後にとらこに会いに行き、
自分が帰り、日付が変わって間もなくとらこは力尽きた。



最初の放射線治療からカリウム注射( ※【追記】あり )まで、
暗にではあるが、自分が思う「とらこに一番いいように」を貫いてきた。
「しない」選択、ターミナルケアを選択し、できるだけゆるやかに穏やかに、そのために出来ることはしてきた。


たった一つの誤算


「その時」が本当にとらこの寿命だったとしても、あの出来事はあってほしくなかった。

金曜、息絶えたとらこと対面し、いつものように胸に乗せ一緒に寝た。
中型犬は自分ととらこの横にずっと寄り添っていてくれていた。
臆病だが、本当に優しい子だ。

犬にも個性がある。
小型犬が悪い奴なのか?
そうではないと思う。悪いのは犬ではないと思う。



【2013/4/12 一部削除】

【2013/4/16 追記】
「カリウム注射」を検索すると『安楽死』という言葉が出てくる。
濃度や投与する速度によっては命を奪うものになるようだが、
とらこの場合はおそらく『電解質補給』、脱水状態を一時的に回復させる目的で、先生は言われたのだと思う。