145.退屈な公務 ~こんな公務 今までは退屈で堪らなかったが お前が居ると退屈しないな | かおり流 もうひとつの「宮」

かおり流 もうひとつの「宮」

「チュ・ジフン&イ・ジュンギな毎日」のまほうの手・かおりが
こっそり書き溜めた「宮」の二次小説を今更公開(四十の誕生日2013/08/18にOPENしました)
「宮」~Love in palace~のYouTube自動再生を止めたい方は
画面右側サイドバーに貼っています 停止して下さい

初めての方は是非 はじめまして から順にお読みください リンクを貼ってます
前のお話→144.溝 ~そんなに信じられないのか?
このお話は 142.国婚式Ⅰ ~と…チョルスが言いました…と…さ… に次ぐシン目線ですl
だけど その前に コチラを未読の方は 間にこのお話が入ります

 

 


2006 AFC女子アジアカップへの壮行式 チェギョンの初めての公務らしい公務だった
初夏の汗ばむ日曜日 品の良い淡い緑のワンピースを着せられたアイツは 俺の隣で大人しく背筋を伸ばして座っていた
それにしても 全国サッカー協会会長の話の長い事…壮行式なんだぞ?もういいんじゃないか?
うっかりあくびが出そうになるほど退屈なセレモニー
やり過ごす為に 耳に忍ばせていたワイヤレスイヤホンをチェギョンに見付かった
信じられない物を見るような目で咎めるから 「ウェ?」と睨みを効かせた目で黙らせる
「退屈な公務ばかり やってられるかよ たまにはこうやって逃避するもんなんだ」
片方差し出してやったのに まだ怪訝な顔を崩さない
クソ…俺だけ悪者にする気か?
「コイツ!共犯にしてやるっ」
ふふん 耳に差し込んでやったら 焦ってやがる(笑)
あ~あ…早く終われよ…
やっと協会会長の訓示が終わり…式典も終わりこれから試合が…
へ?なんだよ…どうしたんだ?
俺の隣に座っているシン・チェギョンが ふるふる震えている
「なんだよ?どうしたんだ?トイレか?」
さっき突っ込んだワイヤレスイヤホンを抜き取って耳元で囁けば 慌てた様子でバサッと大きな衣擦れの音を立てて口元を覆う
「あ あほなこと言わないでよ…違うわよ!」
じゃあなんだ?変な奴…
抜き取ったイヤホンをもう一度突っ込んで もう一度黙ってろと合図を送る俺に わかってるわよ!とばかりに 顔をしかめて口を尖らせるチェギョン
ふん…
こんな公務 今までは退屈で堪らなかったが お前が居ると退屈しないな…
選抜チームと 選考に漏れた女子リーグ選手の試合は ファンサービスに過ぎず 結果は解りきっていた

「さっきのはなんだったんだ?」
「なんでもないってばさ もう しつこいなぁ…」
ふいとそっぽを向く 髪を結い上げたチェギョンの白い項が ほんのり上気しているのに 俺は目を奪われる…


国婚式から四日後の6月14日 俺達は午前中で切り上げて観覧した高校生の英語弁論大会帰りに 記者に取り囲まれた
いったい何の騒ぎかと思ったら
「皇太子殿下 今日は何の日かご存知ですか?」っていうから
焦ったんだ 何の日だか 全く記憶になくて…
だけど素知らぬ顔で「さあ…何の日でしょう…」と返す俺に
키스데이를 아시지 않습니까?」と 投げかけられて 耳を疑った

キスデイを ご存じでは ありませんか? そう言ったか?
隣に居たチェギョンがパッと顔を紅くする
「ああ えっと それは… 知っていますが…」
「失礼ですがお二人は今日 もうキスをなさいましたか?」
「え そりゃあ まあ… な?」
俺はチェギョンに同意を求める
いや…正直してない してないけど…新婚なんだ…したって事にしとかなきゃ だろう?
「えっ!?ええ…は はい…」

「キスデイなので 韓国一有名な新婚カップルのキスシーンを一枚頂けないでしょうか?」
!?
なんてハレンチな… 俺達は高校生なんだぞ?
おまえら知ってるのか?ここは高校生弁論大会の会場なんだぞ!?
めちゃくちゃ焦ってる事を悟られないように顔を保っては居たが…ハッキリ言ってピンチだ
チェギョンは俯いているし… 耳まで紅い…
「今?ここでですか?」
目を輝かせカメラを構える報道陣の数
そうか…確かに 結婚して初めて公共の場に夫婦同伴だ…
校門の外で待ち構えても 俺達は既に車の中だし…
イギサを挟んではいるが…こんなに近付けたのは初めてだもんな…
なんなりとアクションせずには立ち去れない雰囲気に 俺はやむを得ず チェギョンに耳打ちする
「悪いな…」
そしてチェギョンの頬に触れて俺の方を向かせ 頬にキスを落とした 5・4・3・2・1
たくさんのフラッシュを浴び 唇を放した俺は 一層紅潮するチェギョンを見つめてから そっと抱きしめ 胸の中で詫びる お前をこんな風にさらし者にして… ごめんな


チェギョンはつまらない試合にいちいち「行け~」とか「あ~惜しい」とか声援を入れていたが 俺は試合なんか目に入らなかった
チェギョン… シン・チェギョン… 俺の妃…
国婚式の前夜は ひとりで泣いていたが あれから今日までの三週間 俺の知る限りでは泣いている様子は無かった…
成人して俺が何かを決められる権利を得た時 お前がまだメソメソするんなら もう死にそうだと訴えろ その時は俺も流石に諦めて 離婚でもなんでもしてやる
だがそれまでは… 俺の隣に黙って寄り添ってろ…

 

 

 

 

いつも ありがとうございます

 

 

 

 


にほんブログ村 ←or↑ポチ ちゃるぷったっかむにだ好
くりご ↓ペタ ちゃるぷったっけよろしくです


次のお話は4/23→146.孝経 ~皇后陛下より上の皇太后陛下に命を受けてきたのです