最近、ふらりと寄ったところに並んでいたのでつい買ってしまった。

私には読まねばならない本がごまんとあるのに…

しかも、この時に寄った目的は本ではない。撮影用の背景紙である。まぁ、急いでないからまだいいか…と思いながらほくほくした気持ちで新刊をいそいそと抱えてスタバに寄ったのは言うまでもない。

 

 

さて、このタイトルである。

ネタバレするので、読んでいない人、ネタバレは嫌な人はここから先は読まないでください。

 

 

この話は、ある老人…と言っては失礼か、定年退職をした男性を中心に話が進んでいく。

弁護士を殺したのだが、その発端は30年前(つまり時効を迎えている)に殺人事件を起こしており、これは冤罪によって別の人が捕まった挙句自死していることによる。

今回の弁護士殺しについては早々に幕引きとなり、敏腕刑事は手柄を上げたのであった…

 

 

 

という簡単な話で終わるわけがないのである。

 

そして、タイトルのように12ハウスに守られた少年が出てくる。

結果的に、この少年は罪を白状するので、5ハウス的なところに落ち着くのだが。

 

 

 

12ハウスは守られている部屋です、と講座の時にもしょっちゅう言っている。

そして同じように東野圭吾氏の作品で「クスノキの番人」というのがあって、これも12ハウスを理解したい時には読むように、とこのブログで紹介した。

 

 

 

 

ただ今回は、12ハウスの象意が違う。

クスノキの番人の時には、スピリチュアル的要素や認知症の部分について12ハウス的だと説明をしたと思うのだが、そうではない。

あくまでも「秘匿」の、12ハウスのダークな部分を示している。

どのハウスにもダークな部分はある。例えば5ハウスなら、「人の気持ちを考えない」という点がダークな部分と言える。そういうことを考えていたら5ハウスではいられないのだ。とにかく自分の主張をする。これは、行き過ぎると犯罪にもなる。この話でもそういう部分が出てくる。

 

 

そして、1ハウスから出発したことを12ハウスで回収するところもまた、この話における12ハウス的な要素と言える。

30年前の因縁が、ここへきて回収されたのだ。そして弁護士は殺された。しかし殺されてもなお、まだ守るべきものを守ろうとして、そして冒頭に出てきた定年退職をした男性がそれを引き継いで12ハウスをさらに上からかぶせるのだ。誰のせいにもしない、とにかく自分が全て悪いのだ、ということにする。

 

これを暴こうとするのが、彼らの子供たちである。この子供たちは存分に「5ハウス」であろうとする。子供という象意、暴くという象意、両方とも5ハウスの管轄である。

 

 

 

秘密の保持というのは難しい。しかもそれなりの理由をつけるために虚偽を混ぜるならなおさらだ。

詐欺師は10%だか20%だかの真実を嘘の中に混ぜ込むというが、肉親をだませるほどのものではないだろう。そこには、12ハウス的「勘」が働くからである。この作品の中にも詐欺まがいのことが出てきて事件の発端になる。そしてこの主軸となる事件も、子供たちがどちらからの立場でも「おかしい」と言うのである。この「おかしい」に根拠はない。ただの勘である。しかし時としてこうした、理論ではない勘の方が正しいということは、人間なら誰しも経験したことがあるのではないだろうか。12ハウスは「正しい」ハウスではない。必ず間違っているわけではないが、正しさを求めるハウスではない。だが、5ハウスにいくためには6ハウス的調整をしなければならない。これが嘘になってしまう。本来は隠しておきたいのに、それを表に見せるのだから絶対に無理な調整をしているはずなのだ。昨今の裏金問題にしてもそうだろう。嘘が嘘を呼んで嘘に嘘を重ねる…こうしたことは日常茶飯事ではないだろうか。だからふつうは嘘をつかない。めんどくさいからである。6ハウスというのはめんどくさくて生産性のないことの繰り返しであり、話が少しずれるが先日Xでも賛否両論巻き起こした「食事は排泄物を作る作業」というものに似ているかもしれない。生活をすることはすなわちめんどくさくて効率が悪くてコスパもタイパも悪いことの繰り返しである。

それが、嘘をついているのならなおさらではないか。どこから嘘がほころびるかを考えながら生活をしなければならない。

途中、定年退職をした男性の息子が、生活のめんどくささを痛感する場面が出てくる。いかに静かに生活をするかを考える時、顔を隠し、SNSを見ないようにし、目元を隠し、自分の姿が人の印象に残らないようにしなければならない。この生活もまた、12ハウス的ではないか。しかも、人に要らぬことを言ってはならない。不意にやってくる訪問者に対しても、「さぁ…?」と言葉を濁さねばならないのだ。そうして12ハウスを守らねばならない。それができなかったので、彼は雑誌に自分の言葉を歪曲した形で書かれてしまった。5ハウスである。

 

 

人の心というのは分からない。

自分が誰かに殺されそうになった時、そして実際に攻撃を受けた時。

相手の立場を慮ってあくまでも自分はその相手ではない誰かに殺されたのだ、というフリができるかどうか。

そんなことをするような人物がいるかもしれないという推測を怠ったために、警察は誤認逮捕をしてしまった。こうしたことは現実にも起こりうる。そして、殺した本人はよもや自分が殺した相手から守られているなどとは思いもするまい。しかし12ハウス部分だから、別にそれでいいのである。自分が殺したとか、そんな相手に守られたとか、そういうことを考えずにこれからの人生を歩んでいってほしい、と考える人がいるなど、知らない方が楽だろう。

しかもそのバトンを引き継いだ人がいるなどと、知らない方が良いのだ。こんなにも守られるべき存在である、つまりそれは自分がいかに弱い存在として世間に___少なくともこの人たちに認識されているかということであるから、知らない方が良いのだ。本人のプライドを傷つけることになりかねない。

守られるぐらいだから弱い。立場的にも弱いが心も弱い。そうでなければ、こんな短絡的なことは考えないのだ。もちろん、それまでの積み重ねやある一定の想像力があったからこそ殺人を思いついた側面はあるが、その想像力は全ての人に対するものではない。人間の心や想像力というのは所詮その程度で、だから正義と悪が存在するのだ。

 

 

コウモリはどうしても悪役にされやすい。動物好きの私からしたら何を言ってるんだと、あんなに可愛い顔をしているのにと唾を飛ばしながらでも力説したいところではあるのだが、パブリックイメージとしてはそんなもんである。だが、コウモリにはコウモリの生活があり、コウモリにはコウモリの存在意義がある。昨今、コロナウイルスの発端となったような報道をされたせいでますますコウモリに悪いイメージがついているような気がしないでもないが、そもそもそんなものを近くに置くから悪いのである。コウモリが好き好んでウイルスをまき散らしにこちらに来たのではない。飛躍するようだが、そういう想像力が働かないから、殺人は起きるのではないか。鳥インフルなんかでもそうだが、本人たちに罪はないのに平気で「駆除」などと言って大量殺戮を行うではないか。対象が人か鳥かの違いであって、やっている本質は同じである。

 

誰かにとっての悪人でも、誰かにとってはかけがえのない人である。イデオロギーと人格は別なのに、これをごっちゃにしようとする。このごっちゃの部分こそ、6ハウスを活用すべきではないか。すなわち、分析と分類である。しかし、6ハウスの話になると講座でもテンションが下がるのがありありと分かるように、大体の人は6ハウスをあまり積極的にやろうとしない。

こうした分析や分類の弱さは、結局この作品のような事態を招くのではないか。つまり、取り返しのつかないことになる可能性や、もう少し手前で止められたことをやり過ぎてしまったり、人との軋轢になる可能性があるということだ。

言葉を額面通りに受け取るというわけにもいかないが、そういう時大抵は「あの人はそういう言い方をする人だ」という今までの経験(=6ハウス)が役に立つ。しかし自分が弱っているとき、つまり12ハウスが弱くなっているときには軸となる6ハウスも弱くなるから、「例外かもしれない」などとなぜか自分に不利な憶測をしてしまうものだ。勘違いが変なスパイラルを生じさせ、結果として本人の、また相手も望んでいない方向に向かってしまうことはよくある。

 

12ハウスを通して、いかに6ハウスが脆弱なのかを反省させられる作品でもある。

 

 

 

 

 

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