映画化されているのを全然知らなかったのですが、朝井リョウ氏の本も割とよく映像化されますよね。
そんなに複雑な話ではないので(つくりは複雑ですが)映像化しやすいのかもしれません。
風景としてはありふれているというか。
さて、本を読んでいない人は今すぐAmazonなどでポチっとしてもらうとして
(※アフィではないのでご安心を)
その内容から、9ハウスを考えてみましょう。
9ハウスとは自分が知らない世界へ飛び込むこと、と講座ではよく話す。
3ハウスの対極にあるので、3ハウスが「誰でも分かること」なら、9ハウスは積極的に知ろうとしなければ分からないことである。
それは異文化や外国語などにの象意にも示される。どんなことであっても、本人が知らないことで積極的にその世界に没入(8ハウス)できるのならそれは9ハウスであり、これが8ハウスと9ハウスの関連であろう。
この本は「正しい欲」と書いて「せいよく」なわけだが、本来の字として正しい性欲を通して、9ハウスのことを考えることができる。性欲自体はもちろん8ハウスの管轄である。これは、相手と自分だけの世界の中で自分を壊し、相手に委ね、また相手を受け入れる行為でさらに言えば遺伝子を残す行為のスタート地点にあるからである。8ハウスの結果(10ハウス目)に5ハウスが来るのはそういう理由であろう。たまたまかもしれないがたまたまにしては出来すぎである。
この小説のテーマは「つながる」ことである。繋がるというのはもちろん肉体的なつながりも示すだろう。それはセックスの描写で描かれるようなことで、目に見えるつながりである。しかし肉体的なつながりを持っていても心がつながっていない場合もあれば、逆に肉体的なつながりは何もないのに、心理的に深いところでつながるケースもある。この小説のメインは後者であって、そのつながりを構築するための作業がつぶさに描かれている。
後半、八重子と大也の意見の口論の場面が出てくるが、明らかにお互いに、相手を傷つけようという意図が見える。ある意味これも、8ハウス的なのではないか。8ハウスの象意には「融解」があるが、すでに出来上がっている本人の外殻を壊す作業として考えれば、それは自然なことである。卵子の細胞膜を突き破って精子が融合する。これこそが8ハウスの象徴でもあると言える。遺産とか何とかというのはその社会的代替行為と言っても良いのかもしれない。
点と点がつながって線になり、それを重ねると十字になり、それを増やしていくと網になる____
そういう趣旨の描写もあるが、これは7ハウスから9ハウスまでの流れではなかろうか。相手をまず知るところから始まり、相手と融合し、それを増やしていく。
増やすというのは不倫などの類の話ではなく、純粋にそのネットワークをつないでいく、ということである。
話の中では「水フェチ」という題材を軸にその当事者とそこに関わろうとする者、関わろうとしていなくてもその淵にいて恩恵を知らず知らずのうちに受けている者、気持ち悪いと断罪する者、正義を振りかざす者などが出てくるが、それもこれもみんな、繋がっている以上はネットワークなのである。だが、そこに「気持ち悪い」と知ろうとしない者と「どうせ理解してもらえない」とあきらめてつながりから消えようとする者がいる。しかしどうしたってどこかに、知らないうちにセットされている網に引っかかって繋がってしまうのである。自己開示をしなくともつながることはできるし、理解されていなくても便宜上のつながりはできてしまう。だが、当事者たちはそれを嫌がる。理解されないとつながりたくないし、そもそも理解されないのだからつながることに何の意味があるのか、と考えるのだ。
多様性がどうのこうの、と取り沙汰される機会が増えたことによって、こうして絶望の淵に立たされている人もいるのかもしれない。そしてそれを知らないがために、知らないうちに誰かを傷つけているのかもしれない。
私は正直言うと、性癖などというものは(性的マイノリティという人たちも含めて)好みの問題であって生命の繁殖には関係のない話だから、生物としてどちらなのか?という分類は必要だが、取り立てて「私は”L”です」「”Q”です」などと申告する必要があるだろうか?と思っている。あくまでも個人的な考えである。鑑定においでになる方の中にはこうした性的マイノリティと言われる人もいるが、そんなことにとらわれているのではなく、普通に「今後の金運は?」「恋愛運は?」と聞かれるだけで、私が平井堅を好きだ、と言っているのとあまり変わらないのではないかと思う。異性愛者といえども、別に異性なら誰でも良いというわけではないのだから、その好みの幅がどこに設定されているのか?というだけで、何事にも中央値というのはあるから、それから外れる人は少ないにせよいて当然である。
話は変わるが、たいてい、「平井堅が好きで」というと半笑いで「じゃあ阿部寛も?」と言われる。全然違うし阿部寛はテルマエロマエの中でだけイケメンなのであって結婚できない男の中ではただの濃いめな癖も濃いヤバい男なだけだし平井堅を好きでなぜ半笑いになられなければならないのか分からないし、その後大体言われるのは「でも平井堅ってゲイなんでしょ」という言葉なのだがそもそも私は平井堅と出会えるような人生では今のところないうえに恋愛対象として見ているのではないから別にゲイであろうとも構わない。ただ顔が好きでトークがおもろいから好きなだけである。ついでに言うと歌も割とどうでもいい。
平井堅が好き=阿部寛が好きという図式が全然理解できないが、多分世間的には同じカテゴリなのだろう。
昔「月曜から夜ふかし」の中でマツコ・デラックスが「一言でオネエったっていろいろいるのよ。女装したい人もいれば体を女にしたい人もいるし、見た目はイカついのもいるんだから」と言っていてなるほどと思った。だから結局好みなんだな、という結論に至ったのである。
しかしこうした好みを、不特定多数の人に開示する必要はあるだろうか?
確かに9ハウスは開示することで、広げていくことで、みんなに知ってもらうという啓蒙的な一面もある。
だがそれは、木星のような全面的に支持してくれることが分かっている場面でだけで良いのであって、10ハウスではないのだから開示する必要はないのでは、と思う。
そしてこの10ハウスはつまり、社会上で開示できた者同士がつなぐネットワークであり、だから「ある程度閉ざされてはいるが安全な場所」と講座で説明するのである。
10ハウスとの対極にある4ハウスは排他的な蟹座の居所であり、排他的というとイメージが悪いが安全を守ろうとするので仕方がない。そうして自分や家族を守らねばならないのだ。誰を排他的に扱うかというと「よく分からん奴」である。よく分からんというのは3ハウスでは理解ができないものは全てにおいて当てはまるので、自分の常識の中にないものは全て排除対象となる。
それがいろいろと経験していくうちに「いろんな人がいるもんだな」ということが分かっていくのだが、しかしそれでも社会のシステムは公共の福祉の精神で成り立っているから結局はマジョリティの声にかき消される人たちが出てしまう。
それは嫌だよね、ということで別でネットワークを構築しようとするのが11ハウスである。11ハウスと言えば最近話題の水瓶座が居所なわけだが、そもそも水瓶座もある意味では排他的なところがあって、同じステージ、同じグループ、同じ何か、共通項がない人のことは見えていない。排除しようとはしないが見えていないので、同じ土俵にいない人たちのことは考えない。しかしそれで良いのである。本当の意味での社会的ネットワークは10ハウスで構築されているから、11ハウスはもうちょっと自由に、ラフにやりましょうよということなので、11ハウスでまで気に入らない人や理解できない人や「類友」になれない人に優しくする必要はないんである。
自分だけ不幸な恰好で閉ざすな、という趣旨のことを八重子は言う。これも9ハウスと10ハウスの対比のようである。明らかに閉ざして安全なのは土星圏内ではあるが、そもそもその安全圏内に入るためには一度開示しなければならない。会社の面接でもそうだろう。何をどう判断されるか分からないのに、「前職をどうして辞めたんですか?」などと聞いてくる。もしかしたらものすごいパワハラにあった、ものすごいセクハラにあった、もはやいじめである…というような事情もあるかもしれない。しかし大体の面接のハウツー本には「退職理由についてネガティブなことを言うのはやめましょう」と書いてある。一体どうしろというのだ。そう思った人もいるに違いない。しかし、次に入ろうと思った会社は必ずと言っていいほど聞いてくる。
「前職をどうして辞めたんですか?」
ここでどのような開示をするかで、10ハウス、つまり次の会社に入れるかどうかが決まる。山羊座的システムは絶対に誰のことも取りこぼさない、しかしどのポジションになるのかは選べない。それを嫌がるのなら自分でシステムを構築して11ハウス的生き方をするしかないが、10ハウスを知らないのに11ハウスへいきなり行くのは無謀というものである。
目に見える場所だけが10ハウスではない。暗証番号を入れなければならないところは10ハウスと言って差し支えない。どこにも属さないというのはおよそ無理であろう。どこかの国に住んでいる以上はその国の国民として国に属しているし、その中でも地域があるのだからその住民として属していることになる。どうやったって、何かしらのネットワークは必要になる。その前提での10ハウスである。
9ハウスを「勉強」「高等教育」とだけ思っていると、生活にあまりなじみがない人もいるから(特に大人になると)イマイチ理解ができないかもしれないが、それは表層上の話であって、本来は「知らないことを知る」ことでもあるし、もっと言えば「自分に知らないこと、理解が及ばないことがあるということを知っておく」ということかもしれない。自分の殻の中に入っているだけでは一向に4ハウスから抜け出せないのであり、5ハウス的自己実現、自己表現がしたいというのであればそのエッセンスとしての9ハウスを理解しなければならない。
「つながり」と言うだけではなんとなく7ハウスや8ハウスと同じような印象を受けるかもしれないが全然違う。7ハウスは契約なので一層表層的、事務的だし、8ハウスはあくまでも個人的な、この小説で言うのなら点と点を結んで線になっただけである。9ハウスは網目を作ることが目的で、それはいわば、家系的なこともあるかもしれない。つい最近、除籍謄本を取り寄せてみたらどえらい人数で辟易したが、それぐらいの人数になるともはや誰がどの関係性の人なのかなんてわからなくなるから「面」でとらえるしかなくなる。逆に自分たちよりも下の、もう顔を見ることもないかもしれない家系図は明らかに8ハウスの次の9ハウス的である。自分の8ハウスの為した先に、辟易するほどの卑属が出来上がる。
8ハウスは点で9ハウスは面と考えると分かりやすいかもしれない。
その面が立方体を作るから10ハウスになるのである。別に立方体でなくてもよいのだが、何かしらの立体を作ってそこにものを入れることができるのなら10ハウスである。
その下準備をするのが9ハウスと思えば、やはりミュータブルハウス的と言えるのではないだろうか。
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