社会人④
設計になるには・・・まず、考えた。
デザイン力が必要だ!カッコいいデザイン・・・・。なんだろう?
取り合えず、雑誌を見た。
何が良いのか解らない。
自分の好きな建物・・・、オシャレな建物。
手当たり次第、情報収集。
そんな時、社内の設計部が開くコンペがあった。
なんとグットタイミング! コンペに出よう!
当時、設計のトップの人に話しを通し、出展OKをもらった。
いざ始めると・・・、何をすればいいのか?
必要な物は何?
コンセプト・平面図・立面図。 最低この3つだ。
取り合えず、時間が無いので今自分が1番カッコいいと思う物を作ってみた。
なかなかイイじゃん。 設計っぽい。 これでアピールができる。
達成感と優越感にひたっていた時、ふと思った。
普通じゃん。これで設計部と戦うのか・・・。
その瞬間、絶対に負けると思った。 設計部はプロ。 俺は現場監督。
現場監督同士のコンペならイケるけど、相手はプロの設計士軍団。
ヤバイ、どうしよう・・・。
設計部がやらないこと・・・。時間が無く出来ないこと・・・。
俺はやれる事は全部しよう。ただ、人手が足りない・・・。
そうだ、専門学校の時の友人に頼もう!
さっそく電話をし、内容を説明。俺のできない事を5千円で引き受けさせた。
コンペ当日。あえて、俺は最後にしてもらい、設計部のプレゼンを見た。
全然たいした事ないじゃん。ってか、時間かけなさすぎ・・・。手抜き?
全員が全員、俺のプレゼンよりレベルは下。
最後の俺のプレゼンの時、皆は唖然とした・・・。
コンセプトはもちろん、図面、外観パース、イメージ写真。全てをつけたプレゼン。
圧倒的に勝った。そして案の定、設計トップから設計部への怒りの攻撃。
俺の予想通りだった。
現場監督の俺がここまで作るとは、誰もが考えて無い事。
内容なんて関係なかった。プレゼンの質を高めた俺の一人勝ちだった。
これをきっかけで設計としての俺の新たな人生がはじめる・・・。 次に続く
社会人③
それからは、取り合えず認めてもうえるように働いた。
現場の掃除。
段取り。
予算管理。
現場監督の仕事を自分なりに一生懸命やってみた。あっと言う間に入社して3年の月日が流れた。
それなりに充実した毎日。悪くねーと思っていた頃、今までの人生で1番強敵になる人間と出会う・・・。
それは、クレーマー。
住宅業界では多いクレーマー。やることなすことケチをつける奴。
俺にとっては入社3年目の強敵。
出合った事の無い、理不尽な奴。
どう戦うべきか・・・。自分で考えた。
何を言っても、上げ足をとられ。誠意を見せても何も感じない。
社会人3年目の俺の実力ではとうてい勝てない相手。
ほとほと困った俺は、嫌々会社の担当営業・設計に初のSOSを出した。
当然、何かの形としてかえってくると思った自分にきた答えは。
営業 「そっかー、・・・。」
設計 「現場の事やしねー・・・。」
なんじゃそれ?
ひょっとして 俺達は関係ない?って事?
全部、営業の過剰サービスから設計のメチャメチャな図面を四苦八苦して現場で処理し。
自分の責任として、お客さんに頭を下げ。やってたのに・・・。
こいつらは何?
その時感じたのは、
信じるのは己のみ。
嫌な事から人は逃げる。
俺は絶対に嫌な事や、辛い事からは逃げない!
こんな会社の人間クソくれーや。年下の人間に全てをやらせ、自分はお構いなし。
人間的に腐ってる。ゼッテー、あんな奴らに頼らん!
幾ら仕事ができなくても、バカにされても、俺は人の嫌がる辛い事をしようと心に決めた。
そして、こいつらより人間的に上になり、金持ちになって思い知らせてやろうと思った。
人間性が上でも、結局お金が無いと勝てない。
お金があっても、人間性が無ければ認めてもらえない。
両方あればゼッテー、勝てる。
そして、あいつらがいくら仕事ができても、俺の方が稼げればゼッテー負けない。
こんな気持ちにしてくれてありがとう。その日から、考え方を変えた・・・。
そして、30歳になる年に独立かこの会社を辞める事を決めた。
若干25歳。
残り5年。今からのビジョンを考えた。
キーワードは2つ。
建築で独立するなら、営業と設計が必要。
取り合えず、設計になろうと考えた25歳の自分・・・。 次に続く
社会人②
毎日8時まで・・・。こんな生活が1ヶ月続き、現場監督に嫌気を覚えた頃。
ふと、これからの人生を考えてみた。
子供の時からサラリーマンにはなりたくなかった。
人と同じ事をしたくなかった。
普通の人間では終わりたくなかった。
自分は今、何をしているのだろう。
普通にサラリーマンをし、人と同じ事をし、普通の人間になってる・・・。
ヤバイ。どうしよう・・・。
そんな事を考えていた時、携帯電話の呼び出し音が・・・。
「もしもし?・・・・。」
電話の相手は、東京で大学に通っている友人A。
久しぶりの電話もあって、今の仕事の事を話してみた。
友人A 「ふーん、そっかー、嫌なら辞めれば?」
俺 「そうねん、辞めたいけど・・・。すぐ辞めるとかっこ悪いし・・・。」
友人A 「じゃ、残れば?」
俺 「でも、辞めたいし・・・。」
友人A 「何がしたいん?俺にどう言ってほしいん?」
俺は、イラっとしながら 「別に、ただ聞いて欲しかっただけや・・・。」
友人A 「一つだけ言っとく、入ったばかりで何もできないのは当たり前、ただ、会社で必要とされる人間になってから辞めれば、いいんじゃない。カッケーし、先も見えてるし。」
そう言うと、友人Aは足早に電話を切った。
俺は、最初は頭にきて、大学行っとる奴が偉そうに・・・。と思いイラ立ちを押えていた。
時間がたつにつれて、俺の方が子供なのか?
大学生に言われて恥ずかしくないのか?
友人Aの言う事は正論なのか?
どんどん、罪悪感と今の自分の情けなさが襲ってきた。
ヤバイ、このままでは・・・。
そう思った瞬間。家にあったバリカンで自分の髪の毛を切っていた。
気づくと、ツイスト茶髪の頭から坊主へ・・・。
意外と似合ってる!取り合えず格好からだ!
と思い、今まで悩んでいた事を一つづつ変えていこうと決心した。
翌朝会社に行くと、皆が 「どうしたん?何かあった?」と聞き。
現場に行くと、いつもシカトの大工まで、「どうした?」と・・・。
その時気がついた、いつも悪いことをしている奴が普通の事をすると褒められる事を。
そして、俺の見る目が昨日と違う事を。
取り合えず出だしで遅れたが、やっと社会人っぽくなれた自分がそこにいた・・・。 次に続く