喜多嶋修 「FM SHRINE」    1985-1986
 
 御存じ、元ランチャーズ、内藤洋子の御主人、喜多嶋舞の父、
加山雄三さんの従兄弟。
 
 
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 さて、このシンセサイザーをメインに据え、琴や尺八、鼓などの
和楽器を配し、壮大な音世界を構築する喜多嶋氏、
それでいて、「和」の世界を極度に前面に出すことなく、
壮大な和テイストの楽曲を構成しました。
 
 琴のイントロに導かれた「Ebb And Flow(盛衰)」、
琴の音がディヴィッド・ベノアのピアノに変わり、
ちょっとミニマル系に行くのかな?と思いきや、
ギターと尺八のゆったりしたサウンドへ。
 
 和と洋の融合による、不思議な浮遊感が味わえます。
THE CHIEFTAINS 「SANTIAGO」   1996
 
 『知られざるケルトの国ガルシアへ
グラミー4部門を獲得。
世界で最も美しいメロディと言われる
アイリッシュ・フォーク・ミュージックの最高峰、
ザ・チーフタンズが贈るガルシアへの音楽の旅。』
 
 
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 「ガルシア」と言うのか、「ガリシア」なのかわかりませんが、
ケルト文化の名残を感じさせるスペインの北西部です。
そのガリシアのカルロス・ヌネスというミュージシャンをフィーチャーした
アルバムで、カルロスはガイータ(ガリシアのバグパイプ)やリコーダーを
プレイしています。
 「Dueling Chanters」ではバディ・モロニーのユーリアン・パイプと
カルロスのガイータのバグパイプ・バトルが静かに展開されます。
 
 メキシコに移住したガリシア人の歌、「Guadalupe」には
リンダ・ロンシュタットとロス・ロボスが参加、
またライ・クーダーが参加した「Santiago De Cuba」と
「Galleguita/Tutankhamen」では、ライに導かれて
キューバン・ミュージックをキューバで録音しています。
ガリシア地方のケルト・ミュージックとはまた違った
キューバ独特の哀愁を帯びたメロディが印象的です。
 
 世界中のどんな音楽とも融け合ってしまうチーフタンズ、
素晴らしい!の一語に尽きますね。
JOHN McLAUGHLIN
「MUSIC SPOKEN HERE」
1982
 
 『シンセサイザーを使ったスケールの大きいサウンドと、
アコースティックな音色の絡みが素晴らしいギターの鬼才、
マクラフリン屈指の傑作。』
 
 
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 邦題は「吟遊詩人」。
 
 ん~・・・前作の「ベロリゾンチ」といい今作といい、
カティア・ラベックが絡んだ作品は正直、いまひとつピンと来ない。
ま、公私にわたるパートナーだったワケだから、
お二人の共同作業とすれば、文句のつけようも無いんだろうけど、
カティアのシンセが、どうも好きになれんなぁ。
 
 マクラフリンはいつものように高速パッセージを
アコギで難なく弾き倒し、
「心のそよ風」ではピアノとアコギのユニゾンはさすが息がピッタリ!
ユパンキ作の30秒ほどの「夜が明ける」は多重ギターですが、
途中でこのような楽曲が挿入されると、ホッとするくらい、
シンセ・サウンドは耳に馴染むまで、かなりの時間を要しました。(笑)
ALABAMA 「AMERICAN PRIDE」   1993
 
 カントリー・ロックのハーモニーにサザン・ロックのテイストを
加えたようなアラバマ・サウンド。
 
 
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 「You Can't Take The Country Out Of Me」、
邦題「カントリーこそ我が命」
イントロが一瞬だけオールマンズの「Midnight Rider」を想わせます。
 
 ハーモニーを最大限に駆使したポップ・カントリーも魅力ですが、
「Between The Two of Them」のようなバラードもしっとりといいですよ。
バラードと言えば「Sometimes Out of Touch」のサビのコーラス、
いかにもアラバマらしくていいですな。
HOLLY COLE TRIO 「GIRL TALK」    1990
 
 後にトム・ウェイツをカヴァーしまくるホリー・コール嬢、
ここではジャズ&ポップスのカヴァーを中心に唄いまくってます。
 
 
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 たしか交通事故で顎を砕き、歌手生命は終わりか...
という状態だったらしいのですが、このドラムレスのユニット、
のっけから「My Foolish Heart」、どうですか!!
あたかも女性が唄うべきジャズ・ナンバー。
 
 ハンク・ウィリアムズの名曲「I'm So Lonesome I Could Cry」を
こんなにしっとりと唄い上げ、ペトラ・クラークの「Downtown」を
原曲を決して崩さずにサラッと唄いきるホリー・コール、
ますます目が離せませんね。
 
 ラスト2曲を時節柄クリスマス・ソングで締め括るのも
粋な計らいでしょう。まさに起死回生のアルバムでした。
FAITH HILL 「LOVE WILL ALWAYS WIN」    1999
 
 前年にリリースされた彼女の3rdアルバム「FAITH」をベースにした
「インターナショナル・ヴァージョン」ということになります。
従って、「FAITH」と重複する曲が大半ですが、リミックスということで。
 
 実はフェイス・ヒルの写真の中でも、
このジャケ写真が一番好きだったりして...。
 
 
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 どの曲もよりポップなアレンジとなってますが、
USAでは、あんなに売れてるフェイスなのに、なぜか日本では...?
 
 カントリー・チャートで1位、全米シングル・チャートでも7位となった
大ヒット曲「This Kiss」ももちろんいいですが、
1stアルバムからの「Peace Of My Heart」の
ポップ・ヴァージョン、
もちろんあのジャニスの名唱でお馴染みの曲ですが、
フェイスのポップ寄りの解釈の中にも力強いヴォーカルは
カントリーというフィールドから羽ばたこうとする姿が覗えます。
SUZANNE VEGA 「NINE OBJECTS OF DESIRE」    1996
 
 スザンヌ・ヴェガといえば、昔の「Luka」の大ヒットを思い出しますが、
当時はフォーク・シンガーとしてしか聴けず、
それほど印象には残ってなかったんですよ、実は。
 
 
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 この96年のアルバムはミチェル・フルームがプロデュース、
ヴェガとフルーム???と思ったりしたワケやけど、
この時期の2人は公私にわたるパートナーだったワケですね。
 
 フォーキーな曲にメッセージを託した若い頃のヴェガよりも
大人のお洒落なサウンドが心地よいですよ。
特に「Caramel」はボッサ調で、ちょっと丸山圭子を思い出しました。(笑)
GAL COSTA 「O SORRISO DO GATO DE ALICE」    1993
 
 邦題は「チェシャ猫の微笑」。
ちなみに「チェシャ猫」は「不思議の国のアリス」に登場する架空の猫。
 
 
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 プロデューサーのアート・リンゼイは、カエターノ・ヴェローゾ、
ジョルジ・ベン・ジョール、ジルベルト・ジル、ジャヴァンの4人に
楽曲を依頼しました。
アート・リンゼイが共作したカエターノの「Gratitude」と
ジャヴァンの「Serene」の2曲は英詩、その他はポルトガル語です。
 
 ガウって以外に骨太で力強いところもあるんだけど、
アコースティックな演奏をバックにかなりお洒落な雰囲気で好きですね。
 
 それにしても、カエターノの「風変わりな女」、
この美しさはなんだ!?まさに官能的!!
タイトルの「チェシャ猫」はこの曲に登場します。
 
 カエターノのような甘~いものからベン・ジョールのようなファンクまで
いろんなサウンドが楽しめます。
BUDDY GUY  「LIVING PROOF」     2010
 
 ジャケの隅のほうに書いてある「750ml」とか
「74 YEARS YOUNG」はウィスキーをもじってるんだろうな。
それにしても「74年物」を「74YEARS OLD」ではなく、
「74 YEARS YOUNG」とするところなんかは、
「まだまだ気持ちは若いぜ!」ってところか。
 
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 アコギのイントロに導かれた「74 Years Young」、
間奏のほとばしるようなエレクトリック・ギターはなんだ!?
この活力はとても74歳とは思えん...。
 
 「Stay Around A Little Longer」のB.B.との掛け合いは
まさに円熟の境地、やんちゃ坊主のバディもこのバラードでは
74歳と言う歳相応のムードを醸し出しています。
 
 カルロス・サンタナと一緒に「Where The Blues Begins」、
マイナー・ブルーズはサンタナの為に誂えた?
ピーター・グリーンのマックの「I Loved Another Woman」を彷彿と。
GEORGIE FAME  「THE BLUES AND ME」     1992
 
 『大好評アルバム「クール・キャット・ブルース」に次ぐ、
イギリスのベテラン、ジャズ/R&Bオルガン奏者、ジョージィ・フェイム
待望のニュー・アルバム!
スウィンギーなオルガン・ワークと洒落たヴォーカルが冴えるブルース&ジャズの世界。』
 
 
 
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 ベン・シドランがプロデュース、
いかにもベンらしいジャジー&ブルージー、
Dr.ジョンが加わった「Maybe It's Because Of Love」では、
ジョージィとDr.ジョンの掛け合いが楽しめるし、
曲によってはフィル・ウッズやスタンリー・タレンタインらのジャズメンが
吹いたりしてるし、とにかくベン≒ジョージィ≒モーズ・アリスン
という図式がこのアルバムでは楽しめますよ。