JOHN McLAUGHLIN
「BELO HORIZONTE」
1981
 
 『ギターの弦が生み出す瞬間の美しさ。
ビル・エヴァンスへの追悼曲を含む構成で、
ジャズ・ギターの芸術性と可能性を追求した81年の快作。』
 
 
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 タイトルの「ベロ・ホリゾンチ」は文字通り「美しき水平線」、
ブラジルにはポルトガル読みの「ベロリゾンチ」という都市があるそうです。
 
 全編アコギでプレイするマクラフリン、
「La Baleine」での速弾きはすさまじい!
公私にわたるパートナー、カティア・ラベックの参加が
どう影響をもたらしたのか、はわかりませんが、
93年にビル・エヴァンス集「TIME REMEMBERD」
リリースするほどのエヴァンス・ファンのマクラフリンは
ここでも「Very Early」という曲をエヴァンスに捧げています。
そんなマクラフリンにクラシック畑のラベックさんがくっつく、
というのも面白いですね。
 
 そして圧巻は盟友パコ・デ・ルシアとのデュオ
「Manitas D'oro」でしょう。
まさに「技の応酬」ですよ。
THE TONY WILLIAMS LIFETIME  「EMERGENCY!」    1969
 
 
 
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 マイルスのところで叩いてた10代のトニーは凄い!と思ってたけど、
本作でギター弾いてるジョン・マクラフリンの
マハヴィシュヌ・オーケストラを後に聴くと、
ビリー・コブハムの凄さに感服!!
 
 ということで、マクラフリン繋がりで聴いた本作ですが、
「Spectrum」でのマクラフリンのほとばしるようなフレーズ、
マイルスのところよりも、後のマハヴィシュヌよりもジャズっぽい。
一体これはジャズなのかロックなのか?と考えることさえナンセンスに
思えてくるこの迫力、トニーのドラミングも超人的です。
ジョンやトニーに負けじと、ラリー・ヤングのオルガンがいい味出してる。
 
 まさにトライアングル的なベクトルの緊張感は素晴らしい!!
FAR CORPORATION  「STAIRWAY TO HEAVEN」     1986
 
 『ZEPの名曲を蘇らせた86年話題のスーパー・セッション=FC。
「天国の階段」フル・ヴァージョン(B面:ダンス・ミックス)』
 
 
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 当時流行った「12インチ・シングル盤」というヤツです。
通常の7インチ(17cm)のシングル盤だと、
内周に行くに連れて音質が劣化する、というデメリットを
12インチ(30cm)のLPサイズの外周部分に溝を刻むことによって
音質劣化を解消したという形状です。
従って本盤もLPサイズにもかかわらず、A面1曲、B面2曲しか
収録されていません。もちろん価格も¥1500で、
シングル盤以上、LP盤未満のプライス設定になっています。
 
 さて、この FAR CORPORATIONというユニット、
TOTOのボビー・キンボール、スティーヴ・ルカサー、
ディヴィッド・ペイチが中心となったバンドで、音が悪いはずがない!!
と思うんだけど、実際はTOTOとはちょっと違う。
「天国への階段」はツェッペリン風に始まり、
ヴォーカルのロビン・マコーリーもプラント風。
あれれ!?ボビキンはどこ?
途中でディスコ調になるわ、ゴスペル・コーラスはかぶってくるわ...。
ラストのハイ・トーン・ヴォイスのパートがきっとボビキンなんだろうね。
ERIC JOHNSON  「VENUS ISLE」     1996
 
 『"ポスト・ジミ・ヘンドリックス" の異名をとる、
天才的な超絶技巧ギター・プレイヤー、
6年ぶり、待望のニュー・アルバム完成!』
 
 
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 インド風のタイトル・チューンで始まる本作、
歌も唄い、ギターも弾き、おまけにルックスも良し。
 
 クリストファー・クロスのデビュー・アルバムでギター弾いたお返しか、
クリストファー・クロスがヴォーカルで本作に参加したり...。
 
 エリック・ジョンスンがよく共演してたアラン・ホールズワースや
スティーヴ・ヴァイ、ポール・ギルバートらと比べると、
ギター・テク以上に歌心があるのが、このエリックではないでしょうか。
同郷のテキサス出身のスティーヴィー・レイ・ヴォーンに捧げた「S.R.V.」は
兄のジミー・ヴォーンもギターで参加しており、
軽快なインストをプレイしています。
 
 歌は唄うけど、ギター・プレイにはアランのような緻密さはないし、
ポールやスティーヴのようなワイルドな部分も希薄で、
流麗さだけでちょっと損してるような気もしますが...。
NEIL YOUNG WITH CRAZY HORSE  「AMERICANA」
2012
 
 『クレイジー・ホースを従えた、9年ぶりのアルバム「アメリカーナ」は
アメリカのフォークソングの名曲を集めた作品。』
 
 
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 アメリカのフォーク・ソングを唄った、とあるけど、
超有名な「オー・スザンナ」や「愛しのクレメンタイン」なんかは
我々の聴き馴染んだメロディと全然違う!と戸惑ったあなた、
「オー・スザンナ」は60年代にすでに別メロが世に出ており、
オランダのショッキング・ブルーがそれをネタにして
あの「ヴィーナス」を大ヒットさせた、というハナシも
このアルバムで初めて知りました。
 
 また「Travel On」と「High Flyin' Bird」は
バッファロー以前にスティーヴン・スティルスが所属してた
オウ・ゴー・ゴー・シンガーズのアルバムにも収録されてた
と言うから、どこか因縁めいたものも感じますよね。
そのスティルス氏は「ディス・ランド・イズ・ユア・ランド」に
ヴォーカルで参加しています。
 
 どの曲もサウンドはクレイジー・ホース特有の「ドッタンバッタン」で、
嬉しくなっちゃいますよ。彼らのシンプルなリズム、最高だね!
ラストの「ゴッド・セイヴ・ザ・クィーン」の行進曲風のリズムなんてのは
誰も思いつかないよね。
「琴で綴る名曲の調べ」
 
 琴の音色なんて、お正月くらいしか耳にしないけど、
こうやって塊で聴くと、まさに心が安らぐね。
「六段の調」なんて計算され尽くしてるような感じ。
 
 
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収録曲は
 
 春の曲
 六段の調
 みだれ
 楓の花
 都の春
 八重衣
 八千代獅子
 秋風の曲
 秋の曲
 秋の言の葉
 松竹梅
 五段砧
 八段の調
 千鳥の曲
 
おっと...こんな映像がありました。
琴で弾くジミヘンの「Voodoo Child」
 
NEIL YOUNG  「LIVE AT THE CELLAR DOOR」    1970
 
 『ロック・シーンにおける孤高のレジェンド:ニール・ヤングによる、
ライヴ・アーカイヴ・シリーズ最新作!
名作「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」発売直後となる
1970年11月から12月にかけてワシントンD.C.にて行われた
ソロ・ライヴを収録した、ライヴ・アーカイヴ・シリーズ最新作!』
 
 
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 ニールの代表作として「ゴールドラッシュ」を選ぶか、
「ハーヴェスト」を選ぶか、は意見の分かれるところでしょうが、
本作は「ゴールドラッシュ」直後のライヴで、
その「ゴールドラッシュ」を中心に、バッファロー時代の曲から
次作「ハーヴェスト」に収録される「Old Man」のプロト・タイプまで
ニールのアコギ、ピアノの弾き語りで楽しめます。
バッファローの「Expecting To Fly」「I Am A Child」
「Flying On The Ground Is Wrong」の3曲が聴けるのも嬉しいですね。
 
 キー低目の「Old Man」、バンジョーもスティールも入ってない
ソロ・ヴァージョンですが、ほとんど完成形ですよ。
 
 「HARVEST」直後のブートで聴けるソロ・パフォーマンスは
特にピアノのミス・タッチが多かったけど、
ここではピアノも上手く弾きこなしてますよ。
きっとこの時代の音源てのは腐るほどあるんだろうな。
そしてどんどん世に出てくるんだろうな。
MARIA McKEE  「YOU GOTTA SIN TO GET SAVED」    1993
 
 カントリーぽくもあり、ソウルフルにも唄う不思議な女性です。
 
 
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 「Only Once」なんて、もろカントリーだし、
そうかと思えば「I'm Gonna Soothe You」では
ソウルフルな唄声を聴かすし、
ヴァン・モリスンの曲を2曲も取り上げてるし、
「I Forgive You」でのシャウトの盛り上がりはすごいことになってるし。
 
 このヒト、昔ディヴィッド・サンボーンがホストを務めた
「NIGHT MUSIC」という番組でオリジナルを唄ってたけど、
緊張してガチガチだったのが逆に微笑ましかったですよ。
その後のスティーヴィー・レイ・ヴォーンや
ヴァン・ダイク・パークスらとのセッションで
フィートの「セイリン・シューズ」をやってたけど、
ここではリラックスした姿が観れます。
 
 それにしても「Why Wasn't I More Grateful」の
ゴスペル的な盛り上がりは結構「鳥肌モノ」ですぞ。
THE ELECTRIC FLAG  「THE TRIP」    1967
 
 マイク・ブルームフィールド率いるエレクトリック・フラッグが
ロジャー・コーマン監督の「THE TRIP」というムーヴィーのサントラを
担当した、というわけです。
映画の各シーンに挿入される断片的な曲で、ほとんどが1~2分程度。
全曲聴いても30分かからない!
 
 
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 脚本はジャック・ニコルスン、キャストにはピーター・フォンダや
デニス・ホッパーなどの名前もあり、どこか「イージー・ライダー」を
想わせるような顔ぶれ。
「B級映画」として有名なロジャー・コーマン監督ですから、
この時代のサイケなムーヴィーなんでしょうな、きっと。
 
 「Fine Jung Thing」のみ7分を超える長尺モノで、
マイクもギター、バリバリ弾いてます。これ1曲でも価値あるよね。
RANDY MEISNER  「RANDY MEISNER」     1981-1982
 
 イーグルスを脱退したランディのソロ3作目。
原題はセルフ・タイトルですが、「紺碧のハイウェイ」という邦題。
 
 
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 1st~2ndまではまだちょっとイーグルスやポコを引き摺ってたり、
カントリー・ロック的な曲想が多かったけど、
本作はロック色をかなり強めた仕上がりになってます。
A-3「Jealousy」ではタワー・オブ・パワーのホーンを得て
ランディもいつになくパワフルに唄ってます。
 
 B面にはHEARTのナンシー・ウィルスンがコーラスで参加しており、
アン・ウィルスンも「Strangers」でデュエットしてます。
この曲はイーグルス時代にエルトン・ジョンから提供された曲で、
イーグルスとしては取り上げることはなかったものの、
なかなかのバラードで、ランディ&アンの力強いヴォーカルが楽しめます。
イーグルス時代の童顔&ハイ・トーン・ヴォイスのイメージよりも、
力強くて爽やかでご機嫌なロック・サウンドを聴かせてくれますよ。