【販売員に限らず、生きていく上で想像力はなくてはならないものです。では、どうしたら想像力を育むことができるのでしょうか】

 

掃除機のものまね

 

こんばんは、販売コンサルタントの平山枝美です

 

先日、ものまねをやってほしいと言われたので

掃除機のものまねを披露したのですが

反応は微妙でした

 

はてさて。

 

今日のテーマはこれ。

 

 

 

先日、この本を読みました。

 

 

 

2024年秋に映画化もしますし、話題作ですよね。

 

で、なんで仕事に関係のなさそうなこの小説を紹介しているのか、というと

意味があります。

 

この本はミステリー(推理)小説なので

話の中で「え!そうだったの?」「それは思いつかなかったー」と思わされるところがたくさんあるのですが、その元になるのが

出てくる登場人物たちの言動です。

 

一見、いいヤツだと思っていた人が、すごく嫌なヤツだったり

その逆もあって、読んだあと、やられたなあ、と思うわけです。

 

この本から影響を受けることって

 

「自分が相手を見ている部分って、ほんの少しなんだなあ」

 

ということ。

 

こういう人だ、と思いこんでいても

実は知らない一面がたくさんあるよ、なのです。

 

この本を読んでいると、自分が周りの人を

少しの情報ですべてを知った気になっているのではないか、と感じてしまうのです。

 

この小説だけでなく、私はわりと読書をするほうなのですが

人に対しての想像力は読書から得ている気がします。

 

たとえば、働いている側からすると、学生っていいなあ、と思う。

でも、小説を読んでいると

 

学生は学生なりに気疲れしているし、大人とのやり取りに辟易している。

 

不妊治療をしている女性は、こんな言葉で傷ついているんだ、と気付かされる。

 

老害と言われている中高年の人は、こんなに生き方に不器用な人もいるんだ、と、知る。

 

こんなかんじで

自分が、いいよなあ、なんて見ていた人たちの、実は苦労して生きている一面が見えてきます。

 

相手の背景を小説で垣間見ておくと、心も広くなります。

 

たとえば優先席に健康そうな人が腰をおろしていても

 

「あの女性は、もしかしたら、受精卵を移植したばかりで、揺れを最小限に抑えるために座っているのかもしれない」

 

と、想像して

自分の相手に対する「ちょっとずるいな」と思ってしまった気持ちを軽減できる

 

態度が悪い相手に対して「なんかあったのかな」と気遣うことで、自分のイラッとした気持ちも和らげることができる

 

と、考えています。

 

想像力って、経験しないと身につきません。

でも、小説でそこを補うことができます。

(小説は現実のことではないですが、それでも、知識は付きます)

 

アパレルの販売員なら、お客様の服装に関する悩みや考え方を知った上で

アドバイスをしていく仕事ですが

お客様がどうしてそのような気持ちになっているのか知らないと、アドバイスが的外れなものになってしまいます。

 

たとえば、

朝、着るものに悩んでいる、と言われます。

 

着るものに悩んでいるお客様はなぜ、悩むのでしょう。

 

悩む、と言われたら

そうか、大変だな、程度にとらえてしまいますが

悩む背景に、人生があります。

 

とあるママに、服にまつわる人生がこう、だとしたら、どうでしょう。

 

引っ越したので、子供の幼稚園が変わった。

夫の勤め先など条件を考えると、ちょっと背伸びしたマンションしかなく

予算オーバーだけど、無理をして、引っ越した。

 

だから、お金はない。

でも、このマンションに住んでいるのは、お金に余裕がある家族ばかり。

 

そして、このマンションから

自分の子供と同じ幼稚園に行っている子どもたちは多いらしい。

 

幼稚園を決める時、少し高いな、と思ったものの

一緒に観に行った夫が気に入ったため、そこになってしまったのだ。

 

今から思えば、マンションの人とかぶらない幼稚園にすればよかった。

その思いが強くなったのは、子供を送迎バスに乗せるときだった。

 

毎朝、幼稚園の送迎バスが来る時、

ママたちが集まる。

 

ママたちの服はおどろくほど似ていた。

そして、私とは比べ物にならないほど、上品で華やかだった。

白いゆったりしたシャツに、紺色のボトム。

羽織っているコートには、皆、お金持ちの代名詞みたいによく見かける、ブランドのロゴが光っていた。

 

そんな中、私は5年前に買い、スーパーに行く時には何も考えずに着ていたジーンズ、だった。

ママたちは、私をちらっと見たあと、服に目を移して、そして、反らした。

私の着ている服を、見てはいけないものだ、と、気を使ったのだ。

 

今まではおしゃれになんて気を使う必要がなかったのに。

それ以来、朝、何を着るのか、クローゼットの前でうずくまり、葛藤する日々が始まった。

 

もう、あんな目を向けられたくない。

愛想よく話している間に、薄っすらと垣間見える同情。もう、惨めな気持ちになりたくない。

 

朝、子供の送り迎えするだけなのに

何をそんなに悩んでいるんだよ。

もっとやることがあるだろう、と、夫は苛立ちを隠さない。

私が服を握りしめて悩んでいる間も、朝の慌ただしい時間は過ぎていく。

でも、何を着るか、は私がママとして生きていく上での死活問題なのだ。

 

 

眼の前のお客様にこんな背景があったら

朝、どうやったらおしゃれに、しかも時短で服を決められるようにしてあげられるか

真剣に向き合ってしまいますよね。

 

今の文章はあくまで私の適当な創作ですが

(そして、私自身は子供がいないので、ママに対して考えていることも想像です)

様々な小説や、近所のマンションにいるママたちの様子を見て書いているので、わりとリアルじゃないかな、と思います。

マンションや、地域によってママの意識って違うと思いますが。

 

売れる販売員って、想像力が豊かですが

こうやって、相手のお客様がどのような背景があるのかを想像できているのだと思うのです。

 

想像力を豊かにするには小説を読む、と話しましたが

もちろん、映画やアニメ、You Tubeや、自分自身が体験してみる、ということも

経験を重ね、想像力の元にするのに有効です。

 

相手に興味を持つ、ということは

ある程度の想像が働かないとできないもの。

 

そのために、自分の経験を様々なところから補っていきたいものです。

 

 

というわけで、今日もお疲れ様でした。

それでは、また今度!

 

 

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