【接客をすることが、販売員がいる理由。売上は接客をしないと上がらない、と思っていませんか。一見正しいこの考え方、実は今の時代には危険かもしれません】
だいたいバレる
こんばんは、販売コンサルタントの平山枝美です。
みなさん、注射は平気ですか?
私はとても苦手なのですが、病院では澄ました顔をして大丈夫な感じを装ってます。
でも、大体
「注射苦手ですよね?」って、する前に看護師さんに言われるんですよね。
なんでバレるんだろうなあ。
さてはて。
今日のテーマはこれ。
先日から経営者や本部、エリアマネージャーの皆さんに向けてブログを書いてきました。
この連載も今日を含めてあと2回。
連載①と④はこんなことを書きました。
これが終わったら販売員さんにむけてのブログを再開しますが
連載も、自分の将来に向けてぜひ参考にしてみてください。
「うちは接客が強みです」とおっしゃるブランドほど、
「本当に?」と思ってしまうことがあります。
その理由を書き連ねてきたわけですが
今日は
接客を手段ではなく目的と捉えている(のが、残念)
について、お話していきます。
店で売上を上げる、という話になったとき、
本部は店に対してどのような指示を出すでしょうか。
顧客を作る
そのために接客やVMDを強化する
など伝えるのではないでしょうか。
たしかに、接客やVMDの改善は即効性があります。
私も売上の改善を第一にオファーを受けたとしたら
接客と陳列への取り組みを進めていきます。
しかし、その前にまず
なぜ
「接客と陳列の取り組みが必要なのか。他の方法はないのか?」
も含めて考える必要があります。
なぜなら、接客と陳列がうまくなることが目的ではなく
「お客様が買いたくなる売り場とはなにか」
を考え、目的を設定しなければならないからです。
です。
つまり、お客様が買いたくなる売り場とはなにか
と、考えた時、接客以外の方法はいくつかあげられます。
・POP
・声出し
・SNS(広告)
・品揃え
・ブランドとしての価値
などなど。
これは持論ですが、接客をしなくても売れるなら、それに越したことは有りません。
接客はもっとも人件費がかかる施策です。
それでも、自店が「接客を選ぶ」ならば、
「自店で接客をする意味」を考えなければなりません。
接客が目的になれば
お客様がきたから、接客する、という
目の前のことをただこなすだけ(=やり方を買えずに苦労やコストばかりかけてしまう)の、精神論な施策になってしまいます。
接客をする意味とはなんでしょう。
- お客様との関係を深める
- 販売スタッフから、ブランドの精神を伝え共感し、ファンになってもらう
- お客様に商品の組み合わせ方(服やインテリア、サービスのコーディネートやスタイリング)や、使い方を伝える
ということはもちろん
情報収集をする、という役割もあります。
例えば、先日販売員の皆さんにこのような質問をしました
・お客様が、3月に服を購入したり、その日に着るものを選ぶ際、困ることはなんですか
選択肢には
- 朝夕と日中の寒暖差
- 春らしくならない
- 若作りにみえがち
- ちょこっと社交にむけて、周りの人を気にする
など、10項目近くの中から選んでもらい、その後なぜその回答を選んだのかインタビューしました。
これらは、ある商業施設のPOP作成に活かすためなのですが
お客様のことを知ることが、売り場の様々な施策(接客に限らずPOPや陳列、SNSなど)につながっているとわかっている販売員の方々からは
「商品を手にとって、これって私には若すぎないかな、と意見を求められることがある」
「パステルカラーは可愛らしくなりすぎて、私には若作りになってしまうし、と、気にすると秋冬と代わり映えしない服装になってしまう」
などの悩みがある、とお客様とのやり取りについて伺うことができました。
これは、ブランド戦略を考えていく上でも貴重な情報です。
ブランド共通POPに活かすことはもちろん
ショップに「こんなトークをして」と通達を出したり
SNSで、春にこまることをテーマに発信したり
お客様の悩みに対して、商品やコーディネート提案できる商品を用意する
などなど、お客様にダイレクトに響く、様々な施策を用意できます。
各ブランドが「店頭の、お客様との会話でしか得られない貴重な情報がある」と考え
「このようなデータを得るために接客が必要だ」
と認識しているかもまた、ファンづくり(売上を上げていく)うえで必須である、と考えています。
今日書いたことをまとめると
・接客は「店で売上を稼ぐこと」以外の目的がある
・接客をすることが目的ではなく「ブランドのファン(リピーター)を作るために接客という手段がある」と認識すること
です。
数字を上げるために、目の前の問題だけを解決しようとする(接客力を上げる)と、表面的な問題しか解決されません。それではブランドは存続しないでしょう。
なんのために、接客をするのか。
それを考えられることが、本当の意味での「うちは接客が強みです」になるのです。
次回は連載最終回。
⑤スタッフにおける接客の強み・弱みを知らないまま接客強化をしようとしている
もしくは「うちのスタッフは明るくて元気が取り柄です」など、顧客視点で接客の強みを考えられていない
店は、何が残念なのか?
を解説していきます。
というわけで
今日もお疲れさまでした。
それではまた、水曜日!
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