頼もしい仲間達に感謝しつつ自身の任務を全うするべく先を急ぐアッシュに通信が入る。
『アッシュさんビックリマークアッシュさんビックリマーク聞こえますか?もう時間がありませんビックリマークアッシュさんビックリマーク
『聞こえてますよサユリ曹長音符残り10秒になったらカウントして貰えれば助かるんですが?』
『了解しました…アッシュさんの現在ポイント…移動速度…コロニーの…あっビックリマークアッシュさんビックリマークカウントを始めます…10、9、8、7、6、5、…』
アッシュは全速力でコロニーに近づきつつ照準を併せ…。
『…2…』
この瞬間、中距離用ミサイルの発射スイッチを押した。
『…0ビックリマークコロニー落下阻止最終ラインを越えましたビックリマーク
双筋の光がコロニーを追跡し、コロニーの後部で2つの光が輝いた…。
『ミサイル…コロニーの後方外壁とエンジンの一つに命中しましたビックリマークやりましたアッシュさんビックリマーク作戦は成功です音符
ジオン軍の総撤退に呼応するかの様に連邦軍も撤収が始まる、第13特殊部隊はヤザン隊とライラ隊に回収され艦隊旗艦タラッサへと帰艦する。
『やったなアッシュ音符ヒーロー様の御帰艦だぜ音符
『よせよトーマ…俺の手柄じゃあない…隊長とトーマ…そしてヤザン隊、ライラ隊を始めとする航空全戦隊のお陰だよ…』
『そうだアッシュビックリマークよく言ったぞ…だがな、もうちょいぐらいは浮かれても良い音符許可する音符
他のパイロット達とも浮かれた会話を交わしながら帰艦した第13特殊部隊を青ざめた顔のサユリが迎えた。
『大変ですビックリマーク少尉ビックリマークコロニーが…コロニーが…』
『どうしたんだサユリ?まさか再び南米コースに入った訳じゃあないだろ?音符
『ち、違います!!落下コースが逸れだしたんです…エンジン爆破の衝撃と大気圏突入の摩擦に耐えきれなくなったコロニーは崩壊を始め…最も大きな破片はコロニーの3分の1ぐらいの大きさで…』
『も、燃え尽きるんだろ…?』
『太平洋落下コースを逸れてオーストラリア…シドニー近郊…もしかしたら直撃かも知れません…』
ピローの顔から血の気が引き…ピローは走り出した。
全速力で正面から接近する2機のセイバーフィッシュを追従する2機のザクは少し余裕を持って追う、前方の敵戦闘機は一度逆に機先を振ると左右へと展がり別れる。
『その策はミハイルから聞いている…』
シュナイダーは敵機が右に急旋回するのを確認し右前方へダッシュする。
敵機が目前に迫りヒートホークを振り上げた時だった。
『な、何!?更に加速だとビックリマーク
眼前の敵機は速度を上げヒートホークの届く距離から逃げて行く…。
『くっ…何て速さだ!!
敵機がカメラから完全に消えた瞬間ビックリマーク
『何!!
恐らくはどちらの軍のどのエースパイロットでも回避できないタイミングであった…シュナイダー、ミハイル両機は顔面への直撃でミサイル弾を喰らった。
ノイズ混じりにミハイルの声がする。
『た…長…やら……した…カ…ラ…が……全に…』
『聞こえるか?ミハイル…こっちもだ…これ以上の戦闘は無理だレーダーを頼りに退散するぞ…』
周囲を確認できぬままに撤退するサイクロプス隊を尻目にトーマが問う。
『とうしますか隊長?』
『時間がない、邪魔な奴だけ叩けば良い…アッシュを追うぞビックリマーク
第13特殊部隊はコロニーへと急ぐ。
先行したアッシュは6機のザクに襲われていた。
コロニー防衛のザク3機を振り切ろうとした処に更に3機のザクが増援として駆け付け現状に至った。
6機のザクに囲まれたアッシュは何とか虚を突き逃れようとしたがザク達の執拗な追跡に囲いを突破できないでいた。
『隊長に云われた通りにしたのに…やっぱ途中で少しは叩いとかないとダメだったな…』
アッシュは観念に似た覚悟で迎撃態勢に入る…が如何に新型機とは云え、本来はザクに劣る戦力でありしかも6機が相手では回避に専念しつつ隙を誘うも別のザクがすぐさまカバーする。
距離を詰めて来た1機にはバルカンの連射からの至近距離からの中距離用ミサイルでなんとか撃墜してみせたが…。
迫り来るタイムリミットが焦りを招く。
焦りは本来の精確な操縦を邪魔し、一瞬の隙を生じさせる。
『ヤ、ヤバイビックリマーク
正面に1機、左右に各1機づつ、後方には2機…完全に囲まれ逃げ場が無いビックリマーク
アッシュの脳裏に家族の顔が浮かんだ…。
『正面にミサイルビックリマークそのまま直進しろアッシュビックリマーク
咄嗟に正面のザクに向けてミサイルを発射と、同時に左右のザクが火球と化した。
『後は任せて先を急げよアッシュ音符
仲間達が追い付いて来たのだ。
静寂の筈の宇宙を進む第13特殊部隊の周囲だけは違っていた。
無線から聞こえる仲間達の声と、敵味方の機体が爆発して起こる衝撃風…。
揺れる機体内で舵を執る。
『ピロービックリマーク俺達の機体じゃあこの辺りが限界だビックリマーク
『アタシ等がこの辺りで敵を惹き付けるから行っといで…』
『ヤザン、ライラすまない…トーマビックリマークアッシュビックリマーク行くぞビックリマーク
【了解ビックリマーク
3機のセイバーフィッシュは正しく光の矢となり混戦となった小宙域を駆け抜ける…途中で出くわした敵はスピードに任せてやり過ごした。
『少尉ビックリマーク後8分で落下阻止限界点に到達しますビックリマーク急いで下さいビックリマーク
『判ったサユリ…トーマ、アッシュ急ぐぞビックリマーク
先を急ぐ3機の前に2機のザクが待ったを架ける。
シールドのマークが相手の正体を告げる…先程の部隊だビックリマーク
機体損傷の少なかったシュナイダー機とミハイル機の頭部を機体損傷が大きく頭部が無事だったアンディ機、ガルシア機と交換して出撃して来たのだ。
『ミハイルビックリマーク俺は赤いラインの奴をやる…後は頼んだぞ?』
『待ってくれよ隊長ビックリマーク俺も青いラインの奴には借りがあるんだよビックリマーク
『そうだったな…白いラインの奴は後方の部隊に任せるとしよう…行くぞビックリマーク
シュナイダー機はピロー機へ、ミハイル機はアッシュ機へとそれぞれが襲う。
『アッシュビックリマーク折角の御指名だが時間がない…ここは俺とトーマに任せて先に行けビックリマーク
『しかし…』
『アッシュビックリマーク隊長命令たぞ音符お袋さんと弟達をその手で守るんだろ?』
ミハイル機とアッシュ機の間にトーマ機が割り込み、その隙にアッシュ機は全速力で離脱する。
『トーマビックリマーク時間がない、フォーメーションAー3でいくぞビックリマーク
『了解ビックリマーク
トーマの返事を合図に2機のセイバーフィッシュが二手に別れ距離を取ると2機のザクが各々を追跡し、戦闘に動き出す。
『隊長ビックリマークこの形は俺とアンディがハメられた形だぜビックリマーク
ミハイルの進言にシュナイダーは頷き指示を出す。
『ミハイルビックリマークスピードを出し過ぎずに衝突を回避した瞬間を狙うぞビックリマーク
2機のザクは追従しつつ右腕にヒートホークを握り締め機会を待った。