こんばんは
今宵ご紹介する映画は『寝ずの番』です
舞台は上方落語界
そこの重鎮である
笑満亭橋鶴(長門裕之さん)が
臨終を迎えようとしておりました
妻の志津子(藤純子さん)他
息子で落語家の橋弥(岸部一徳さん)
一番弟子の橋次(笹野高史さん)
二番弟子の橋太(中井貴一さん)
見習いの橋枝(木下ほうかさん)
橋七(田中章さん)らが見守る中
師匠ったら最後に
『おそそが見たい』と
とんでもハップンな発言で
どーしたもんかと
顔を見合す一同ですが
大恩ある師匠の願いを
聞き入れるべく
『おそそを見せてくれる女性』は
おらぬかと思案し
そこで白羽の矢が立ったのが
橋太の嫁、茂子(木村佳乃さん)
当然ですが、反発する茂子
しかしそこは噺家の嫁はんですね
師匠が喜ぶならと
我が『おそそ』を見せるべく病院へGO!
『茂ちゃん、堪忍え』と拝む姉さんに一礼し
腹を括った茂子は
オン・ザ・師匠の体制から
スカートをめくり上げます
『おそそ』とは女性器を表す
京都弁だそうどすえ…
(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎
最期の最後に、眼福かと思われた橋鶴師匠
『おそそ』ではなくて
『おそと(外)が見たい』と
言わはってて
それを一番弟子の橋弥が
聞き間違えたんですが
張り切って『おそそ』を見せちゃった

茂子はんは、がびーん
がびーんと目ん玉飛び出たど。
これより映画は無礼講の
『寝ずの番』へと突入していくといった
お話です
何せ登場人物たちは
噺家連中ですから
『寝ずの番』の席上は
話芸の宝庫
それも『オシモ関係』で
盛り上がります
誠実の権化、中井貴一さんや
ヒガシの奥方である
木村佳乃さんの口から
飛び出す猥語がね、、
視聴してる方は照れますの (〃ω〃)
その中に海の生物
『エイ』にまつわるシーンがあり
『エイ』の性器と
人間の女性器って機能(?)
が似てるらしく
それを知った中井貴一さん扮する
18才DTの橋太は
初体験の相手に『エイ』を選ぶんです
そしてヤスミンツボにハマったのが
橋鶴師匠の十八番
『らくだ』に絡めたシーンですね
この『らくだ』には
死者がカンカン踊りをする場面があって
今までは生きながら
死者の踊りを演じた師匠だけれど
今ならホンマもんの屍人よってに
カンカン踊りさせたれーってなもんで
キョンシー長門、降臨
そしてこの後
一番弟子の橋弥が
さらには志津子が
続けざまに急逝したことにより
三度に渡っての
『寝ずの番』が
繰り広げられるのです




今作は中島らもさんの同名小説を
マキノ雅彦が監督となっておりますが
これは津川雅彦さんのことですね
津川さんは公開当時
『面白い映画
観たい映画がないから
自分で作るんだ』と仰って
今作を初監督をされたと記憶しております
その言葉通り
ー こうやって笑いに包まれながら
冥土へと送り出されるのも、悪くはないな ー
といった仕上がりになってはおりますが
ただジェーン的には
師匠のシークエンスだけで
充分笑えましたから
その後の橋太と志津子のターンは
要らなかったんじゃないかって気もします
これも幕引きの
難しさかとは思いますが
しかし津川さんご自身も
役者さんですから
出演者陣は巧く活かされてました
特に時の人、木下ほうかさんの
嫌味一歩手前の演技が目立ってました
⤵︎ ほいでこの寝ずの番の文字は
津川さんの盟友
故 緒形拳さんの手によるもので
尚、本作は
文部科学省の助成作品でありながら
猥語が頻出し過ぎるため、
R15指定ですよってに
文科省の文言に
惑わされませぬよう
くれぐれもお子様と
ご覧にならないでくださいませませ