伊賀と甲賀はどちらも古代の琵琶湖の湖底が隆起してできた土地で粘土質のため農作物の生産には向いていなかったそうです。そこで古来より土地の男は出稼ぎに行くことが多くそれが忍者発祥の起源だとか。しかしこの土は焼き物に向いていた

【参考資料】400万年前は琵琶湖の湖底だったのが伊賀地域です。すぐ上が甲賀

伊賀の土の特徴は非常に細かい石英を含み、高温で焼き締めるとこの石英が溶けて自然釉を形成。それがエメラルドグリーンに発色するのだとか。まさにその特徴をもつぐい吞みを見つけました。古代の琵琶湖の景色を今に伝えているのでしょうか。この土でぐい吞みを焼くなんて参りましたね

白い粒は400万年前の琵琶湖の湖底に堆積していた化石の破片だそうです
燗銅壺の風格に負けない存在感あり。それでは一杯いってみますか

その伊賀の北方の甲賀も古琵琶湖の湖底が隆起してできた土地です。この甲賀のぐい吞みがまた渋い。こちらも焼き締めの自然釉。伊賀焼と甲賀焼と呼びたいところですが甲賀は焼き窯のあった地名から「信楽焼き」と呼ばれちゃってますね。ちょっと残念。甲賀の土は大きなものが焼けるところからタヌキの置物が有名ですが、タヌキだけじゃあないんだなあ。あたかも湖に流れ込む清流のごとし。ここに甲賀焼きあり

左が伊賀、右が甲賀 揃いました。どちらも忍者の里の焼き物です
無事に仕事を終えた忍者が家族のもとに帰ってきて一杯飲んだ器も同じ土で焼かれていたはず

横からみると土質がよく似てることがわかります。どちらも古琵琶湖の湖底の土。左が400万年前、右が300万年前ですと

余談ですが同じ焼き締めでも備前はこういう感じ。これもまたゲキ渋です

備前焼きは岡山県の備前地方の田んぼの地下3~5mの粘土層の土を原料としています。焼き締めは高温(1300℃)で1週間以上焼いて作られ非常に硬くて滅多なことでは割れないのが特徴。つまり縁起良いんだよね焼き締めは。私の所有する伊賀、甲賀、備前はみな焼き締めです。シングルモルトもイケます

備前で晩酌

渋いのばっかりと思いきや 萩焼もひとつ持ってます。これは焼き締めではないけど大変気に入ってます

たまには紅釉のぐい吞みも乙
ヤフオクをみていると同じ陶芸店から秀逸な作品がたくさん出展されるときがあります。展示販売している作品の入れ替えのようなものでしょうか。そんなときに掘り出し物に出会えます。最新の出会いは伊賀焼

追加資料 常温の酒には江戸期の蕎麦猪口を使ってます。右の龍は手描きの一発画でしょうね。線に勢いがあります。江戸時代のポップな画風に味がある。左はたぶん菖蒲の花

いいですなあ日本の酒文化